土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

安国寺、紅葉に囲まれた釈迦三尊に合掌。

2015年11月12日 | 京都の古寺巡り




(2015.11.07訪問)


光明寺を辞して君尾山を下り西に約二十キロ、迷車大和路号は禅刹丹波安国寺に向かっています。殆どクルマの走って
いない府道をスイスイです。安国寺には素晴らしい釈迦三尊がおられると聞いていたので今日のコースに入れたのです
が、このお寺紅葉名所とも聞いていたのでこの時期相当な人出覚悟で訪ねると、やはり参道前は真っ赤、しかし参拝者
チラホラ、駐車場ガラガラ、少しばかり拍子抜けながらも我が意を得たりと参道石段を上がって行ったのでありました。




▼自然の妙、僅かの距離ながら山寺よりも里寺の紅葉の鮮やかさ艶やかさにビックリ!






[ 安国寺 ]
●山号 景徳山 (けいとくざん)
●寺号 安国寺 (あんこくじ)
●宗派 臨済宗東福寺派 (りんざいしゅうとうふくじは)
●開基 足利尊氏 (あしかがたかうじ)
●開山 天庵妙受禅師 (てんあんみょうじゅ)
●開創 康永元年 (1342年)
●本尊 釈迦三尊 
▲拝観 境内自由 朱印300円 駐車場無料 
▲時間 8:00~17:00 
▲京都府綾部市安国寺町寺ノ段1 電話0773-44-1565
▲JR山陰線「綾部駅」よりあやバス黒谷線「安国寺前バス停」下車 徒歩10分
 JR舞鶴線「梅迫駅」より徒歩15分              
 京都縦貫自動車道「綾部安国寺IC」からJR舞鶴線の踏切を渡って西へ進む。
 
▼安国寺縁起。           






▼参道入口の山号と寺号の石柱。






▼真っ赤のトンネルになってます。











▼赤の次は緑のトンネル。






▼山門です。一間一戸、四脚門、控柱付、本瓦葺、袖塀付、天保十四年(1843年)再建。






▼山門扁額。楼?五 何と読むんでしょうか。






▼こういう色合いもまた趣向。






▼境内正面に茅葺の仏殿。桁裄五間、梁間五間、入母屋造、茅葺。寛保三年(1743年)再建。

  



▼寺号の書かれた仏殿扁額。 






▼仏殿内。簡素な荘厳ですが、重厚感たっぷり。中央須弥壇に本尊釈迦三尊を安置、禅宗仏殿の基本構成を再現、床は
 瓦敷、須弥壇は四本柱構成、格天井になってます。

 




▼本尊釈迦三尊(重文)。中央宝冠釈迦如来坐像、脇侍に右文殊菩薩坐像、左普賢菩薩坐像。脇侍両菩薩が獅子と象に騎
 乗しているのかは不明、外から見えないんです。    






▼中尊釈迦如来坐像。なんと宝冠と胸部瓔珞の立派なこと!豪華絢爛これでもかの感じ。 
 像高約160cm、檜寄木造、玉眼嵌入。歴応二年(1339年) 円派仏師豪円作。
 京市内の大寺院の山門楼上には宝冠釈迦如来坐像が安置される例が多いのですが、このお釈迦さん決して負けません。
 676年と云う経時にも関わらず残る彩色の上品さと、お顔の表情の何とも云い難い格の高さに見とれてしまうこと暫
 しです。






▼広々の境内、意外に参拝の方少ないでしょう。 
 茅葺屋根のお堂は珍しく、遠目には豪農の母屋かな、近づいて見ると両端に花頭窓、ヤッパリお堂だ。






▼紅葉もここまで来てます。






▼観音堂。極々小さいお堂です。






▼本尊は小さな観音石仏。舟形光背を背負う半彫り像です。






▼赤のグラデがキレイです。






▼放生池。






▼池畔から橋越えの庫裏。






▼開山堂門。周りの朱の染まり、キレイさ目立ちました。






▼開山堂。開山 天庵妙受禅師をお祀りしています。桁裄一間、梁間三間、入母屋造、桟瓦葺。






▼開山堂周りの染まり具合。






▼開山堂横の三基の宝篋印塔。 中央足利尊氏、左尊氏母堂清子、右尊氏妻登子の墓。






▼補強か補修かの工事中の鐘楼。






▼ここも赤のグラデがキレイです。






▼大屋根桟瓦の波打つリズム感が心地よい方丈。






▼方丈前庭に置かれている鬼瓦、旧堂のものなんでしょう。






▼茅葺の庫裏。こちらで御朱印を戴きます。






▼庫裏玄関の間の豪筆衝立。紀元二千六百年と云いますから昭和十五年(1940年)に揮毫されたものですネ。






▼玄関三和土にさり気なく。






▼参道前に足利尊氏公誕生の地の石碑が。






▼手前に尊氏公産湯の井戸なるものも残ってます。






▼御朱印です。






庫裏でご住職に「こちらの紅葉スゴイですね」と云うと、「なんのなんの今年はダメ、十月の雨の少なさ気温の高さで
染まるのが遅く色が悪いです」と嘆いておられました。自然美に縁遠いボクなんかから見ると自然の織りなす綾錦の美
に感嘆しきりなんですがねぇ。(褒め過ぎかな)
ただ全体としては少し時期的には早いようで、六~七分の赤さの印象でしょうか。









安国寺もみじ祭り11月15日(日)に行われます。
樹齢80年を超す約100本のもみじを愛でながら、邦楽の流れる中で、野点や舞踊、地元特産品の出店などが催されるそ
うです。ちなみに安国寺は綾部で一~二を競う紅葉名所らしいですヨ。

ボクが訪ねたのは7日、15日はひょっとして凄いことになってるかも知れません。紅葉命の方は是非どうぞ。

安 国 寺 オ シ マ イ




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