普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民・民主の連立構想

2007-11-04 07:27:52 | 民主党

 マスコミを賑わせた自民・民主の連立については、情報が錯綜しておりもう少し時間がたたないと本当のことは判らないが報道された範囲で考えてみる。

[今までの報道]
・11月4日3時の読売ONLINEの「民主党内、絶対まとめる」大連立は小沢氏が持ちかけ
によれば、
 
2日の福田首相と小沢民主党代表の会談で、議題になった自民、民主両党による連立政権構想は、実は小沢氏の方が先に持ちかけていたことが3日、複数の関係者の話で明らかになった。
 「大連立」構築に向け、小沢氏がカギと位置づけたのは、自衛隊の海外派遣をめぐる「原理原則」だった。
 関係者によると、小沢氏は当初から、首相側に連立政権の考えを持っていることを内々伝えていたという。
 2日午後3時から行われた会談で、首相は新テロ対策特別措置法案への協力を要請。これに対し、小沢氏は「自衛隊派遣には原理原則が必要だ」と主張した。
 さらに、自衛隊の海外派遣のあり方を定める一般法(恒久法)について、「『派遣は国連決議に基づくものだけに限る』と決めて欲しい」と求めた。内容の検討は、「内閣法制局に頼らない方がいい」などとも注文した。
 首相は「与党が納得するかどうか確認したい」と答え、休憩を取ることにした。
 直前に、小沢氏は「それさえ決めてくれれば、連立したい」と述べ、連立政権への参加を持ち出したという。
 連立参加は、首相の方から要請した形とすることも小沢氏は求めた。民主党内の説得に有利と判断したと見られる。
 会談が6時半から再開したところで、首相は小沢氏の主張に沿った文書を手渡した。
 小沢氏は「これで決める。(連立参加で)私が党内をまとめます」と明言。首相が「大丈夫ですか」と問いかけると、小沢氏は「絶対にまとめます」と重ねて強調した。
 そもそも、10月30日の最初の党首会談を持ちかけたのも小沢氏の側だった。

・土曜日の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」では名前を忘れたが某誠治評論家がマスコミのドンがこの連立構想を持ちかけたそうだ。
 これは私の全くの勘繰りだが、彼は福田政権誕生でも動いた人のようだ。
 そう言えば11月3日の読売新聞はその社説で「政策実現へ大連立に踏み出せ」と首を捻るような主張している。

 現在までの報道の範囲の会談の内容については次のように思う。
[大連立について]
長所:

 今まで停滞していた国会が動きだす。
 これは海上給油停止や民主党の国会対策への批判の増大を小沢さんなりに考慮し、彼が得意とする連立による政権参加を考えたのだろう。
 但し彼のそのような動きは全て失敗に終わっている。

短所:
 マスコミやブログでも批判されているように国会の政府への批判機能が全く無くなる
 大連立から戦前派にとっては大戦時の大政翼賛会を直ぐに思い出す。

[自衛隊派遣の恒久法の成立]
 福田さんの給油活動の再開のために新テロ特措法案への協力要請に対して、小沢さんは「(彼が提案する)恒久法の立法作業が動きだせば給油活動は期間が短くても実行出来るように考えてみる」と発言したそうだ。
論理の矛盾:
 小沢さんは給油活動は憲法に反すると始めから反対していた。
 一転して賛成に変わるのには、国会審議の促進のための妥協だと言っても、国民の理解が得られるか

 福田さんは小沢さんの「国連承認があれば武力行使を伴う海外派遣は合憲」だと言う多くの国民の賛成の得られない考えに基づく恒久法を認めたために、いずれ近い将来絶対に来る総選挙の際の民主党攻撃の最も効果的な攻撃の材料を失うことになる。

[今回の会談の成果]
 民主党:
・小沢さんが持ちかけたとされる会談での連立構想が、役員会での猛反対にあい、小沢さんの面目丸潰れになり、求心力の低下を来した。
・野党共闘で一本化していた社民、共産の不信感や反発を招いている。
自民党:
・福田さんの「抱きつき政策」で民主党に揺さぶりをかけることに成功した。
・連立の公明党からの不信感を招いた。
国会:
  今まで低迷していた国会がますます混迷化する。

[国会のこれから]
 私は、さあどうする民主党 
で国会運営のキャスティング・ボードを握った民主党の今後のあり方について、
1.給油活動に変わる国際貢献の対案の提出
2.何が何でもどんな手段を使っても給油活動停止、国会解散に追い込む。
3.国会打開の落としどころを考える。
そして、3.については
・小沢さんが拒否していた党首会談を受け入れたのは、国民の反応の動きを読んで、このままでは批判が民主党に集中すると思ったのだろう。
・一番考えられるのが、民主党が対案をだし、その一部を自民党に受け入れて貰う代わりに給油活動の再開を認めることだ。
と書いた。

 ここで民主党の対案と言うのは、テロ特措法の対案を考えていたのだが、小沢さんは素人が考えもつかないような、 「大連立」と言う対案を出して、肝心の民主党からの猛反対にあった。

 然しこの様な失敗に関わらず、依然として民主党は自民党と共に国会運営の主導権を握っているのは変わりない。
 民主党の役員会の小沢さんの提案に対する反対の理由は国会解散→総選挙の勝利への道から外れていると言うのだ。
 民主党は政府を国会解散へは追い込めても、総選挙で勝利を得るだろうか

 福田さんは報道によれば、解散時期は出来るだけ長く延ばしたいそうだ。
 何故なら、民主党の作戦による国会空転の期間が長い程、民主党への国民の批判が高まるのは間違いないからだ。
 そして、給油停止期間が長いほど、世論調査で給油賛成の数が増えるからだ。
 そして国会解散権は福田さんが持っている

 先に書いた土曜日の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」で民主党の原口さんが良いことを言っていた。
「ねじれ国会のマイナス面ばから言うが情報開示などの前向きの面のあることも忘れてはいけない」。

 そうだ民主党は審議の停滞など後ろ向きばかり考えずに、もっと前向きに国会運営にあたって貰いたいものだ

 まずテロ特措法の対案を出すこと。
 政府提案については是々非々を貫いて審議に当たること。
 それが国会解散の時期が遠のくかも知れないし、回り道かも知れないが、結局は政権獲得のための最も確実な方法だと思う。


参照:
 カテゴリー → 民主党


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