土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

神池寺、山寺はすっかり冬待ち寺です。

2015年11月24日 | 兵庫の古寺巡り




(2015.11.21訪問)


迷車大和路号は又また丹波路を走っています。
いくらかの残り紅葉の期待もあったんですが、丹波紅葉の名刹は今や色気すっからかん。散り紅葉の絨毯すらありませ
ん。お陰と申しますか、お寺訪問には絶好の時季がいよいよ巡って来ました。標高564.8mの妙高山山頂近くに位置す
る神池寺は早くも冬到来の感じがします。既に紅葉の色気はなく人っ子一人居ない境内を巡っていると尚更の感。広い
駐車場も大和路号ただ一台、人と会ったのは庫裏でご住職ただお一人でした。




▼参道中腹に山号妙高山碑が建てられています。
 この参道、舗装はされていますが急勾配、急カーブの凄い道、迷車大和路号は又また登山にチャレンジです。






[ 神池寺 ]
●山号 妙光山 (みょうこうざん)
●寺号 神池寺 (じんちじ)
●開基 法道仙人 (ほうどうせんにん)
●開創 養老二年 (718年)
●本尊 千手千眼観世音菩薩立像
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
▲拝観 境内自由 朱印300円 駐車場無料 
▲時間 自由 
▲兵庫県丹波市市島町多利2609-1 電話0795-85-0325
▲JR福知山線「市島駅」下車、タクシーで15分
 舞鶴若狭自動車道「春日IC」から国道175号線福知山方面10分 右折15分




▼ここが総門。といっても石柱が建つのみ。まだしばらく酷道を走ります。






神池寺縁起。(神池寺パンフ及び天台宗兵庫教区寺院大図鑑神池寺から抄出)
奈良朝元正天皇の養老二年(718年)法道仙人が仏法を広めんと飛錫の途、当山に立ち寄り心霊を感じ、ここに伽藍を建
立、千手千眼観世音菩薩立像を安置し開基したと伝えます。山に形が須弥山に似ているので妙高山と、山上に霊池があ
るので「神池寺」と号するようになった。聖武天皇は勅願所とされ、行基菩薩、慈覚大師等来錫、往時は堂塔五十余、
僧坊二百をかぞえ、丹波叡山と称された。元弘年中には、大塔宮護良親王が来山、山門の衆徒に論旨を賜り兵を京に進
めるが、賊の追撃にあい、全山悉く兵火に遇う。元禄の頃より寺運衰頽の兆しがみえ、明治維新の大改革で境内、山林
など尽く上地となる。さらに昭和四十年の台風にて本堂、講堂を全壊、僅かに残った山林も惨憺たる被害を受ける。そ
の後、昭和の大改修により復元、復興する。

   
▼ いつの間にか境内に、妙光山の山頂近く標高約430mの地点に神池寺はあります。
 さぞや境内全山紅葉と思いきや……、この三本だけがかろうじて秋の名残。

  




▼駐車場横の庫裏。

      




        ▼天台の宗是。

     




▼放生池。

 




▼肩切り地蔵の祠。(境内の肩切り地蔵の由緒から抄出)
 貞観二年桜爛漫の頃、由松の恋人お美津から今宵腰掛け松に来てほしいの便り、かってそんなことがなかっただけに
 訝りつつ刀を腰に出かけた。春のよは更けゆき待つ間もなくコトリの音に振り返るといつもと違ったお美津が立って
 いた。「待ったかい」と手に触れると手の冷たさ、五体に伝う冷感に思わず刀を抜き、袈裟懸けに、カチンと音がし
 たのを夢心地に気を失った。朝霧に我に返った由松は、傍らに袈裟懸けに切られた地蔵尊を見て罪の深さにおののき
 生涯供養して地蔵尊を祀った。と云うもう一つよく判らないお話でした。






▼ユニークな形の七福神堂。丹波七福神恵比寿霊場の木札が掛けられています。






        ▼神池寺衆徒慰霊碑。



(慰霊碑より抄出) 
元弘三年(1333年)四月八日、鎌倉幕府討幕運動の最中、大塔宮護良親王論旨を賜り、六波羅探題攻撃の軍勢に加わって
いた神池寺衆徒八十余騎が五条西 の洞院まで進出、大いに奮戦したが悉く討ち死全滅。その後一月余りにして鎌倉幕
府滅亡、建武中興がなった。衆徒の慰霊碑です。




▼常行堂。

   




▼常行堂須弥壇の荘厳。中央奥に本尊阿弥陀三尊がお祀りされています。

    




▼本尊阿弥陀三尊。






▼役行者もこのお寺に何か関わりがあるんでしょうか。






▼本堂エリアへの道しるべ。登山と書いてますね。イヤですネ。

        




        ▼参道石段横に神池寺寺号石柱。

       




▼さて問題はこの石段参道、上に見えるは仁王門なんですが……、

   




▼石段参道なんと本堂まで157段あるんです。枝々の葉はすっかり落ちてしまってます。

       




▼参道中頃右折すると慈覚大師円仁さんの供養宝篋印塔があります。こんな道を行きます。

       




▼慈覚大師宝篋印塔。円仁さんが嘉祥四年(851年)妙光山に登頂の記録があるそうです。

       




▼参道に戻りましょう、簡素な仁王門です。三間一戸、八脚門、入母屋造、銅板葺。

  




▼山号が書かれた扁額。






▼阿形仁王さん。左目が失われており少々恐ろしい感じで怖いです。






▼方や吽形仁王さん、五体健全です。

   




▼仁王門から本堂、最後の石段です。

        




▼少しばかり陽が射してきました。

        




▼振り返って仁王門。屋根にいくらかのチリチリ紅葉。

        




▼まもなく本堂です。

   




▼本堂。桁裄五間、梁間五間、入母屋造、銅板葺、三間向拝付。






▼本堂前面は開き戸で中扉はすべて格子戸、入堂は出来ません。中央格子はボコボコの透明プラスチックなので堂内の
 見にくいことこの上なし。






▼キレイな堂内、中央12本柱に囲まれた内陣の奥に須弥壇。

       




▼須弥壇中央に本尊千手千眼観世音菩薩立像が祀られています。

     




        ▼本尊千手千眼観世音菩薩立像。後ろに立派なお厨子が見えるのでヒョットしたら
         お前立ちのお像かも。

 




▼本堂です。






▼鐘楼。






▼本堂左手に行者堂。






▼護摩壇が設えられた行者堂内。須弥壇には何方もおられませんが御簾内にひょっとしたらお役行者がおられるのかも。






        ▼境内のお地蔵さん。






▼不動明王堂。慈覚大師円仁さん手彫りの不動明王像が祀られている筈ですが……。






        ▼前面格子扉に宝剣が。






        ▼宝篋印塔。






▼広い本堂エリア。一帯は県立公園だそうで、神池寺も公園の一部みたいです。
 左手に見えるのは大枝垂れ桜、春はそれはそれは見事の一語に尽きるそうです。






▼御朱印です。






山寺へのアプローチは、ほぼ皆同じ。酷い道で急坂、急カーブ、細い道は当たり前、上からクルマが来たらどないしよ
う。そんな惨道でも考えようで、クルマの耐久テストや運転テクニックの練習にもってこい、チャレンジしながらGO!
なんて云うのはウソですよ、そんなことしたらいけません。安全運転で行きましょう。
それにしても神池寺の参道はかなりな惨道です。

神 池 寺 オ シ マ イ





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