気ままな歳時記

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『レッドクリフ・パートⅡ』

2009年05月17日 20時54分06秒 | ときどき,映画
 西暦208年,中国の三国時代に魏,呉,蜀が争う中で,曹操率いる80万の魏軍に対抗するため,蜀を治める劉備の軍師孔明は,知将・周瑜を擁する呉と同盟を結び,戦いに望むのですが,一つ一つの作戦が自然の原理と戦略により行っていくのですが,“三国志”の文章に表れるものが,映像となって見ることが出来るのは最高でした。

 有名な「赤壁の戦い」の直前までを描いた「PartI」の完結編となる「PartII」は,主将や軍師による作戦を描き,今回の映画では,本編の前に,イラストによる概要解説が行われるので,前作を見ていない人にも十分楽しめるようになていましたが,孔明役の金城武さんが聡明で理知的で素敵でした。

 “三国志”の中で「赤壁の戦い」は,ほんの一部分の戦いなのですが,映像的には最大のスペクタクルな場面が多いのは確かなので,これが映画になったのは頷けることですね。

 魏軍の疫病した戦士を曹操が送る場面,孔明が十万本の弓矢の調達する場面,尚香の恋心,周瑜の妻小喬が曹操のもとへ行く決断,大軍を率いているからこその曹操の味方への不信感など,“三国志”に全体に共通する,作戦の優劣が戦(たたかい)の勝ち負けへ影響することを,“三国志”の本の中で想像するよりさらにスケールを大きく映像化してくれて,それを見れる喜びをこの映画で噛みしめることが出来ました。

 中国の歴史の一場面を分かり易く,ドラマチックに作ったであろう映画なのですが,印象に残ったのが,呉の孫権の妹と魏の軍隊のデブ助との友情が一番泣かせられました。

 この映画を観る前に吉川英治の“三国志”の文庫本全8巻をあっという間に読み切ってしまいましたが,大学時代以来30年振りくらいに読んだのですが,いつ読んでも凄いスケールで,ドラマチックで,全編を12時間くらいの映画にして欲しい気がします。
 そこまでいかないまでも,“三国志”の違う戦いもジョン・ウー監督に作って欲しいなあと思いました。

 『レッドクリフ・パートⅡ』のポスター


 『レッドクリフ・パートⅡ』のポスター(その2)

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