農業じゆう人

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上空の寒気、大雨の引き金

2022年06月09日 12時41分45秒 | 地域
  沖縄、奄美に続き関東甲信地方が6日、梅雨入りした。 梅雨の期間中、雨の降り方は一様ではない。
  シトシト降ることもあれば、豪雨となる場合ももある。 雨脚が特に強まりやすいのは、前線に向
   かって暖かく湿った風が流れ込むのに加えて、上空に寒気が入ったときだという。 寒気は冬だけ
   でなく真夏でもやってくる。 高層天気図で確認すれば寒気の動きを追跡できる。

  梅雨入りは西日本から順次、北上することが多いが、今回は関東甲信地方が九州や四国よりも早か
   った。 背景には、オホーツク海高気圧の出現がある。 高気圧の周りを吹く北東風が関東平野
   に入り、山にせき止められるなどして雨雲の発生を促した。 しばらく天気がぐずつく予報とな
   り、気象庁は梅雨入りの発表にちょうどよいタイミングと判断したようだ。
  北東風が吹くとき、気温は低い。 東京の6日の日中の気温は16~17度で推移し、4月上旬並
   みの涼しさだった。 強さ2~4㍍の東北東~北東の風が吹き、肌寒く感じられた。 低温をも
   たらしたのは地表に近い大気下層の冷気で、しばし低い雲や霧の発生を伴う。

 一方、上空の寒気が南下した、などという場合の上空とは
 気圧が500hPaの高度(約5500㍍)を指す場合が多い。
 この高さの高層天気図で等温線を見ると、寒気の塊が頻繁
 に現れるのがわかる。 6月上旬、関東上空(茨城県つくば市
  の高層気象台)
の平年の気温は氷点下10度前後だ。 氷点下
 15~20度なら、かなり冷たい寒気がやってきたことに
 なる。地表付近で暖められ、空気が湿っているとき、上空
 に寒気が入ると大気が不安定になる。高温の軽い空気は上
 昇し、高度を上げるにつれて周囲の気温が下がるので水蒸
                     気が凝結して雲粒となる。 このときに熱を出して、さら
                     に上昇を続け、積乱雲の発達をもたらす。
  空気が集まるような流れがあると上昇気流は激しさを増し、積乱雲の先は対流圏と成層圏の境目に 
   まで発達する。 雲の頂上は天井に突き当たったようになって横に広がり、「かなとこ雲」とな
   るという。 災害級の豪雨が発生する場合もある。

  群馬、埼玉、千葉などでひょうが観測された2日と3日は、つくば市の上空500hPaの気温が氷
   点下15~16度と低かった。 加えて、風がぶつかり合って局地前線のようなものができ、上
   昇気流が激しくなったとみられる。 梅雨前線の周辺では、似たような現象が起きやすい。
  
  関東地方などではここ数日、雨と低温が続いている。 刻々と変わる気象をできるだけ小まめに
   チェックし早め早めに対応できるように心がけておきましょう。