裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

コペルニクス的

2010年07月03日 09時13分48秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
最近は狂ったように数学と物理学、あと哲学の書籍ばっか読んでまして。
それにしても、このたぐいの本はどれを読んでも、コペルニクス、ケプラー、ガリレオ、ニュートンだけは出演してます。
このへんのくだりが実に面白くて、知れば知るほど興味がわいてきて、興味がわくほどにさらに複雑な数式に足を突っ込みたくなり、複雑な数式を理解するほどにさらなる難解な構造に分け入りたくなります。
へ?なにゆーとんの?とみなさん思ってるかもしれませんが、事はシンプルなのですよ。
知識欲の昇華と展開です。
すなわち、人間の本能ね。
ぼくの興奮を簡単に説明するとね、こんな感じ。
むかし、空の上は神様のおわす場所でした。
そして「天球」と呼ばれるドームだったわけです。
で、昼間は太陽が、頭上に敷かれた「黄道」というレールを横切っていき、夜になると星空が、東から西へいっせいにめぐります。
それを見て人々は、天球が動いとーなあ、神様が働っきょんねんな、一方、地球は泰然として動かんなあ、と信じて疑いませんでした。
ところがここに、星空(天球)を精密に観測してた人物がひとり。
彼は、天上で何個かの星だけが奇妙な動きをしてることに気付きます。
その星は月の中をツキ抜けたり、星々の間を不規則に通過したりと、天球全体の動きから独立して、まったく無秩序に夜空をさまよってるわけです。
それは火星なんだけど、ある日、彼はハタと理解します。
「げげっ、この星って太陽の回りをぐるぐる周回してるんちゃうんけ~!?」
無秩序だったその星の動きに、秩序が与えられたわけです。
そしてさらなる解析で、空はいっせいに動いてるんではなく、一個いっこが時計仕掛けのように組み合わさって、各自に動いてるのだということが導きだされます。
それはドームではなく、無限の空間であるとわかったわけ。
さらに劇的に発想が転換されます。
「ちょっと待てや~。ひょっとしてこの地球も、あの太陽の回りを周回してるんちゃうん~!?」
動きの中心をあちら側に置き、こちらこそが周回してるのだと発想してみると、
「めっちゃ理屈にドンピシャやんけ~!」
あっちとこっち、どっちを主体にしてもかまわんのだけれど、太陽を中心としたモデルの周回に地球を置いたほうが、より体系化が合理的だし、各個の動きを矛盾なく説明できるとわかったわけです。
人類史上はじめてこの人物は、わが地球を宇宙からの俯瞰でながめたのです。
主体でなく客体として、つまり客観的に地球という星を観たの、彼は。
地球を、はじめて宇宙空間の中にザコ星として組み込んだ人物、と言い換えることもできます。
これが当時、どれだけドラマチックなことだったか、理解できます?
それは、神様の視野を手に入れたということなのです。
ドギモを抜かれる視点ではありませんか、神学の時代の世界観においては。
まさにコペルニクス的発想の転換!(彼こそがコペルニクス氏なんだけど)
この一点(宇宙の体系化)が、当時の科学を跳躍させるわけですが、ほんとに一編の物語として面白いのですよ、数学&物理学は。
みなさんも興味を持ったら、こんなふうにムカシビトの立場になってイメージしてみましょうよ。
人間の叡智のただ中に放り込まれたような、不思議な感覚が体験できますよ。
それにしても、オレはこんなものばかり読んで、どこに行こうとしてるんだろう?

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

最新の画像もっと見る

コメントを投稿