土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

林昌寺、重森三玲さん作庭「法林の庭」のお寺です。

2017年06月20日 | 大阪の古寺巡り





(2017.06.18訪問)


我が大大阪にも、名勝庭園を持つ古刹や歴史に埋もれた古刹がさりげなく地域に根ざしています。今日はその大大阪のほぼ南端、泉
南市に向って新大和路号は阪和道を颯爽(チンタラではありませんヨ)と走っているのであります。かっての迷車大和路号は速く走
るのは苦手で、ナビがアホでした。新大和路号は見違える走りで、相当ニッサンにイヤミを云ったせいかナビもワンランクUP、今の
ところまずまずです。クルマのことはどうでもいいんです、訪ねる先は泉南市の躑蠋山林昌寺、あの重森三玲さん作庭の名庭園があ
るんです。山号が躑蠋山と云うぐらいですのでツツジの名庭かな、いやツツジはもうお仕舞のはずだけど……。





▼境内入口からして、ツツジの刈り込み「青海波」ですネ。しかしツツジも青葉もナイ茶色。
 右の参道を行きます。右側は紫陽花が……、







[ 林昌寺 ]
●山号 躑蠋山 (つつじさん)
●寺号 林昌寺 (りんしょうじ) 愛称 岡大師 (おかだいし)
●宗派 真言宗御室派 (しんごんしゅうおむろは)
●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 行基菩薩 (ぎょうきぼさつ)
●開創 天平年間 (729~749年)
●本尊 阿弥陀如来立像
▲大阪府泉南市信達岡中395 Tel. 072-483-2705
▲拝観料 通常無料 ご朱印300円
▲JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約30分
 阪和自動車道「泉南IC」から北へ約2km10分





▼参道右斜面を利用して紫陽花苑が広がってます。すでに花数は少なく、色褪せオシマイの時期が来たようです。
 この広さを見るとこのお寺、花はツツジだけではないようですヨ。







林昌寺縁起 (林昌寺パンフから抄出)
行基菩薩によって建てられた畿内四十九院の一院として当山は開山されました。当初は菩提院岡寺と称されていましたが、平安時代
後期堀河天皇行幸のおり、見事な山ツツジをご覧になり、宝林繁昌の勝地なりと山号を躑蠋山、寺号を林昌とし躑蠋山林昌寺と勅号。
その後創建当時からから偉容を誇っていた大伽藍は信長兵火により悉く灰燼に帰した。現存の諸堂は江戸期に建立されたものです。





▼少々上りですが、いい感じの参道です。







▼山門が見えてきました。

       





▼山門です。境内で何か工事中みたいですね。







            ▼ドーンと貫禄の寺号石柱。山号は躑蠋山。







▼アーア何と云うことでしょう、本堂絶賛修復工事中! ショックNo1







▼手水舎。







            ▼ここと思えばまたあちら、大変ですネ空海さん。







▼観音堂大悲閣。三間二間の小さいお堂ですが、阪和西国第二十八番札所です。内部には西国三十三所の本尊が……、







▼大悲閣と書かれた縦長の扁額。この形状は珍しい。と思います。







▼須弥壇に並ぶ西国三十三所の本尊ですが、観音さんゴメン、ヒドイ写真になりました。







▼振り返って山手を見ると鐘楼がツツジの海に浮かんでます。







サテそれでは「法林の庭」オンパレードといきますか。
昭和の名作庭家、重森三玲さんが昭和三十六年に山の傾斜を利用して作庭したツツジと石で構成された「法林の庭」
当寺は阪和西国第二十八番札所であるところから和歌山産青石二十八個、ツツジを青海波風に島組し、中央に本尊石を置き、全体で
極楽浄土を表現する意図のもと作庭されたのがこの「法林の庭」です。


▼「法林の庭」ほぼ全景。ツツジの面影どこにある! 
 ツツジの花が終わればさぞや緑に覆われているだろうと、かってに思ってたら茶色の世界。この茶色にショックNo2







▼実はこんな緑を想像してたんです。(写真は泉南市観光ガイド恋するせんなんHPからお借りしました)







▼ツツジ花咲くピンクの世界も素晴らしいだろうな。例えば下のような。







▼ピンクに染まりつつある青海波。(写真は泉南市観光ガイド恋するせんなんHPからお借りしました)







▼放生池というんでしょうか、池も映えません。     













▼やけくそで蘇鉄の間から覗いた鐘楼。







▼ツツジに囲まれた本尊石。迷路のような刈り込みの間の道、歩くことが出来るんですヨ。              













▼蘇鉄と宝篋印塔。







            ▼基壇五段のフォルム抜群の宝篋印塔。







▼「法林の庭」の横を通って少し上ってみましょう。道端に名残紫陽花と青もみじ。







▼上を見ると緑のツツジ。ここは葉っぱを刈ってないようです。







▼石段先に薬師堂。このお堂も小さいながら、内部が凄い。







▼須弥壇上に仏がズラリ。







本尊薬師三尊。中央お薬師如来坐像、右日光菩薩、左月光菩薩が祀られています。







            ▼本尊薬師如来坐像。堂外から格子ガラス越に撮りましたのでお像の詳細は不明ですが、
             お像と台座、蓮台、光背とも同時期の作像でしょう。
             金箔金泥共に一切の欠損がないので新しいお像だと思われます。







▼高台から境内。







▼子安地蔵さんもおられます。







▼一番の高台に地蔵堂。堂内は窺うことは出来ません。







▼新しい扁額が掛けられています。







▼屋根の宝珠と鬼瓦。







▼地蔵堂。







▼名残の紫陽花。







▼庫裏にご朱印を戴きに。







▼ご朱印です。






「法林の庭」お庭としての素晴らしさは充分感じますが、シーズン外れの淋しさも感じる「法林の庭」でした。花々には旬があるの
は当たり前、自然の美を求めて止まない方々にとっての端境期とは、名勝名庭へは行く気もしないんでしょうか。今日の林昌寺、ご
夫婦一組だけ、これだけ見事なお庭「法林の庭」も色が無けりゃタダの庭なのか。と思うほど人もいないし、茶色の庭はボクにとっ
ても負のインパクト大でした。
お庭や花々を特に求めないボクでも、このお庭へはツツジの旬にはもう一度是非訪ねたいと思った「法林の庭」林昌寺でした。

林昌寺これにて オ シ マ イ

次に訪ねる大大阪の名刹は、あの国宝観音堂と重文仏ズラリの古刹です。





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