土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

永源寺、臨済宗永源寺派大本山。

2018年09月05日 | 滋賀の古寺巡り





(2018.09.02訪問)


名神高速「八日市 I.C」から東へ、八風街道という一風かわった名の街道を10分ほど走ると、永源寺への標識が目に入ります。
鈴鹿山中から流れ出る愛知川の流れに沿って走ると、やがて参道口に到着、次は例により石段ですワ。山門までの間の岩々に羅漢さ
んが祀られ、イヤ〜な石段とはいえ中々グッドな演出をしてくれる永源寺さん。まもなく総門です。




▼とうとうと音無川 (愛知川) が流れます。永源寺はこの流れに沿って境内を広げています。       







[ 永源寺 ]
●山号 瑞石山(ずいせきざん)
●寺号 永源寺(えいげんじ)
●宗派 臨済宗永源寺派大本山 (りんざいしゅう)
●開基 寂室禅師 (じゃくしつぜんじ)
●開創 康安元年 (1361年)
●本尊 世継観世音菩薩 (秘仏)
▲拝観 500円 朱印 300円
▲時間 9:00~16:00
▲http://eigenji-t.jp/
▲滋賀県東近江市永源寺高野町41 電話0748-27-0016
▲近江鉄道「八日市」駅から近江バスで35分
 名神高速「八日市 I.C」から車で10分





▼参道羅漢坂には十六羅漢石像が岩肌に祀られています。







永源寺縁起 (永源寺 HPから抄出)
南北朝時代の康安元年、近江守護職、佐々木六角氏頼が入唐求法の高僧、寂室元光禅師に帰依し、領内の土地を寄進、伽藍を創建し
たことが始まりです。禅師が開山されると二千人あまりの修行僧が集い、山中には五十六坊の末庵を有したと記されています。その
後四人の高弟が永源寺を受け継ぎました。明応、永禄の戦乱によって、伽藍や山内の幾多の寺院は全て焼け落ち、以後寺運は衰退。
その後江戸時代中期、名声高き一絲文守禅師 (仏頂国師) を迎え後水尾天皇、東福門院、や彦根藩の帰依をうけて伽藍が再興されまし
た。はじめ臨済宗東福寺派に属しましたが、明治になり永源寺派として独立、全国百有余の末寺を統轄する一派大本山となり今に至
っています。





            ▼和やかな羅漢さん。

           





▼五線の袖塀を持つ風格の総門が見えてきました。







▼総門をくぐると三門への参道。右の谷底には音無川の流れ。







▼三門が見えてきました。

           





▼三門 (重文)。重層楼門、桁裄5間3戸、梁間2間、入母屋造、桟瓦葺。
 楼上には釈迦牟尼佛、文殊菩薩、普賢菩薩、十六羅漢が祀
 られています。享和二年 (1802年) 建立。







▼三門楼上への階段と貫と梁の美。階段は上るべからず。







▼山門を潜るとスグ左手に庫裏。こちらでご朱印をお願い、帰りに頂きます。







▼鐘楼。袴腰、入母屋造、桟瓦葺、勾欄付きの恰好のいい鐘楼です。安永元年 (1772年) 再建。







▼方丈 (本堂)。本尊 世継観世音菩薩 (秘仏)本尊御開帳はおよそ四半世紀に一度。
 桁裄8間、入母屋造、葦葺、明和2年 (1765年) 再建。







▼瑞石山と書かれた方丈扁額。







▼方丈外陣。







▼外陣中央の仏間手前には、これ以上の塗りはないと思われる漆卓と漆席。







▼内陣の設え。中央のお厨子に本尊世継観世音菩薩が奉安。







▼方丈 (本堂)。やや横から見る方が葦葺屋根の重量感が伝わりますネ。







▼葦葺の断面。

           





▼境内奥へ進みましょう。

         





▼祭神不明のお社が祀られています。







▼法堂 (大雄宝殿)。桁裄5間、梁間3間、寄棟造、桟瓦葺。享保13年 (1728年) 再建。







▼堂名扁額が掛けられています。







▼法堂須弥壇。上段中央に本尊釈迦牟尼佛、左右に迦葉尊者、阿難尊者が祀られています。







            ▼本尊釈迦牟尼佛。







▼渡り廊下。







▼開山堂。桁裄3間、梁間4間、入母屋造、銅板葺、1間向拝付、享保10年 (1725年) 再建。
 本尊寂室禅師が祀られています。







▼開山堂須弥壇。







            ▼中央仏殿には開山寂室禅師の国師号、正燈の扁額が掛けられています。







▼屋根葺き替え中の経堂。方3間、宝形造、銅板葺。応永11年 (1404年) 建立、延宝4年 (1676年) 再建。







▼経堂扁額。







▼経堂正面に祀られている、中央傅大士、右普健童子、左普成童子。この方達は道教神ですよネ。







▼禅堂。







▼宝蔵。







            ▼宝篋印塔。







▼飛泉水。







▼境内奥まったところに修行のための専門道場があります。







▼真新しい建物です。







▼内部を覗くと、







▼道場という印象はありません。新築住宅のお披露目的な印象。







▼境内の一角にこぢんまりしたお堂大悲閣。







            ▼聖観音が閑かにお立ちです。







▼たおやかなお顔を拝見しつつ永源寺を辞すことにいたします。







▼ご朱印です。







葦葺の大屋根を持つ本堂の重厚さは、臨済禅の古刹の貫禄を大いに誇っているように見えます。室町初期、武士社会の豪放さに対抗
するように禅の閑かな豪放さを、鈴鹿の山懐に抱かれたこの地から主張しているように感じる永源寺。650年の歴史の法灯は伊達じ
ゃない、そんな感じを受けた永源寺でした。

永源寺これにて オ シ マ イ 。