土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

法華寺、嵐の「ひな会式」行ってまいりました。

2013年04月10日 | 奈良の古寺巡り


(2013.04.07訪問)

春の嵐、未だ止まずの中、光明皇后遠忌法要「ひな会式」最終日のこの日法華寺に行ってまいりました。
法華寺は奈良三大門跡尼寺 (法華寺、円照寺、中宮寺) の1つです。
本堂内陣ではご本尊光明皇后写しと伝わる十一面観音菩薩が開扉され、須弥壇前段に五十五体の小さな善財
童子を並べ「ひな会式」が厳修。善財童子は華厳経入法界品の主役、文殊菩薩の勧めで五十五人の善知識を
訪ね最後に普賢菩薩に逢い悟りを開いたといわれる経に基づいた法会、法華寺や各地から集まった尼僧衆八
人の経が流れます。この法会はひな祭りの原型とも云われているそうです。
なによりも、五十五体の善財童子がイイ、一尺位の小さな像でも五十五体並ぶと壮観、彩色像、檀像風、ポ
ーズも色々、まさにひな壇と云うに相応しい須弥壇の設えでした。

▼春の嵐にはためく本堂五色幕。




[ 法華寺 ]
●寺号 法華寺門跡 (ほっけじもんぜき) 正称 法華滅罪之寺
●宗派 光明宗 (こうみょうしゅう)
●開基 光明皇后 (こうみょうこうごう)
●創建 天平十七年 (745年)
●本尊 十一面観音菩薩立像 (国宝)
▲奈良県奈良市法華寺町882 電話/0742-33-2261
▲拝観料
 4月 8日~6月 4日 (大人800円 本尊ご分身+名勝庭園+華楽園)
 6月5日~6月10日 (大人1000円 国宝本尊+名勝庭園+華楽園)
 6月11日?9月30日 (大人700円 本尊ご分身+華楽園)
 10月1日~10月24日 (大人800円 本尊ご分身+名勝庭園+華楽園)
 かなり細かく決めているようですのでチケット売り場で確認を。
▲近鉄「奈良」駅から航空自衛隊前または西大寺北口行きバスで「法華寺」下車徒歩3分。 
 近鉄奈良線「新大宮」駅下車徒歩約20分。 

法華寺縁起 (法華寺パンフより抄出)
法華寺は、聖武天皇御願の日本総国分寺である東大寺に対して、光明皇后御願に成る日本総国分尼寺として
創められた法華滅罪之寺であります。寺地は平城宮の東北に位し、藤原不比等公の邸宅だったのを皇后が先
帝のおんために改めて伽藍となし給うたもので、以来星霜1200年余り、慈しみ深かった皇后の精神を伝え、
道心堅固に守られてきた女人道場「法華寺御所」であります。

▼南大門 (重文)。四脚門、切妻造、本瓦葺。慶長六年 (1601年) 豊臣秀頼再建。




▼築地塀の五本線も映えません。




▼通称赤門。通常ここからの入山になります。




▼鐘楼 (重文)。入母屋造、本瓦葺、袴腰付き鐘楼。




▼会津八一歌碑。本堂手前右手にあります。
      ふぢはらの おほききさきを うつしみに 
             あひみるごとく あかきくちびる



          せっかくの桜もこのとおり


▼書院道。




▼本堂 (重文)。
桁行七間、梁間四間、寄棟造、本瓦葺、三間の向拝付き。慶長六年 (1601年) 豊臣秀頼再建。




▼はためく五色幕。相変わらず春嵐吹きまくりです。




▼本尊 十一面観音菩薩像 (国宝)。数年前に描きましたペン画です。



像高100cm、カヤ材一木造、檀像風。平安時代。
髪、眉、髭は群青、唇に朱、目に白、髪、冠や腕釧は銅板を使用。

▼本堂向背の蛙股。




▼不動堂から見た本堂。




▼春の嵐に痛めつけられた名木枝垂れ桜。




▼枝垂れ桜と菊桃。




▼本堂から東を見ています。




▼不動堂 (護摩堂)。方三間、宝形造、本瓦葺。本尊 不動明王。平成十六年再建、池の中のお堂です。




▼散り残りのけなげな桜。




▼薬師堂。桁行三間、梁間二間、入母屋造、本瓦葺。本尊 薬師如来。




▼からふろ。光明皇后伝説のある蒸し風呂。室町後期に改築、明和三年(1766年)再建。




▼からふろ前に咲く菊桃。奥の黄色は色がサッパリのサンシュユ。




▼菊桃。




▼菊桃。菊状の桃の花らしいですね。知りませんでした。




▼華楽園。江戸前期の作庭。約1,000坪の花園、四季を通じて花木草花を楽しめると説明されていますが、
今は端境期,花の色はなく椿が頑張っているぐらいです。




▼月光椿。こんな椿は初めて見ます。




▼利休梅。こんな梅も初めて見ます。




▼小さな石仏がひっそりと。




▼豪快に落ちてます。




▼名勝庭園も形無し。



色気のない庭園は淋しいものですが、逆に鑑賞者のいない庭園は、庭園の良さをジックリ堪能できるいいチ
ャンスです。が、如何せん春の嵐が吹きまくっています。全く酷い天気の中での散策でした。

▼来月当たり、カキツバタきれいでしょうネ。




▼小丘に立つ五重石塔。




▼来月当たり、小山のツツジきれいでしょうネ。




▼櫻花 散りて尚咲く 花敷もの 御朱印です。



この日は昨日に続いて荒れ模様、風吹き放題、黒雲のしかかり、まるで風神雷神がこれでもかと暴れまくっ
てる感じ。雨こそ小降りでしたが、昨日みたいな狂い雨だったら、こっちが暴れたくなりますわ。
そんな拝観日和でした。



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