半透明記録

もやもや日記

お知らせ

『ツルバミ』YUKIDOKE vol.2 始めました /【詳しくはこちらからどうぞ!】→→*『ツルバミ』参加者募集のお知らせ(9/13) / *業務連絡用 掲示板をつくりました(9/21)→→ yukidoke_BBS/

『ハウルの動く城』特別収録版

2007年09月14日 | 映像(アニメーション)
宮崎駿監督作品 (スタジオジブリ)


《あらすじ》
父ののこした帽子屋で働くソフィーはある晩、荒れ地の魔女によって呪いをかけられ、老婆になってしまう。変わってしまった姿を家人に見られないようにこっそりと家を抜け出し、彼女は魔法使いハウルの城で掃除婦として働くことにする。
一方、外の世界では戦争のムードがますます濃さを増していた。


《この一言》

” 君だ。 ”




特別収録版を買いました。外国語の音声と字幕がついているのです。日本語以外に4つの言語です。しめしめ。これは楽しいぞ。
というわけで、劇場版をすでに観ていることもあり、今回は英語版で観直すことにしました。おや、カルシファーの役をビリー・クリスタルがやっておるではないですか! どきどき。いや、あの見た目が好きなわけじゃないですよ、でもなんかちょっと好きなんですよね(←あ、微妙に失礼なような;)。


観直してみて思うことには、この作品は1度目よりも2度目以降のほうが面白さが増すということでしょうか。結末が分かっているせいか、私などはもう冒頭のソフィーがハウルと出会う場面(ふたりで空中をスイスイと歩く美しい場面です)ですでに泣きそうです。そうか、そういうことだったのか。

最初に観たときも、ハウルの可愛さに悶絶しましたが、今回もまたかなり悶えました。これは私ならずともときめくでしょう。優秀な才能あふれる魔法使いであるけれども、ちょっと駄目なやつ。女の子に振られた悲しみのあまり暗黒を呼び出しちゃったりもするらしい。そして、美形。
……クッ。もしやこれは、罠? 私の心臓を奪おうという算段ね。ああ、でもハウルになら獲られても構わないわ! と勝手に宣言するほどに、すっかり鷲掴みにされてしまいます。

そんな感じで、女の子の妄想を圧縮したようなハウルに愛される主人公のソフィーという女の子ですが、これがまた魅力的なんですね。美しく華やかで社交的な母や妹に比べて、彼女は地味で目立たない少女でしたが、その上呪いをかけられて一飛びに老婆になってしまいます。ところが、そのためにかえってソフィーは活発になってゆくのです。そこが面白い。
このソフィーという人物は、外見もおばあさんから少女までの間をかなり流動的に行ったり来たりし(中年くらいの時もある)、内面的にも変化が激しいのですが、その微妙な移り変わりを効果的にうまく表現してあると感心します。

脇役も良い感じです。
荒れ地の魔女も妙な人物だし(日本語では美輪明宏さんが声をなさっていてとてもぴったりだったのですが、英語版のローレン・バコールさんもかなり良かったです)、ハウルの弟子のマルクルも可愛いし、カルシファーも悪魔だというわりに素直でいい奴だし(ビリーの声もやはり味わいがあって良かった)、ぶさいく犬のヒンがまた……ぶさいくなんだ!
惜しいのは、カカシのカブ。この人物はもうちょっと突っ込んでも良かったかも。でも、あのくらいでいいのかな。


面白かったなー。やっぱり。
宮崎作品のなかではあまり評価は高くないような気もしますが、たしかに『ラピュタ』などに比べると派手さや壮大さは少ないし、もう少し直接的に訴えるようなテーマを掲げたほうが良かったかもしれませんが、だけど私はこの、駿さんにしては控えめな感じのするところが気に入りました。そもそも、ボーイ・ミーツ・ガールはいつものこととしても、ここまではっきりとラブロマンスであるというところからして驚きですし。

なんと言うか、出会いの不思議とか、意志を持つことの意味とか、そういうことを考えたくなる作品ですね。
映像の美しさは相変わらずですし。
高地のお花畑がやばいです。


今度はフランス語で観たい。