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先週18日夜のテレビ朝日・報道ステーションでドイツのワイマール憲法を特集していました。
先進的で民主的だったはずのワイマール憲法下でなぜ合法的にナチスが生まれたのか、
大きな理由として「国家緊急権」を取り上げ、それを自民党が改憲で憲法に盛り込もうとしている
「緊急事態条項」との類似点を警告したものです。
ここで放映されたヒトラーの姿、その言動などがアベちゃんにそっくり、
との印象を持った方々も多いようです。
それ以上に、政治的プロセスとしての酷似も見受けられたと思います。
事実、キャスターの古館氏は実名こそ挙げませんでしたし、
今の日本ではナチスと同じことは考えられないけれども、と言いながらも、
明らかにナチスとアベちゃんや現政府を重ねあわせる意図はあったと思います。
自分も以前、ナチスと第二次アベちゃん内閣は似ている、とエントリーしたことがあるのですが、
この放送での描写は、アベちゃん政権はナチスに倣っているのだと改めて思わせるものでした。
まず、ヒトラーが得意としていた演説については、
アベちゃんも大いに力を入れているのは見て取れますが、
身振り手振りや言葉の抑揚のなど、ヒトラーに似てるとは思っていました。
実際に、彼の演説方法を取り入れているのでしょう。
それだけでなく、使っている言葉まで真似ていたかのようです。
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古館氏が言うに、ヒトラーは反感を買う言葉を人受けする言葉に代えるのがうまかった、と。
例えば、
独裁=決断できる政治
戦争の準備=平和と安全の確保
と言い換えたり。
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あるいは、
強靭な国にしたい
この道しか無い
といったフレーズ。
「国土強靭化」のネーミングもきっとヒトラーが由来なのでしょうね。
そして国家緊急権の発動による言論や反対勢力の弾圧。
番組では共産主義者、野党への弾圧に触れていましたが、
へえ、今の日本じゃ、選挙協力を進めている野党共闘を、共産党と組むなんてと、
共産党アレルギーを露にし彼等への敵視を煽ることも、ここから学びましたかね。
今でも政権からと思われるメディアへの圧力が見て取れる現状ですが、
その圧力がもっと広がりを見せ、もっと強力になるのかもしれませんよ。
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で、最終的にはナチスに「全権委任法」の成立を許してしまい、
独裁が暴走することにつながっていくのです。
ヘルマン・ゲーリングの以下の言葉を紹介したことも良かったです。
「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。[…]
しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、
民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、
国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。[…]
とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、
平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、
国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。
この方法はどんな国でも有効だ。」
まさに現在の日本の安全保障を取り巻く状況そのものじゃないですか。
なるほど、北朝鮮が飛翔体を飛ばしてくれるのも、
中国が尖閣諸島でうごめいているのも、そういうことなんですかね。
「北朝鮮の脅威」「中国の脅威」を政府やメディアが煽るとき、
自分はゲーリングの言葉を思い出すのです。
番組では最も大事なこと、そう自分が考えることも紹介していました。
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連合軍の勝利後、ナチスの強制収容所の惨状をドイツ市民にあえて見せたところ、
「こんなことが行われていたとは知らなかった」というドイツ人にアメリカ兵が言った言葉、
「いや、あなた達は知っていた」
そうです。
知らないなんてことは無い筈なんです。
知らないフリをしていたか、見逃したのです。
そして、それ以前にはそういう政府を容認したのです。
番組で紹介されたこれら一つ一つは既に良く知られた事柄が多いと思いますが、
どうしてナチス独裁政権が合法的に生まれたのかとの文脈でまとめられていました。
こうして今、日本では憲法に「緊急事態条項」が盛り込まれるかもしれない状況なのですが、
ナチスを生んでしまった歴史に学ばないのか、ということです。
首相の権限で法律と同様の効力を有する政令を制定することができる、
その危うさが歴史からも見て取れるのに、また見逃すのかと、容認するのかと。
しかし政府の方は、むしろナチスにあやかりたがってるようですから、
歴史に学ぶようなことはなさそうです。
ここは市民が、後から「知らなかった」と済まさないよう監視しないといけません。
そういえば以前、馬鹿な阿呆センセーが、
「ナチスに学んだらどうかね?」
なんて発言をしたとき自分はそれを最初、
ナチスのようになってはならないとの戒めを込めたシャレだと思ったのですが、
どうやら本当に学ぼうとしていたのですね。マジだったと。で、実践してると。
自分も見る目が甘かったものです。
ナチスに学ばなければならないのはその独裁と暴走の成立過程なのです。
その危険性、可能性は今は見逃すくらい小さくても、あるかもしれないのです。
そうした歴史に学ぶ姿勢と想像力・危機意識が求められているんじゃないでしょうか。
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