土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

飛鳥法興寺名残の、元興寺を訪ねました。

2010年03月08日 | 奈良の古寺巡り
週末は雨になりました。雨が似合うお寺はどこだろうと…。先ず秋篠寺の緑の絨毯
に纏う雨露か、元興寺の行基葺き丸瓦を伝う滴の流れかが思いついたのでさてどち
らにしょうの結果、しばらくぶりの元興寺を訪ねることにしました。
世界遺産「古都奈良の文化財」元興寺の歴史は、飛鳥「法興寺(飛鳥寺)」を初め
とし、遷都後飛鳥の地からこの地に遷り、官寺としての格式は相当なものがあった
との由緒が語られています。蘇我氏の氏寺としての出自の「法興寺」が官寺として
南都七大寺の一つとして東大寺に次ぐ格を誇ったこのお寺の今の姿は、悠久の歴史
と刻み行く時1250年はあまりに多くのものをこのお寺から奪っていった。
世界遺産という「箔」が創建時に関わった多くの人々の魂と仏法興隆の願いをこの
平成の時代に精神性、精神的遺産として伝えることが出来ているのだろうか…。

東門


東門から極楽堂を見る


極楽堂(本堂)
東を向くこのお堂は真ん中に須弥壇があります。それぞれの方向から礼拝が出きる
合理的な造りになっています。南側にこのお寺のご本尊「智光曼荼羅」が懸けられ
ています。今懸かっているのは、油絵の曼荼羅絵図です。精神的有難みはありませ
ん。


禅室(僧坊遺構)


境内北側、手前極楽堂、奥禅室。両方とも国宝です。


彼岸桜が咲いていました。境内に2本ある彼岸桜は満開です。




石仏石塔
境内には浮図田(ふとでん)と呼ばれる石仏石塔を整備した所があります。出土物や
信仰信心豊かな近隣の人々が供養として奉納したものを集めているそうです。好シ
ーズンになれば石仏間にに桔梗、彼岸花など季節の花が競います。


椿が咲き始めています。


浮図田のはずれの古木の根元に邪鬼が。


1250年の重みを今もお堂の瓦は耐えています。行基葺きが残る堂宇の屋根。






極楽堂の向かい南側に宝物殿があります。
見応えのある高さ5.5mの国宝五重小塔が正面を飾っています。真直で見れるので
その細部のフォルムが理解出来ます。海龍王寺の五重小塔よりも時代は遡り、奈良
時代盛期の五重塔としては唯一のものだそうです。仏像はほとんどが鎌倉時代中期
以降の作です。
そぼ降る雨がいつの間にかあがり、雨情の風情は残念ながらどこかへ行きましたが、
奈良の春は確実にやって来ています。今日この天気にも関わらず、人出は多くなっ
ているように感じました。

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