気ままな歳時記

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『モラトリアムな季節』熊谷達也著

2012年11月20日 20時28分46秒 | 宮城県に馴染みの深い人々
 平成23年9月22日に紹介した「七夕しぐれ」の続編である熊谷達也の『モラトリアムな季節』を読みました。

 「七夕しぐれ」に続編があることを知らなかったのですが,このブログへのコメントで知り,早速読んだのですが,主人公の和也(著書の達也氏か?)は大学受験に失敗し県北の登米町(とよままち,現在の登米市登米町)から仙台に予備校に出てくるところから物語は始まります。

 浪人を始めたのが仙台市電がなくなった春と言うことですから,昭和51年4月からの3年間の物語で,小学5年の時の同級生のナオミとライブ会場での劇的な再会,そして高校時代の彼女の加代子との別れが話の中心になっています。

 仙台のロック喫茶「ロビンフット」は,きっと「ピーターパン」のことだと思うのですが,この時期は私は仙台を離れていたので,そんな喫茶店があったのかもしれません。

 高校から大学の多感な時期が描かれていて,自分の人生へ投影してみながら,懐かしくもあり恥ずかしくもあるそんな小説ですが,仙台が舞台なので,ついついその場所や店を想像してしまい,本の内容よりまた,場所探しに没頭してしまいました。

 最後まで分からなかったのが,和也が小学生の時住んでいたO町は,広瀬川沿いのコンクリートの護岸があると,ここで,国道が近くを走っている橋はS橋,仙台駅から歩いて行くことが可能,というヒントがあります。
 
 このヒントから実名だとすると,歩いて行ける範囲で考えると,国道のS橋は千代大橋(せんだいおおはし),近くのH橋は広瀬橋だと思うので,O町は広瀬橋付近だと推測されるのですが,その付近にO町という地名は見当たらないですね。

 はじめは,O町は大町や大手町と思ったのですが,国道が近くを走っていないし,S橋に該当する橋がない(大橋,仲ノ瀬橋,評定河原橋,御霊屋橋),そして今回の物語でO町を訪れた後に,仙台駅前から西に向かうという記述が出てきますが,大町や大手町だと,駅から西にあるので,“西に向かう”のではなく,また“戻る”という表現になると思うので,違う気がしますね。

 O町が何処かを考えると寝れなくなりそうなので,考えないことにしていますが,どうも気になります。

 O町を分かる方いたら是非教えて欲しいですが,小説の中には実名と違うものも出てきますので,実は,フィクションだとすると悩むだけ無駄な気がしますが・・・。やっぱり,気になるなぁ。

 『モラトリアムな季節』熊谷達也著