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The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2009 ジュブレイ・シャンベルタン レ・シャンポー ベルナール・デュガ・ピィ

2019-03-12 23:02:24 | ワイン
凝縮したヴィンテージだからこそ許されることもある。
例えばこの造り手・・・
いつもその壁に跳ね返されるこの造り手などはイイ例かもしれない。

すなわちブルゴーニュの赤の例外的な当たり年を、たかだか10年のこのタイミングで開けるという暴挙でも、美味しく飲めたというこの事実のことだ。
フツーは考えられないが、例外的な当たり年には濃密なエキスがあって、それがネガティヴ要素を包み込んで粗が見えなくなるのだ。





その瞬間は遅い時間に現れる。
それにはゴーモンみたいな辛抱が必要となるのは説明するまでも無い。

もちろん後10年も待てればよいのだが、その時代にワレは元気で飲めているかどうかは疑わしいのだ。
その時にデュガ・ピィの実力を少しであるけれど、垣間見れた思いがした。

2007 ポマール レ・ペズロール ミッシェル・ラファルジュ

2019-03-03 23:01:44 | ワイン
先日急遽U杉先生のご来盛の知らせを聞き、タケちゃんとワインを持ち寄ったところがこの流れとなった。



ともすれば最近の傾向として、ニッポンワインやナチュール属が入るのだが、この日は違う。
何と最初から最後までフレンチの保守本流!
すなわちシャンパーニュとブルゴーニュ三昧となったのだ。

その中でもワタクシが一番美味しく飲めたのが、この表題のワインだったのですわ。
コレらを飲んで思うのは、かのミッシェル・ラファルジュの手にかかれば、ポマールも優美で羽衣のような果実を楽しめるんだということ。





07’ともなれば、すでに熟成の高原部をひた走り、果実は細かく練れて、香りも複雑みを帯びている。
そこにはミネラルとハーヴとセミドライのプラムがある。
待てばエキスに粘性が現れて、忘れがたいニュアンスに心引かれるのだ。

ヴォルネイの雄はポマールでも凄い!
ラファルジュ、さすがと思うのであった。

2005 エミリア・ロッソ マッキオーナ ラ・ストッパ

2019-02-22 22:01:06 | ワイン
この造り手の2代目当主エレナ・バンタレオーニ女史がガンベロ・ロッソの最優秀栽培家に選出されたからそういうのではないが、このワインを飲んでやはりワインは葡萄の良し悪しが全てだ、ということに尽きる。

マッキオーナはラ・ストッパのフラッグシップでバルベーラとボナルダの混醸で造られているとのこと。
味わいは凝縮した果実に程よい酸味があり、それが口の中で見事に広がり、ニュアンスに富んだ底味のエキスはスムーズな喉越しとともに消えてゆく。





これが出来た葡萄に何も足さず何も引かず、いわゆる自然なスタイルで醸造されたもの。
否定的な香りなどは全く感ぜられず、実に優しく沁みる風情がそんな造りであることを証明する。

食中酒でありながらも、ちびりとコレだけ飲んでもイケルというのだから凄いのだ。
最近のイタリアのナチュールの範疇で、これほどスッと飲めたのも特筆すべきだと思う。

意外にスキかも・・・
いやむしろ、すきすぎて困るほどなのだ。

事件を呼ぶナチュール、抑えて置くべきだと思う。W

2014 コス ネッロ・ディ・ルーポ シチリア

2019-02-17 18:28:56 | ワイン
その昔はバルク売りや醸造用の葡萄の供給地であったシチリアの南端ヴィットリーア地区。
そのクオーリティワインの産地ではなかったその地区に『COS』はあるとのこと。
何かのきっかけでこの造り手を知ったのっだが、今はそれも忘れてしまった。
いずれにしてもセラーの端っこに眠っていたこのワインを引っ張り出し飲むこととなった。





およそワインのボトルとは思えないずんぐりむっくり体型にイタリアっぽいエティケットが巻かれている。
色合いは少し熟成を感じさせる中庸のガーネットを呈している。
いかにも旨そうな色合いだ。



『ネッロ・ディ・ルーポ』とはフォッサ・ディ・ルーポ区のネッロ・ダヴォーラ100%の仕込みとのこと。
風味にはネットリとした赤い果実とプラムのセミドライな感じを見つけるも、そこには明確なミネラルのアクセントがある。
そしてネッロ・ダヴォーラの纏わり付くようなくどさはない。



むしろ和風の御出汁感とバランスの良いエキスに魅了されるのだ。
いやまいった!旨いではないか・・・
思いがけずのフィネスとの邂逅に南部イタリアの未来への曙光を見た思いがするのは、さてワタクシだけではないはず。
追い求めてみようと思う。

1997 ジュブレイ・シャンベルタン クール・デュ・ロワ ベルナール・デュガ・ピィ

2019-02-10 16:49:49 | ワイン
どうしてこの造り手にこだわるのか?と聞かれることが一番つらい。
それはその答えに窮するのが目に見えているからだ。
唯一敢えて言わせてもらえば、それはセラーの中にこのワインが納まっている図柄がクールと言うことなのだ。
たとえば倅どもが秘密裏にセラーを覗いたとしよう。
その時にへ~!おとっつぁんはナゼにこのワインを集めていたのだろうか?不思議だ・・・とね♪
まあ自分の中での妄想めいたことなのだけど・・・

これまでクール・デュ・ロワを随分飲んだけど、本当に美味しく飲めてはいない。
それは登頂の半ばで振り返ってみた景色のようで、まだその先があるのを分っていて登りきれないジレンマのようなものをいつも感じている。

クール・デュ・ロワはジュブレイ・シャンベルタンの古木の複数区画をアッサンブラージュしたもので、その対角にくるのは単一区画のレ・エヴォセル。
ワタクシはいつもこのクール・デュ・ロワに標準を合わせる。
デュガ・ピィの中では買いどころであり、コスパもイイと思って間違いないのだろう。

聞くところに寄れば、この造り手は恵まれないヴィンテージでさえも手を緩めることはしない。
そのワインはとびきり濃厚な色調でその味わいは緻密で肌理の細かな質感を約束してくれる。

さて年末のワイン放談会に登場した1997年物はどうであったであろうか?
そしてもしこのタイミングではなく、もう少し待っていたならどうだったであろうか?





ともかくデュガ・ピィの1997年物はいささか篭り気味、果実が伸びきれず、香りも焦げてダークに姿を見せず。
果実は軽く平坦でまだまだその先があるのだろう。
こうしてこの造り手からまた一つの宿題をもらう。
いつまで続くのか?と思うのだけれど、あけっぴろげの秘密一切無しの構えも興味は尽きないのだ。

こんなクールでシリアスなブルゴーニュに付き合う輩はこの指と~まれ!
さてどんなものだろうか?