mugifumi日誌

海外旅行の体験のほか園芸、料理などの生活雑感を思いつくままに綴っています。

時価会計

2009年05月24日 | 社会・経済

 最近、自分のホームページのトップ写真を更新していますが、今日からカンボジアのタ・ブロームという寺院の異様な写真を掲載しました。

 何処が異様か?ガジュマルの一種が寺院の屋根などを覆い、人類の文明を飲み込もうとしているように見えるからです。

 自然の力に畏敬の念を抱いてしまいますが、皆さんも是非、現地へ行って見て下さい。

 ところで、今日は、企業会計の中で今日的課題についてお話したいと思います。

 先日、小生の家に銀行の方が来たのですが、その時に「時価会計」の話しが出ました。

 今回の世界同時不況は、アメリカのサブプライム・ローンがきっかけとなりましたが、それまでの企業は、好調な消費にも支えられて大幅な黒字を計上していたと思います。

 さらに、一種のマネーゲームである株や為替取引でも大幅な「もうけ」を計上していたのです。

 世界には、利益を求めて投機資金が暴れ回っていますが、その中心地は、もちろん、アメリカだと思います。

 ノーベル賞ものの頭脳を使って投資信託などの金融商品の仕組みを作りだしているとされていますが、小生が勝手に想像していることですが・・・

 その仕組みなどは、どうでも良いことで、高度な金融工学というテクニックを使って作る金融商品の仕組みは、投資をしていただくための「マジック」や「お呪い」のようなものではないでしょうか?

 まぁ、それはそれとして、現在の日本の財務会計では、いつからこうした証券取引で「売っていない」のに損金や益金を計上するようになったのでしょうか?

 どういう話しかと言いますと、mugifumi社が株取引で儲けようとして年度の途中でA社の株を10万株、1,000円で購入したとします。金額では1億円投資をしたことになります。

 そして、決算日である3月31日まで売却せずにこの株を持っていました。

 さぁ、ここからが問題です。

 この日(3月31日)の相場でA社の株は、1,200円で取り引きされました。

 この場合、mugifumi社の決算に表示すべきA社の株は、いくらに表示すべきでしょうか?

 1億円のまま?それとも1.2億円でしょうか?

 そもそも企業会計における資産の評価には、どのようなものがあるのでしょうか?

 「取得原価」つまり、買った額で表示する方法、低価法といってその時の時価と取得価格を比較して低い方の額で表示する方法、それと、問題となっている「時価会計」といわれてる時価で表示する方法があると思います。

 昔の企業会計では、取得原価主義でした。つまり、売却しない限り「損」も「益」も、でないという考え方です。

 企業会計を法律論で見ますと、企業の経営活動により発生する債権債務は、法律行為により成立するはずですから、債権債務が確定していないのに「損」や「益」を表示するのは「おかしい」ということになります。

 従って、この取得原価主義が法律による権利義務を最も適格に表現していることになります。

 小生は、この伝統的な考え方が好きですが、例えば、投資した株価がなどが半分になっている場合、これを決算に表示して株主や取引先などに的確な情報を提供すべきで、「取得原価主義はおかしい!」という批判は多いにあると思います。

 確かに、「損」が出ている場合は、「YES」かもしれません。でも、「益」が出ている場合には、その必要はないと思います。仮に「益」を計上して、そこから配当をした場合、現金化していない益(有価証券という資産)から現金を払うことになります。

 そして、決算後、サブプライム・ローンのように相場が急落して評価額が半分になってしまったような場合、配当した現金は、企業自身の足を食べるという「たこ配当」になってしまうのではないでしょうか?

 今日は、いささか疲れてきました。この続きは、次回、お伝えします。