普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

規制緩和と過疎化

2007-06-21 10:40:09 | 政策、社会情勢
<<タクシー運転手の悲鳴>>
6月18日のNHKの「クローズ・アップ現代」で規制緩和に悩むタクシー業界のことが出ていた。

・タクシー参入の規制緩和→タクシーの数の増加→会社と運転手の収入の減少、
タクシー会社としては、1台当たりから一定割合を徴収するシステムになっているので、
・タクシーの数増やして増収を図る→運転手の収入の減少、
会社は止むなく
・タクシー運賃値上げの申請→客数の減少→会社と運転手の収入の減少、
と言う悪循環の繰り返しだ。

これで一番喜ぶのは勿論乗客だ。
然しそれは運転手の収入減と言う犠牲を払わせている お蔭だ。

これで規制緩和がうまくいったと思っているのは、誰だろうか。
まさか小泉さんではないだろうね。 
それとも小泉さんは乗客のための規制緩和だから運転手は我慢しろ と言うのだろうか。

新たな低所得層の出現だ
これで「美しい国」と言えるのだろうか。 

<<規制緩和と過疎化>>
たまたま同じ日の民放で、規制緩和で悩むバス会社の放送があった。
・東北のJRのバス会社は、従来観光バスの収入で、路線バスの赤字を補って来ていたが、観光バス専門の会社の増加で、会社全体の赤字転落の危機にに陥っているそうだ。
同社はそれで止むを得ず、赤字路線廃止を検討しているそうだ。

・鹿児島の岩崎バスも同じ理由で、同様に広範囲の赤字路線のバスの廃止バスを検討している。
廃止を計画している路線は鹿児島県の殆どの地域にわたっている。

その結果は乗客の不便さ、タクシーなどへの支払いとう家計の負担の増加だ。
そして自家用車の増加→バス便数の減少→同路線の廃止など、農山村の過疎化の増加だ。

その対策の一例として、
・岩手県の雫石町では町から補助金を出して、コミュニテイーバスを走られて老人達から喜ばれているそうだ。

勿論補助金の財源は住民の税金だ。
もし、監督官庁が路線バスを持つ会社が観光バスを持つのに優先権を与え、他の観光専門のバス会社の増車を抑えていたら、過疎化の防止や、路線バス会社やコミュニティーバスに補助金を出さずに済むのだが。

勿論規制緩和政策の良い所もある、
・雫石町のコミュニテイーバは今までの路線バス以上に、バス停を増やしたり、予約制度を導入して、乗客に喜ばれながら合理化を図っている。

・経営破綻した広島県をカバーしていた中国バスを吸収した岡山の両備バスが、社員の意識改革と訓練を行って、乗客の満足度の上昇→乗客の増加
につなげたように、バス会社の合理化の意欲を増やしているのも事実だ。

<<規制緩和の見直し>>
今まで、規制緩和の少数の成功例と、多くの問題点が明らかになってきた。
私が、 「日本株式会社」の観点から見た日本
にも書いたように、規制緩和に晒された多くの一般企業の問題もある。

今一度、規制緩和のありかたやその適用範囲を、日本的な価値観に立って、改めて考え直す時期にきているのではないか。

タクシーの問題で言えば、今のような行き詰まり状態打開の為に、業界内で自主規制の動きが始まるのかも知れない。
何故ならタクシー会社も運転手も困っているのだから。

合法的かどうか知らないが、話し合い(談合?)によるタクシー台数の自主規制や料金の統一だ。
そこに強力なボスが生まれ、極端な場合は暴力団が介入してくる事だって、考えられない事ではない。

自主規制の名の元で、交通関係の業界が当局の関知しない方向(過去の日本的な悪い慣行に向けた)に進んで行って良いのだろうか。

地方のバス路線で言えば、体力のない農山村を規制緩和のもとで成り行きに任せておいて良いのだろうか。
 そして唯でさえ苦しい地方財政の中から、バス会社の代わりの交通機関に補助金を出させて置いて、地方自治体自身によるの活性化というー人聞きのよいスローガンのもとて、過疎化の進行など放って良いのだろうか。

これも地方の自己責任といって、国全体の世話をするはずの政府がその責任を回避するのが「美しい国」のあり方だろうか。

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