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The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2010 マリー ゼリー リザーヴ ピノノワール マーティンボロ・ヴァインヤード

2019-02-04 00:01:03 | ワイン
これは若人たちとワインを飲もう、という秘密会があって、その時にタケちゃんがブラインドで持って来たものだ。
どうも当方がルーシー・マルゴーを持って行くと言ったので、このセレクトになったようなのだ。
そんなことなどトーゼン知らないワタクシは、えれえレベルのブルゴーニュ・ピノノワールなのだろう、と信じて疑わなかった。
しかも物凄く古いヤツ♪
それはナゼかと言えば、シュッとしたボディに香りが正しくブルピノ熟成香の最たる物で、エロスありの、オレンジのピールありの、熟したプラムの様相まであると来たもんだ!



じゃあそれは何だと思う?と聞かれれば、ミッシェル・ゴーヌーあたりの90年代のクロ・デ・ゼプノーと答えたかもしれない。
だから心底オッタマゲの状態になったのは説明するまでも無い。
まあこれは後で分ったことなのだけれど、ニュージーランドでは知る人ぞ知る1980年設立の由緒あるドメーヌとのこと。
それにしても、ニュージーとは・・・
人知の仕業は実にも恐ろしき物かな、ということなのだろう。

2009 勝沼人の大地 赤 ダイヤモンド酒造

2019-01-27 13:23:09 | ワイン
知る人ぞ知る勝沼の超限定ワイン。
それは2人の同級生コンビが結託して造り上げたという。
その2人とは、内田ぶどう園の内田秀俊氏と勝沼ワイナリーマーケット店の新田正明氏。
その内田氏は既に亡くなっている。
内田ぶどう園の件の地所は標高515mの南向き斜面で、南アルプスに沈む夕陽をタップリと浴びて完熟まで育つと言う、絶好のマイクロクライメットをもつとのことなのだ。
その葡萄の実を2人のわがままに理解を示した醸造人に頼み込んで委託醸造をした。
そして何と2009年はダイヤモンド酒造の雨宮吉男氏とのことなのだ。



このワインをブラインドで登場させたところ、参加した2人の醸造経験者は異口同音にダイヤモンドさんではないか?と口走った。
正しくご名答なのだが、このことを見るだけで、雨宮氏の醸造は首尾一貫していると容易に想像できる。

完熟の葡萄を丁寧に選果をし、よいとこ取りのブルゴーニュ・スタイル。
ワインは色濃く、風味はシナモン、漢方、甘い黒系の果実を感じ取り、味わいは僅かに酸度控えめの濃厚ゴージャスな佇まい。

これはアル意味驚かされた。
10年前にすでにココまでのレベルに達しているとは・・・
あらためて感服した『勝沼人・・・』!

これが最後の一本だったが、こういう機会で飲めて良かったとも思っている。

1978 シャトー・ラフルール・ペトリュス ポムロール

2019-01-20 18:30:38 | ワイン
西麻布のワイン古酒の名店が神楽坂に移って、昨年末に初めてお邪魔をしたのだけれど、その時は到着前に飲みすぎて、居並ぶ古酒を充分に堪能することが出来なかった。
ということで、今回は準備万端整えて、体調OKで神楽坂入り。
そして練れたボルドー飲むよ!の一言で、この表題のワインが登場した。



ところで、ペトリュスとラフルールの間にあるのでラフルール・ペトリュスって知ってた?
そしてこのワイン、ムエックスの造りというのに加えて、生産本数が少ないことで値がつりあがるという困ったワインとのことでもある。

そんなこのポムロールだけれど、果実は中庸でしなやかで滋味多く、適切な保管が叶えば綺麗な熟成香が楽しめる。
で、今回の78物は熟成具合は正しくパーフェクト!と言ってもイイのだろう。
今より前では少し早い、が今より後では枯れてしまうというジャストミート!
何と、のっけから見事なリコリス、漢方、アプリコット、オレンジのピールなどの芳香がわんわんと立ち昇るという塩梅だったのだ。

大都会の喧騒から逃避したかのような神楽坂の路地裏の隠れ家で、綺麗に練れた古酒を啜る慈しみ。
もうそれだけでなにもいらない。
そんなことども考え合わせると、何かトーキョーに住みたくなってきたなあ。
田舎のワイン飲みのチョッとした遠吠えだけどね・・・

さ~て、仕事仕事・・・

2011 ブーケ 橙(オレンジ)四恩醸造

2019-01-13 16:39:58 | ワイン
品種を明かさず、といってもこれは甲州なのだが、これだけ濁りがあって、グレープフルーツや花梨や黄桃などの果実の香りが見つけられれば、さてさてということになるのも必定なのだ。
四恩醸造でコバコンさんがまだバリバリやっていた2011年のブーケ。
それでもこのヴィンテージはスッキリとスタイリッシュで爽やかな印象。
このシリーズは本当に数が少なく、当方の在庫も橙(オレンジ)はコレが最後だ。



飲んでみて、やはり醸し感とナチュラル感が満載で、当時の数少ないニッポンワインファンをワクワクさせたというのも頷ける。
そして果実はあくまでも優しく、緩く、スローなニュアンスで、染み入るような味わいは格別だ。
ここまで放置して、引っ張って飲めたジブンに拍手!
誰が言ったか、主張しなさを主張するワインとは正しくその通り。
それでも七色のブーケはさすがに隠しようも無く、待ってみるとアプリコットやグァヴァ、そこからピスタチオやドライマンゴーへと展開する。
四恩醸造ここにありと主張無しでも唯一無二の存在感を現してくるのだ。

いまでこそのニッポンワインの隆盛も、かつてのこんなワインが支えているということも忘れてはいけない。
思い出のエティケットがまた一つセラーから消えていった。

1986 シャトー・オー・バイィ ペサック・レオニャン

2019-01-10 17:34:22 | ワイン
今回13本並んだ大放談会のワインの中で、ワタクシ的に興味深く飲ませてもらったワインの一つがこのワインだ。

まあブラインドはヴィンテージこそ90年代と外したけれど、ペサック・レオニャンはご名答となった。
というのも、比較的伝統的なスタイルと思えたのと、燻したオークと熟したプラムの香気は定番で、長い果実味の余韻とフィニッシュの驚くべきしなやかさは、ペサック・レオニャンを措いて他には無いだろうと思ったからだ。



で、正しくペサック・レオニャンはその通りであったが、オー・バイィにはさすがにビックリした。
ナゼかと言えば、このシャトーの86’物がこれほどまでにタンニンが溶けて、柔らく昇華するとは思いも寄らなかったからだ。

それにしても好きだな、この感じ♪
ボルドーの熟成の見本みたいなこのワイン、若い飲み手は喜んで飲んだに違いない。
そう思うのだが、どうだろう・・・