半透明記録

もやもや日記

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『チェブラーシカ』

2007年10月01日 | 映像(アニメーション)
《あらすじ》
果物屋のおじさんのところへ届いたオレンジの箱を開けると、なかから不思議な生き物が出てきた(なかのオレンジはもちろん食べられている)。おじさんによって「チェブラーシカ(ばったり倒れ屋さん)」と名付けられたその動物は、ある日動物園でワニとして働く孤独なワニのゲーナと友達になる。

《この一言》

“新しい人生を始めるのよ ”




巷ではもっぱら「可愛い」と評判のチェブラーシカをDVDで観ました。DVDを買ったのは、そう、去年のことだったかもしれません。ようやく観ることができて満足です。
それで、チェブラーシカは可愛かったかというと、可愛いというよりはむしろ面白かったです。かなり面白かった。「とつぜん何を言い出すの!?」という突っ込みどころが満載の動物でした。間抜けな可愛さは、たしかにある。



きわめて退屈そうなチェブ(コマがまわっているのを見ているのです)。
退屈そう過ぎる! もの凄く説得力のある一コマ。
表現とはこうありたいものだ。


さまざまな作品にたびたび登場することからも、ロシアの人はきっとワニが好きなのだろうと推測しますが、今回もアフリカワニが登場します。私はこのワニのゲーナが気に入りました。実に切ない人物です。どうやら年齢は50歳、動物園勤務(無論ワニとして見られることが仕事)、一人暮らし(仕事が終われば帰宅するのです)、友達はいない。アコーディオンを弾きながら歌を歌います。名曲です。ひょっとしたら本人としては陽気な歌なのかもしれないですが、哀愁がほとばしり出ます。

働くゲーナ


もうひとり重要な登場人物としては、シャパクリャクという猛烈なおばあさん。ロシアのばあさんはやはり凄い!の一言に尽きます。元スパイ。いたずら好き(というレベルはやや超えているが)なのは寂しさのせい…なのか? 恐るべき身体能力の持ち主。木の上や列車の上に瞬時に駆け上がることができます。ショルダーバッグの中身はすばしこいネズミのラリースカ(これには皆がびびる)。


DVDには3つのお話と、おまけのお話がひとつの全4話が収められています。「ロシアって……やっぱロシアなのね」としみじみと感慨を深めながら観ましたが、どこまでが笑いどころなのかが分からない。臭いものには蓋、という場面(ちなみに一緒に観ていたK氏はここで爆笑)や、海に色々なものが沈んでいたりとか(楽器とか鍋とかミシン台?とか)、「コンプレッサーを盗みましたね?」「はい、盗みました」というやりとりがあったりとか。まあ、ロシアなんです。そこが私は面白いのですけど、やはりちょっと不思議な感性だと思わずにいられません。


とにかく、ものすごくよくできたアニメーションには違いありません。色といいキャラクターといい音楽といい物語といい、超越的です。こういうものを作るのは実に有意義だと思います。まったく凄いことです。素晴らしいことです。
と、いくらでも讃えたい傑作アニメーションでした。