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日本を閉塞させる形式至上主義

2017-10-31 10:07:17 | ニュース
以前、リベラルな政治主張に対するバッシング記事が、
クラウドソーシングの仕組みで受発注されていたことが話題になりましたが、
先日の衆院選に関連して同様のハナシがまたあったようです。


 ランサーズで山尾志桜里氏のバッシング記事が800円で発注される「愛知7区の無効票が多すぎる!」と内容指定

 民進党を離れ、今回の衆院選に無所属で愛知7区から出馬していた山尾志桜里氏が、
 自民党の現職を僅差で下し、当選した。

 この選挙結果に納得がいかなかったのだろうか。ランサーズには10月23日、
 「愛知7区の無効票が多すぎ!山尾志桜里の選挙区に何が起こったか!?」
 というタイトルの記事を作成する依頼が掲載された。報酬は800円だという。

 発注しているのは脱サラした40代男性、ブログの運営をする個人事業主

 山尾氏は12万8163票を獲得。敗れた自民候補とは僅か834票差だった。
 ネットでは「1万票を超える無効票は異常」といった根拠のない反発の声が上がっていた。
 報道によると、愛知県の選挙管理委員会には、不当な抗議の電話が相次いでいるという。
 しかし投票総数に無効票が占める割合は4.23%と飛びぬけて高いわけではない。

 今回、ランサーズに掲載された仕事を発注しているのは、東京都に住む40代前半の男性。
 自己紹介欄によると、会社員を辞め、個人事業主としてブログの運営やYoutube動画の投稿をしているという。
 子どももいるそうだ。

 仕事依頼では、記事の構成についても、

  1.愛知7区の無効票が多すぎる!(400文字以上)
  2.山尾志桜里の選挙区の当落結果(500文字以上)
  3.愛知7区で無効票が多かった理由を考察(500文字以上)
  4.記事の感想をまとめる(100字以上)

 と細かい指定があり全部で1500文字。誰でも簡単に書くことができるようになっている。
 26日までに削除され、現在は見ることができなくなっている。

 関連があるかは定かではないが、とあるブログに同タイトルで構成も指示通りの記事が23日に掲載されている。
 「今回の愛知7区では、明らかに無効票が多いので、何らかの不正があったのではないかという声も
 一部ではあがっています」としながらも、

  「もちろん、これはあくまで噂に過ぎず、事実として確認できていることではありません。
  選挙は、公職選挙法によって適切に管理及び処理されていますので、不正はできないようになっています」

 と書かれている。内容は一応穏当ではある。

 「政治思想とは無関係な『おこずかい稼ぎ系ブログ』」?

 この仕事依頼が判明すると、ネットでは

  「ネトウヨがRTしてアクセス稼げそうな記事を発注してるのね」
  「政治思想とは無関係な『おこずかい稼ぎ系ブログ』でしょう」

 といったコメントがいくつも寄せられていた。
 政治的な思惑があって記事を発注した可能性も否定できないが、
 単純にその時々で話題のテーマを取り上げ、アクセス数を稼いでいるだけの可能性は高い。

 今回の件について、山尾志桜里事務所の担当者に確認したところ、
 「何らかの対応をする状況ではありません」とのことだった。

 ランサーズには以前にも、「政治系サイトのコメント欄への書き込み。保守系の思想を持っている方」
 という依頼が1件30円で掲載されていた。
 クラウドワークスにも「政治系の記事作成。保守系の思想を持っている方限定」
 といった依頼が1本800円で出されていたことがある。


アベちゃ自民に対抗するような、政治的リベラルな政治家や支持者達をバカにしたり、
バッシングするような記事や投稿はよく見かけるのですが、
こういう、ネトウヨを装って書かれた雇われ記事も相当あるようです。

道理で、彼らの主張に論理性が伴わないワケです。
ただバッシングすれば小遣いになるのですから。


こうしてまた一方で、ネトウヨはこんなことしかできないと、
保守と言うより極右・ネトウヨ的な人たちへの批判になるのですが、
でも、その逆もあるかもしれないワケですよね。

リベラルもしくは左翼的な立場から、その逆への批判的な記事も、
どこかで受発注されてないとは限りません。

ってことで、どっちもどっちかもしれませんがね。

まあ、どっちが商売になりやすいかといえば、ネトウヨがリベラルを叩くほうと思いますけども。


さて、アベちゃんOBの神戸製鋼の品質不正や日産の不正検査が話題になったばかりですが、
今度はスバルでも無資格者による自動車の不正検査が発覚したとのことです。
いやー、スバルでもですか。

なんか個人的には、そういうところはスバルって生真面目な印象があったので、
ちょっと残念なニュースですねえ。

逆に日産とかだと、不正?やってるかも?なんて思ったりしてたのですが。


こうなると、他の自動車メーカーや鉄鋼メーカー、他業界の大企業も、
不正に手を染めて消費者を騙しているんじゃないか、
そんな疑念を持つとしても自然なことと思われます。

ホントに日本の製造業はどうしちゃったのでしょうかねえ。

やっぱり、そうしたモラルよりも、他のことが優先されてる結果じゃないでしょか。


品質検査にしてもなんにしても、いろんな基準や規制、審査のプロセスが細かく決められていて、
それを記録しなければらならいワケじゃないですか。

ソレはいいんですけど、あまりにそのプロセス等が細か過ぎて複雑過ぎて、
ま、品質と安全向上のためなんでしょうけども、そのおかげで現場が疲弊しているんでないかと。

結果、手間と時間はかかるし疲れるしこんがらがるしコストにも跳ね返るしで、
ちょっとしたプロセスはスキップしちゃえばいいんじゃね?どうせわかんねえし?
書類だけつじつま合ってりゃいいじゃんね? みたいな判断に繋がるのも無理からぬと思います。

形式的な手続きや書類が求められるが故に、歪みができちゃっているんじゃないですかね。


こういうのは製造の現場だけに限りませんね。
例えば職場の環境基準審査であったり、労働環境や個人情報保護に関する審査や報告など、
様々な評価基準が設けられるおかげで今の企業には本業とは違う部分での事務的業務に、
多くの労力を割かねばならない事態となっています。

でも、それらをクリアするのは、もちろん審査の結果としての書類が重要なので、
つまりは形式的に検査して、形式的に書類がそろえば、結果的にいいってハナシです。

もちろん、それでいいとは表向きに言いませんが、実態はそんなところです。
「そんなところ」のためにの多くの雑務というのがわかっていたら、
そんなに真剣になったりもしません。

例えば、女性が働きやすい職場として厚労省に認定されていた企業に電通がありますが、
そこでナニが起こったかはみなさん承知の通りです。


今は働き方改革(笑)だなんだで、どこもかしこも残業を減らせと言い、
会社は社員に対して残業するな、でも業績は上げろと言うのですね。効率的にやれと。
効率的にできるんだったら最初からやってるってもんですが、会社は言えばいいだけで。

で、会社は社員の残業が減ってますとの実績を作りたいものですから、

 残業はしなかったことにしろ。でも働け。

ってなことになっちゃいます。

全ての企業がそうではないかもしれませんが、
そういう職場って多いんじゃないかと思います。


もちろん労働時間に関してだけでなく、本業に関することでも、
いろんな規制なりが年々増えて、作業プロセスも書類も増えてしまう。

その中には無駄だなと思われることも、理不尽と思われることも含まれていたりして、
審査っつってもセレモニーと化していることも少なくないんじゃないでしょうか。

最近では会計においても大規模な不正のニュースがありますが、
コレも形式的にやり過ごすだけだから起きることではないかと。


で、規制や基準に沿うために書類がなんとか形式的に揃ってればいいのが現実であれば、
そちらを優先させればいいとの意識だって芽生えてしまうんじゃないでしょうかね。
もちろんだからって、しょうがないで済ませられることではないですけどもね。

いや、社員の労働環境を良くしようとか、地球環境に優しい企業であろうとか、
顧客にいい製品を届けるために厳格であろうというのはいいんですけども、
ちょっとこの形式至上主義ってなんとかならないものでしょうか。


まあ今や、検査や審査のような作業はAIにやらせればいいってことになりますかねえ。

資格を持つとかその能力に値するAIさえあれば、仕事は正確だし疲れ知らずだし、
不正だってしないし、人間よりよっぽど信頼できるでしょう。

不正なバイアスを故意にプログラムに仕込まれる恐れはありますが、
進化したAIならそのうち学習して正常な判断ができるようになったりしないでしょうか。

そういった意味では、もう人間でなくAIにやってもらったほうがいい仕事ってのは、
素人が考えるにたくさんあるような気がします。

そうすると人間は、なんのために生きることになるんでしょう。

 

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