普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

市場中心主義の経済と社会主義的国家運営

2016-04-20 11:34:06 | 政策、社会情勢
米国流の自由主義経済では日本は貧乏になり社会福祉費増大で財政破綻。非正規社員を正式の試用社員へ。チームワークの推進、残業時間の規制、関係官庁による規制の強化などで日本株式会社復活。
「市場中心主義の経済の問題点」
*日本と米国の比較

米国:市場中心主義の経済運営、健康保険反対でもめるように個人責任、社会格差は出来て当然の考えが強い。それを薄める金持ちから貧者支援への習慣。
日本:市場中心主義の経済運営だが、米国のように広い国土も資源もない。隣国の中国の影響をもろに受けている。頼りは人材と技術だけ。健康・介護保険などに象徴されるように国で社会保障、社会格差の拡大に対する抵抗感が強い。金持ちから貧者支援の習慣がない。
*日本の抱える問題
・日本の歳出の24,3%は国債費、32,7%は社会保障費のため残りの43%で全てのことを処理しなければならない。
しかもこの数字は殆どが元正規社員の退職者の存在での数字。
今後は2000万近くの非正規社員、パートの退職者に対する社会保障の非常に大きな増大を考えねばならない。
・政府は企業に同一労働同一賃金、非正規の正規への増大を要望しているが、今回の非正規の増大定着化の政策、中国との競争力維持、強化を考えると簡単にすすまないのはき当然。
それに加えて前にも書いた凡庸な経営者。(追記参照)・しかも少子化が問題を更に大き
くする。
・このままで行くとその日暮らしの生活を強いられている2000万人近くの非正規社員がいつかは仕事を離れ、その多くが生活保護費に頼ることになると今でさえ苦しい日本の財政の中で厖大に膨らむ社会保障費。日本の財政はどうなるのでしょう。
・それに従業員の健康など考えず酷使する一部企業による日本の健康・介護保険の財政悪化。これでは前にも書いたように中国と日本の競争力がバランスがするまで進む日本の貧困化どころか日本社会の破綻です。
 それで素人丸出しの市場中心主義経済運営にも社会主義的な規制を加えたらと言う提案です。
「ある程度の規制を加えた市場中心主義経済運営の提案
*非正規社員の全てを期間を限った正規試用社員にする。非正規社員に就いては本人の希望と今回改正前の特殊技能に携わる人に限て存続。
 私の父は入社当時は職夫と呼ばれていました。詰まり当時言われていた職工と人夫の間の試用期間にいたと思いますがその復活です。
・試用期間中の賃金は正規社員と同じ同一労働同一賃金とする。正規社員と同様の厚生年金の起業負担。違いは正規社員と違って正規採用なるまで一定期間は身分が契約社員より良いが不安定なことと、定期昇給や社宅貸与やそれに代わる住居手当ての企業負担などがないだけ。勿論健康・介護保険の取り扱いも正規社員と同じ。
・試用社員は正規社員の労働組合に入る
・採用条件、試用期間の決定、正規採用の有無に就いては労働組合も関与する
*この提案の長所
a.試用社員の身分の安定。
 私の父の例で言えば、正規社員登用後、社宅貸与、役付きに昇格、満期後退職金と貯金で自分の家が持てるまでなりました。5人の子供たちのうち3人は当時は職員の資格が得られる工業学校を卒業と言う人並みの暮らしに戻りました。
b.労働組合のために今の非正規社員のように簡単にリストラや今のブラック企業並みの非人道的な扱いが出来なくなる。
c.企業への忠誠心が生れる。それを元とした自主管理・改善活動に参加などで、本人の潜在能力が発揮できる。
 提案の詳細は長くなりますので次の投稿に譲ります。

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追記:凡庸な経営者の例
  経営陣の失敗、判断ミスで台湾企業へ身売りしたシャープ。白物家電部門を中国に売った東芝。技術で世界企業に立ち向かうしかない日本なのにそれを売り飛ばしサムスンのようにその技術が日本企業の首を締めるのはわかりきっているのに。
 日経関連のテレビで放送した人材派遣会社の転職補助金目当ての派遣会社の相手企業のリストラ推進疑惑。スタッフが言って言う成長産業への転職推進のための補助金だが成長産業が日本にどれだけあるかの発言。これも凡庸な経営者の集まりの経団連の口車に乗った安倍さんの進めようとしている政策。 
 私が現役のころ課内の合理化を進めるために、当時結婚すると退職するのが通例の女性に(定年までいる)スタッフのルーティンの細々する作業を出来るだけ集めることを考えていました。
 安倍さんの非正規社員の定期的な切り換え、その定常化と範囲の拡大はまさに私の考えと似たアイディアです。
 大きな違いは当時の女性スタッフの大多数は結婚すれば本人の希望で退職していたのに、安倍さんの目指すのは仕事に一生を賭けたスタッフが技術が向上し当然にその給料上昇の要求が出る前に定期的に切り換え、安い給料のスタッフを使い続けようとするものです。何ともせこい考え方。
 高度清張時代の自主管理・改善活動では技術を覚えた作業員達から出るアイディアを活かそうとしたものですが。

いじめられた生徒へ対策よりもいじめ防止策を

2016-04-20 11:24:47 | 教育

いじめの発生は仕方がないと諦めたように見える学校や地域社会。学校やクラスの閉鎖化防止。弱いものいじめや多人数で一人の子のいじめは人として恥ずかしいものだと言う教育の強化。
「九州男子」
 私は川柳のクラブ誌で次のような事を書いたことがあります。(括弧内は今回の注記)
 北海道から(北九州市の)折尾に来た若奥さんの「九州男児は強いと聞いていたが、近所のどの家庭でも女性の方が威張っているのは何故?」の質問に私は言った。「同じ親から生れるのだから、男が強ければ女も強いのは当然だ。それと口論のとき九州の男は体力の弱い女に腕力を振るうなど男の恥と思っている。だから口数で勝る女が家庭ど主導権を握るのだ」。
 川筋生まれの高倉健さん(注記)もテレビの追悼番組で言っていた。「九州では男が弱くて脆い女を苛めるなど草野球のように「ミットもない」と言われていることを博多生まれの癖に知らぬのか」と武田鉄矢さん演じる男に言っていた。(この台詞は明らかに健さんの考えを入れたもの)今、いじめ、DV、幼児虐待、少年少女殺害など弱いもの相手の事件の報道が絶えない。私は九州ではこんなことは殆どないと思いたいのだが。
注記:筑豊炭坑が盛んだったころの遠賀川周辺には炭坑で働く人独特の気質があり川筋生れと言う言葉が生れました。なお高倉さんは筑豊地方の中間市の生れです。
「いじめがない学校の特徴」
 私も今もそうですが「冴えない」少年、貧乏人の子で継ぎ接ぎだらけの服で苛めの対象になっても可笑しくない子でしたが苛めを受けたこととは全く記憶がありませんでした。川筋の若松で育った家内にも訊くと同じ答え。
  旧制の工業学校時代でも当時硬派と呼ばれた生徒たちが、他校の生徒と毎日喧嘩をしても、友達に手を出すことは絶対にありませんでした。
 つまり弱い生徒に手をだすなど、硬派の生徒の沽券・プライドに関わると思っていたのでしょう。 この貧弱な経験をネットに書いたところ早速藤村の「夜明け前」を見ろ」など、幼い子供の社会では自分が気付かずに気に入らない生徒を除け者にしたこともあったのではないか、など当然なコメント。
 そう言えば団地でも問わず語りに若いころ苛めを受けたことを話す友達が二人。
 それで私なりに考えて見ました。
・九州男子に象徴されるように男の子には男らしく、女の子には女らしくと言う躾けがされていた。
・私の通った旧制工業学校は現在の北九州市の八幡東・西区の境界近くにあった。八幡東・西区、戸畑区には当時の現在の新日鉄を始め多くの工場次々に建設され多くの人が流入。地域の人もそれを受けいれる風土があった。
・高倉さんの生れた川筋も炭坑での職をを求めて多くの人がきていた。
・家内のいた若松区も石炭の積み出しが盛んでやはり川筋と言われていた。
・全国の県民性を纏めた本によると、福岡県でも北九州市の西部、筑豊地方の人達の開放的な性格。
・いじめを受けた団地の友達は閉鎖的な農村出身者。
・戦後「教育独立」の機運で学校がいつの間にか閉鎖社会を作っていた。その象徴が一般社会では考えられない、日教組の校長の吊るし上げ。
・娘が教師になった当時いじめ、荒れた学校が多く四月発表の教員の転勤報道で何時も私の娘が何処に移るか心配していたが、教頭に昇格した転勤したやや小さい小学校ではこう言ったトラブルが全く無かったので安心したこと。その小学校の特徴は開放的で地域の人達との緊密な連携。
 それで得た私のいじめ防止の結論です。
「いじめ防止の対策」
・学校では最初に書いたように男は男の良い所、女は他への思いやりや気配りなど女の良い所を教えてそれを活かすこと。男・女の生徒はともお互いにその良い所を見習うことを教える。
・弱いものいじめは男女の生徒とも人として恥ずかしい行為だと教える。
・いじめの問題が起きたときは生徒全員を一同に集め、(所謂チクリした生徒へのいじめ防止のため)誰とは特定せずに全般的な問題として、弱いものいじめや多人数の人で一人の生徒を苛めるのは、人として恥ずかしい行為だと徹底的に教える。(旧制の高等小学校で生徒が弛みかけてときに行う「講堂修身」と言われていたやりかたです)
・学校を地域の人に開放する。
・休み時間などは低学年と高学年の生徒が一緒に遊ぶ様にするなど、クラスの閉鎖化を防ぐ指導をすること。
・学校内外で暴力事件が起こり学校では手に負えないときは警察を導入する。そして学校も生徒も治外法権でないことを教える。
「私の提案の問題点」
 学校やクラスの閉鎖社会化の防止は問題もあるかもしれませんが誰でも賛成すると思います。
・男女の良い所を活かし、その良い所を認め合い、見習い合うと言う教育は多分今までの男女平等の教育の流れから言えば反対と思います。
 然し男女平等の教育が所謂草食系の男を産み、母親の言うことの聞かぬ子へ父親の一喝、拳固一発の昔では考えられない男親の陰湿な幼児虐待の続発の社会を産んだのも事実です。
・弱いものいじめ、多人数で一人をいじめるなどは人として「卑怯」「恥ずかしいこと」の考え方を学校で受けいれられか。
 然し現在はいじめられ子への対処法ばから言われ、どうすればいじめ防止ができるかの議論がなおざりにされているような気がしてならないのですが。

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