半透明記録

もやもや日記

お知らせ

『ツルバミ』YUKIDOKE vol.2 始めました /【詳しくはこちらからどうぞ!】→→*『ツルバミ』参加者募集のお知らせ(9/13) / *業務連絡用 掲示板をつくりました(9/21)→→ yukidoke_BBS/

物語はどこから来るのか

2008年07月19日 | もやもや日記


優れた文学作品を読んでいると、あるいは面白くてたまらない漫画などを読んでいると、いつも不思議に思うことがあります。これらの物語はいったいどこからやってくるのだろうかと。どういう状況にあれば、こんなイメージが沸き上がってくるのだろう。たしかにそこに生きているとしか思えない人物はどこから。
創作をやる人には、当たり前のようにそれができるものなのでしょうか。私は残念ながらそういう方面の能力がないので、どうも想像がつきません。

私は文章を書くことはありますが(現に今も書いてます)、それが物語であることはほとんどありません。私が書くものは、実際にどこかへ出かけていって見たり聞いたりしたこと、あるいは夢の中で見たり聞いたりしたことを、もしくはあーでもないこーでもないと考えたことについて、できるだけ正確に書き写そうという種類のものです。事実や思考の流れの羅列であって、物語ではないのです。いつもオチがないのは、多分にそのせいかもしれません。ここがいつも残念です。
私の漫画やアニメーションがわりと「意味が分からない」「面白みがない」「人物に個性がない」とないない尽くしで評価されるのを、できれば克服したいのですがねー。もうどうしようもないの……?

先日、同人誌に参加して下さったねこきむちさんにお会いした時、ねこきむちさんがこんなことをおっしゃっていて「へ~~」と感心してしまいました。ちなみに、ねこきむちさんという人は、ものすごく筆の速い人で、次から次へと新しい小説を送って下さるので、進みのノロい私の同人誌には到底掲載しきれないほどです。で、そのねこきむちさんが、
「自分のなかに溜まったものを、吐き出さないと潰れてしまうから」みたいなことをおっしゃって、私は「なるほど、なるほど」と思うと同時に「私はそんなこと、感じたことないや」と気が付いたわけです。もっと正確に言うと、私にも多少「何か書かなくてはならない」という欲求はあるものの、それが「物語としてあらわれてくることはまったくない」ようだ、と気が付いたのです。これが不思議だった。私はこんなにも物語を好きだというのに。でも、物語は読むに限るのですよねー。

このあいだの同人誌『YUKIDOKE』でも、私は自分も寄稿して、いちおうそれは物語の形式はとっているのですが、実はただ夢見たことをそのまま写しただけのものです。なので、どことなく物語風ではあるものの起承転結も伝えたいことも何もありません。
なんかなー、何となく無念なのです。物語らしい流れのあるものが生まれてこないということが。次回にも寄稿したいのですが、やっぱり夢ネタでオチもないし。うーむ。いいのだろうか。そんなことで……。かと言って、夢ネタを離れて完全に創作ということになると、もう絶対に無理だし。小説とか、詩とか、書けない。書こうと思ったこともない。無理にオチをつけると、壮絶につまらないものに仕上がるし。というか、オチとか以前に、何かが決定的に足りないよなー。私の好みじゃないんだよなー。読むのは好きで、目も肥えてるつもりなのになー。
と、我ながらくだらないと思いつつ、ちょっと悩んでいます。読む能力と、書く能力は別物だとは分かってはいるのですがねー。

でも、私には私の作品が(いちおう作品ではあると思う)が物語とは思えないけれど、ひょっとしたらどこかにあれが物語のように思えるという人がいるかもな、と思ってもいます。そういう可能性があるから、「なんか面白くもなんともないのに、なんで書いちゃうのかなー」と首をかしげつつも、私は書いてしまうのかもしれません。「なんか分かんないけど書いちゃう」というのは、ねこきむちさんに比べるとかなり消極的ですが、同じ欲求かもしれませんね。問題は、私が望むように、もっとそれを物語的に表現するにはどうするかということだ。だって、自分でも面白いと思えるものを描きたいじゃないですか。

そこでちょっと、私の書いたり描いたりするものを分析してみました。私にとってあれらが物語でないのは、おそらくあれらがいつも「一場面」でしかないから。とにかく「一場面」。「ネコとネコが待ち合わせ」「美術学校に入学」「授業で見学」「ヒャクボルコの随想」「サンショウウオを捕まえた」。うーむ。ストーリーが無い。自分で言うのもなんですが、それがどうしたって言うんだ、というものばかり。いったいどうすればいいのだ。
………。だが待てよ、「一場面」をずっと続けて、それを並べたらどうにか流れをもったものに成長しないかな。だってほら、「美術学校」は続けざまで見た夢をそのまま繋げただけだけど、なんか物語っぽくなったし。ひょっとしてそういうこと?(どういうこと?とは、はっきり言えないけど) 甘いかな。甘いかもな。でも別に甘くてもいっか。

というわけで、次回作も懲りずに意味も主題もない漫画を描いちゃおう。でもなー、いいのかなー、ちょっとは学習とか向上とかあってもいいんじゃないかなー………もんもん(/o\)。
はあ。暑い。
しかし、ほんとに垂れ流しだな、私の書くものは。きっとあれが足りないんだな、全体を統制する力が。はじまりからおわりに向かって流れを制御する力が。それって……どこかに売ってはいませんかね。やっぱ訓練しかないのでしょうか……もやもや。
はあ。暑い。
ほんとうにどうでもいいことで、スミマセン。はは。