The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2009 バローロ カンヌビ レゼルヴァ フラテッリ・セリエ・エ・バッティスタ・ボルゴーニョ

2017-08-11 21:44:56 | ワイン
その日は次女が帰って来て2日目の夜で、『リストランテ・シカザワ』のアポを取っておいた。
しかも随分寝かせて置いた『86’ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ ビオンディ・サンティ』を持ち込むよ!てな調子の良い約束までしておいた。
ところが前の日がまずかった、何とそれこそ調子こいて、オキテ破りの4軒ハシゴに娘まで付き合せてしまったのだ。
結果ブルネッロ抱えての華麗なリストランテの夜も、どちらかと言えばイヨマンテの夜てな感じ。(笑)
この感じじゃあ熟成ブルネッロを登場させる体調ではないな、との判断を下し、最後の赤はお店にお願いしたという次第。
で、表題のワインが登場したという流れなんですよ・・・
まあ86’ブルネッロはまたの機会にという約束をして、メインの鴨料理にこのワインを合わせたのだが、これがまた超ゲキテキ・アビナメント♪
実に見事な相性を見せてくれた!



今はフラテッリ・セリエ・エ・バッティスタとのことだが、その前はフランチェスコ・ボルゴーニョで、あの古酒で有名なボルゴーニョなのだ。



造りは今も変らず、手摘みで収穫の後、50hlの木樽で発酵させ、そしてマロラクティック発酵はステンレスタンクで行うとのこと。
その後オークの大樽で5年間にわたる熟成をさせ、最後に6ヶ月の瓶熟成をさせるという念の入れようなのだ。
出来たバローロはもちろんクラシックそのもので、若い内は寡黙ではあるが、開いてくると本格的なネッビオーロの滋味、深みを体感できると言う代物だ。
2009年は熟成の高原部の少し手前にあるのだが、この鴨料理には丁度良いストローク♪
熟成とは正にそういうもので、ピンポイントで高原部に合わせる事が全てではない。
料理との相性が常に連動する物なのだと思う。
瓢箪から駒のような心持ちで、この最高の地所カンヌビを味わったと言うオマケまでついた。
その結果最高のイタリアン・ナイトになったのは言うまでもない。
シカザワシェフをはじめ皆さんにこの場を借りてありがとう!と言いたい。

2016 ベロッティ・ビアンコ カッシーナ・デッリ・ウリヴァ

2017-08-07 22:41:31 | ワイン
敢えてここでこの泡物を紹介するのはコスパの観点からなのだが、それだけではなくカナリ見事な泡でもある。
ピエモンテのコルテーゼの100%で出来ている。
コルテーゼはあのガヴィの元になる品種で馴染みでもあるのだが、質から言えば水っぽい特徴の無い白ワインというのが落ちだろう。
まあ最初からガヴィに失礼なことを書いてしまったけれど、このことは逆にこの泡を飲んだときに、このワインの見事さを際立たせてくれるのだ。



造り手さん曰く、エティケットにも書かれてある通り、『シンプルにワインです!』なのだ。
すなわちSO2無添加、オーガニック、そしてデリケートな泡・・・
それは何も足さない、何も引かない、あくまでもシンプルにワインなのだ。

さあ、少し冷やして、ククッと行こう!
熟したリンゴの摩り下ろし、蜜のような風味、フレッシュできれのあるミネラル、そして戻りにナッツのニュアンスもあるでよ。(笑)
夏のセラーの常備品として抑えておくべきだと心底そう思う。

2016 ヴァン・ド・ソファ ジェントル・フォーク

2017-08-03 15:54:20 | ワイン
見ての通り、ソファに座って寛ぎながら、ワインをラッパ飲みする男が描かれているエティケットだ。
これはそんなワインであることを暗示し、喉を潤すワイン、すなわちヴァン・ド・ソワフをヴァン・ド・ソファとして韻を踏むウィットも持ち合わせているようだ。



85%のアデレードのピノ・ノワールを中心に、ピノ・グリ、ゲヴュルツ、そしてリースリングを混醸するという型破りな発想も、造り手ギャレス・ベルトンの経歴を知れば何の不思議も無い。
彼はかのルーシー・マルゴーの2代目アシスタントとして醸造を学び、海洋生物学者という肩書きももっているとのことだ。

ワインはソワフというには飲み応えがあるが、フレッシュであり、酸味も切れ上がり、フェミニンで薫り高い。
アロマティックな白品種の陰は強調されずも、程よいアロマでオージーなワインののっぺり感を払拭してくれ実に気持ちが良いのだ。

ピノと言われれば、そりゃあピノなんだろうが、グルナッシュか何かのソワフと言われれば納得もする、この果実感!
またまたクセになりそうなワインではある!

恐るべしワインダイヤモンズ!

2003 パッソピシャーロ アンドレア・フランケッティ

2017-08-02 23:32:08 | ワイン
鬼才アンドレア・フランケッティ氏のワインにお初にお目にかかったのは、おそらく1997年のパラッツィだったと思う。
そして程なくして、同じヴィンテージの『テヌータ・ディ・トリノーロ』も飲んだ。

で、そこから氏のワイン造りはシチリア島のエトナ火山の標高の高いこの斜面になるのだが、それは2001年のことだった。
そのころには当方ナゼかフランケッティ氏のワインには興味が無くなり、数本のワインをセラーに寝かせてはいるものの、パッソピシャーロなどは買いもしなかった。
一方エイジングを珈琲でする珈琲店主氏は、このパッソピシャーロをしこたま買い込んでいたのだ。



で、今回パパジイで、はからずもご相伴にあずかったのだが、意外といえば失礼だが、美味しかった。
すなわち濃いワインであるはずのネッレッロ・マスカレーゼが、まるでピノ・ノワールのようなのだ。

それはナゼなのか?標高もあるだろう、エトナのテロワールもあるだろう、そしてアロマ、アントシアニン、そして酸を大事にする造りに寄るものなのだ。

かの地でのワイン造りは極めて稀で、記憶するところではフランク・コーネリッセン、アルベルト・グラーチなどであるが、このパッソピシャーロの存在は大きい。
こうして熟成した姿を見ることが出来るのもさることながら、今ではあたかもブルゴーニュの畑名プルミエのごとき区画ごとの仕込みも楽しめるのだ。

進化するフランケッティ、知らずにいたことは罪なことだったのかもしれない。