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裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

投票率がすごい

2019年07月22日 23時30分07秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
選挙が終わりましたね。
国民によるこの判断によって、また今回も特になにが変わるわけでもないわけですが、毎度このブログで言ってることを繰り返させてください。
今回、選挙にいかなかったひとが半分いたんですって。
うはーっ。
お気楽なことです。
わかってんですかね、このことの意味が。
お金持ちは、必ず選挙にいきます。
政治家たちは思います。
お金持ちたちよ、ヨシヨシ、お前らに絶対に損はさせない政治をしてやるぞ。
ジジイも、ババアも、絶対に投票所にいって、世話になってる政治家に投票します。
政治家たちは誓います。
ジジイよ、ババアよ、私は決してお前たちを裏切る政治はしないぞ。
ビンボー人や、忙しがってるやつや、バカは、選挙にいきません。
政治家たちは安心します。
ビンボー人よ、ずっとビンボーでおれ。
忙しがってるやつよ、死ぬまで忙しがってろ。
バカよ、たのむからバカのまま死んでいってくれ。
かくて政治家は、選挙にいかない人間のためには働きません。
政治家は、投票所に足を運んだ人間のためにだけ動きますし、投票所に足を運ばなかった人間を、軽んじ、さげすみ、ちゃっちゃと切り捨てます。
要するに法律とは、投票所に足を運ぶ人間たちのためにできてます。
しかしそれでも、棄権(という名のサボタージュ)をしたひとたちは、精一杯にいきがるでしょう。
「ああ、上等だよ」「政治なんかにゃ頼らねえよ」と。
ぷぷ。
わかっちゃいないところが痛ましいのですが、結局この手の人間がいちばん、政治家にとっちゃ好都合な奴隷なのでした、わんわん。
その態度を、政治家がどう思ってるか、考えたことあります?
「いやー、バカなおひとよ、ありがとうございますー」「すきにやらしてもらいますー」「こうまであいつらをバカにした法律をつくっても文句ひとつ言わないなんて、あいつら便利便利」てなもんですよ。
それだけは覚えとかないと。

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隣の男の示唆

2019年06月11日 15時25分06秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
酒場にいくと、いろんなひとに会うね。
カウンターで、製薬会社の取締役みたいなおっさんと隣り合わせた。
偉そうな肩書きの野郎は嫌いなんで威張り話には一切つき合わずに軽蔑の「へえーっ!」だけを連発して影でふふんと嗤ってるオレなんだが、このおっさんは話のわかるひとだった。
つか、よくものを知ってるんだね、製薬会社の偉いひと、技術畑かな?
ドーキンスの遺伝子論とか、メチシリンの耐性菌の話とか、リン脂質の集団構造の話とかでひと通り盛り上がって、その場で読んでた本の見せっこをすると、興味深そうに食いついてきてくれた。
オレは今、地球の大構造のやつと、最初の生命発生を探るやつを読んでるんだけど、「それ、わし、くわしいよ」と言うのだ。
そこでまたRNA起源説や、DNAの塩基は水素結合でスイッチオンみたいなマニアックな話で盛り上がる。
声がでかくなるね、こういうときって。
いやー、大興奮の夜だったし、勉強した(相手にも勉強させたが)。
酒を飲むと、なんでかな、すごく深く考えることができる。
このブログでも何度も紹介してるけど、リン脂質がぐるり並ぶと膜ができるんだ(細胞膜というやつ)。
原始のスープともいうべき海の中でそいつができ、中に生命の材料が偶然にそろうとする。
ここまでは結構簡単にうまくいくはずなんだ。
欲しいものを膜の外にくっつけて、内部に取り込み、無駄なものを排出する。
これは機構的にかなり高度で難しいが、いろんな条件をそろえれば、ギリギリ全自動でできそう。
ここからなんだよ、生命発生問題で難しいのは。
意図、意思、意識・・・つまり「魂」なんて別次元のエネルギーが、いつ、どんなふうに備わったのか、ってこと。
これまでは、「有機物が詰まった泡が発生し、そこに雷が落ちた」ってのが、最も現実的な学説だったんだよ、マジかと思うよね。
でもねでもね、すごいことを知ったんだよ、最新学説で。
それはね、ナイショ。
ちゃんと組み立ててから、表現にして、発表するね。
いやー、最高に面白くて、楽しくて、興奮するんだよ、勉強ってのはさ。
しっかり学べよ、ガキども。
もうこの歳では、頭がスカスカですぐに覚わらん上に、残された時間も少ないんじゃ。
ただ、創造性は枯れとらんがな、とは思いたい。

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円周の話

2019年04月10日 09時01分34秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
じゃ、円周の求め方だよ。
昔々から、円の直径に対する周の比は割り切れないんじゃないか・・・つまり、円周の値(π)は小数点以下が永遠につづく無限小数なんじゃないか、ってことはうすうすわかってたようだ。
円の面積もそうで、それと同じ面積の正方形を作図できるか、って問題は、当時の数学者の頭を悩ませてきた。
つわけで、どちらの例にしても、近似値を求めるしかないんだった。
さて、円周の近似値なんだけど、いちばんわかりやすい考え方は、「円に近い多角形を描いて、その周囲の長さを求める」ってものだ。


円に内接する多角形を描いてみる。
六角形はかなり粗い多角形なんで、近似値には遠いんだけど、これでも「π=3」くらいには近づけそうだ。
さて、次の作業なんだけど、ここが昔のひとの賢いところだ。


同じ円を使って、今度は外接する多角形の長さを求めたんだ。
これでもまた「π=3」くらいが求められる。


重要なのは、円に内接する多角形と外接する多角形の周囲長を比べることだ。
ふたつを同時に作図するとわかることだけど、πは内接する多角形よりも長く、外接する多角形よりも短い。
確定値とはいかなくても、このふたつの多角形の差をどんどん縮めていけば・・・つまり、多角形の角数を多くしていけば、πの数値の精度を高めることになる。
角数が増えれば、多角形の角は滑らかになり、円に近づいていくってわけだ。
6角形を8角形に、16角形に、32角形に、74角形に・・・1024角形に・・・
昔のひとはこうした執念じみた計算をして、真実に迫ろうとしてたんだね。
おしまい。

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円の面積の話

2019年04月01日 11時04分29秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
円の面積の求め方って知ってる?
半径×半径×π、つまりπr2(二乗)だよね。
じゃ、なんでこんな式なのか知ってる?
これが面白いんだよ。
まずね、円の半径を底辺とした三角形を、円の内側に描くんだよ。


三角形の面積の求め方は、底辺×高さ÷2、じゃん。
底辺はrなんだから、高さがわかれば、この三角形の面積はわかりそうだよね。
じゃ、今度は、この三角形の高さを、極限まで低く見積もってみる。


すると、こんな扁平な三角形ができる。
rを底辺としたこの三角形の高さは、円における二本の半径間の弧の長さに限りなく近い値だ。


この三角形で、円の一周分を埋め尽くす。
言い換えれば、円を限りなくたくさんの三角形に分割する。
このひとつひとつの三角形の高さを足し合わせたもの、すなわち無数の弧の長さの合計は、円周と等しい(というか、限りなく近似値)。
つまり、すべてを合計した三角形の高さは、円の円周長という値でまかなえそうだ。


円周分の長さを、ニョニョっと直線に伸ばして、高さ分に取ってみる。


すると、底辺×高さ÷2は、半径×円周÷2、と置き換えられる。
これを約分すると、πr2(二乗)になるってわけなんだった。
かしこいひとっているね。
では、πの数値、すなわち直径に対する円周の比は、どうやって求めたんだろうか?
いつかにつづく。

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リーマンの予想・3

2019年03月18日 02時40分47秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
で、なんだっけ?ああ、リーマン予想なんだった。
そんなわけで、素数の配列を探るために、ゼータ関数の風景の一直線上にすべてのゼロ点が(無限に!)並んでることを証明したいんだけど、これが十九世紀以来、数学界最大の未解決問題となってるんだった。
巨大な素数の因数分解は、スーパーコンピューターでも解を得ることが困難(事実上不可能)なんで、素数はネット上の暗号としても重宝されてて、逆に言えば、素数の配列が確定されてしまうと社会が大混乱に落ち入る可能性があるため、この問題は「国際間の安全保障上において」と言ってもいいほどにとてつもなく重要なのだ。
どうしても解決したい一方で、解決されては困る、とも言えようか。
ところが、ここで劇的な展開が待ってたのだ。
ゼータ関数をいじくりまわしてゼロ点の散らかり具合いを研究してたある数学者が、ふとその配列を量子物理学者・・・つまり原子の構造を研究してる博士・・・に見せたのだ。
すると、見せられた物理博士はギョッとする。
「これって、素粒子のエネルギー準位の配列と瓜ふたつじゃね?」
この驚くべきペアリングの意味が理解できる?
学術史で最大の幸運と言われるこの出会いによって、「素粒子」と「素数」というまったくの別世界の、偶然では説明できない必然の関連性が明らかとなったのだあ。
「音の素」であるドレミからはじまった冒険の旅は、「数の素」である素数と「物質の素」である素粒子の配置がシンクロしてるという、信じがたい物語に至ろうとしてる。
というわけで、この未解決問題は、今や物質世界の構造にまで迫るものとなった。
しかし、ゼロ点の洗い出しとその方程式の構築は困難を極め、数学者の手に負えない。
が、なんとなんと、物理学者は知ってたのだ!
ゼロ点の探し方を。
ゼータ関数の風景を数学的なドラムの振動数と置き換えれば、その中でゼロ点をほじくり出すのは、ある種の流体の振る舞いを説明する問題の解き方と同じなんであって、つまりその古典的な作法は、すでに物理学者の間で知られてたものなんだと。
そしてそして、その流体力学において、ゼロ点を一直線上に並べて見せた人物こそが、十九世紀の数学者、ベルンハルト・リーマン、そのひとであったんだと。
うあー、一回転して戻ってきたーっ!
研究者はあわてて、リーマンが残した遺稿を調べようと、データを当たったんだそうな。
手に入れたい資料は二種類で、すなわち「ゼータ関数のゼロ点」に関するものと「流体力学」に関するもの。
ところが、出てきた遺稿は一山のみで、すなわち、ふたつは同じ原稿だった。
要するにリーマンは、素数探しにゼータ関数とその風景の中のゼロ点を利用したわけじゃなく、物理学上の問題を解くためにゼロ点の風景をさまよい歩く中で、不意に素数に出会ったらしいのだ。
逆経路だったのね。
というわけで、がぜん盛り上がってまいりました、リーマン予想。
いかなるエンディングが待ち構えてるのかは、乞うご期待。
早く解決してくれ、各方面の学者たちー。

おしまい

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リーマンの予想・2

2019年03月17日 05時13分17秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
数学では、どれだけ膨大なデータを集めて仮説を裏打ちしても、「なので、真実です」とはならない。
物理学あたりなら、「99,9999%程度の実験結果が合致したら認めます」となるところだが、数学においては、完全無欠の100%でないとだめなのだ。
どこにも漏れのない数式こそが真実であり、定理となるんである。
アインシュタインさんの相対性理論は、自然界の現象に照らしてほとんどすべてのケースを説明できるアイデアなんだけど、残念ながら、原子よりも小さな世界では矛盾が生じ得る。
数学にそんな曖昧さは許されない。
ところで、オレの好きな数学ネタがあって、下に書くんで、よく噛みしめて味わってみて。

x=0,9999・・・とする。
両辺を十倍。
10x=9,999・・・
10x−x=9,999・・・−0,9999・・・
9x=9
x=1
ゆえに
1=0,9999・・・である。

つわけで、99,9999・・・%とは100%のことではないのか?というロジックが成り立つんだけど、どこに矛盾があるか見つけられる?
それはまあ置いといて、とにかく数学においては、絶対的な正確さを証明しないかぎり、真実とは認めてもらえないんだった。
リーマン予想によれば、ゼータ関数の風景のゼロ点は一直線に並んでいなければならず、それを少しでも外れた場所にゼロ点が見つかれば、理論は破綻し、定理とは認められない。
この直線上に、ゼロ点が数十億個も(今ではおそらくそれ以上の数が)一直線に並んでおり、しかもひとつの例外もないことは確認されてるわけなんだが、そんなわずかな証拠ではまったく心もとない。
なにしろ、素数は無限にあるんで、10の一千億乗の一千億乗個の証拠を示したところで、その先に素数が永遠につづくかぎり、まるで意味がない。
また道がそれるけど、この「素数は無限にある」と証明したのはギリシャ時代の数学者・ユークリッドで、この背理法のロジックもなかなか面白いんで、一読してみて。

素数は有限個と仮定し、最大の素数をpとする。
pに至るまでのすべての素数を掛け合わせる。
2×3×5×7×11×13×17・・・×p
その数に1を足したものをxとする。
x=(2×3×5×7×11×13×17・・・×p)+1
xは、いかなる素数(カッコ内のすべての数)でも割りきれない。
2の倍数でもなく、3の倍数でもなく、5でも7でも11で割っても・・・のぼりつめて、最大素数のpで割っても、必ず1が余る。
よって、xはpよりも大きな素数である。
したがって、最大の素数は存在しない(素数は無限にある)。

今から二千年以上も前のひとがこんな考え方をしてたなんて、驚きだよね。

つづく

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リーマンの予想

2019年03月15日 20時24分32秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
「フェルマーの最終定理」と「ポアンカレ予想」というスター級の数学問題をやっつけたんで、いよいよ数学界最大の未解決問題である「リーマン予想」を理解してみるかと企てたのだ。
これは、素数の配列に関して、リーマンって昔の数学者が予想したもので、リーマンブラザーズの破綻とはなんの関係もない。
さて、素数とはご存じの通りに「その数以外では割りきれない、数の元素」のことで、小さなものから順に、2、3、5、7、11、13、17・・・と無限にある。
と同時に、その配列の間隔はバラバラで、次に出現するパターンがまったくでたらめなように思える。
上では七つの素数を数え上げただけなんだが、これが進むにつれていよいよバラけていき、例えば数百も間隔が空いた直後、わずか二つ隣に現れたりする(素数がひとつ置かずに隣り合わせることは、偶数が2で割りきれることからして、あり得ない)。
その配列に規則性を見つけましょ、という試みがリーマン予想なんだった。
さて、その前に「ゼータ関数」」を理解しなきゃならない。
ギターの弦一本をぽろ~ん、と弾くと、たとえば「ド」という周波数の音が発生する。
ところがこのドの音には、1オクターブ上のドの音(倍音)も含まれてるのだ。
ギターの弦で言えば、開放弦で弾いた音には、全開の音の中に、その倍の周波数の音(波形二分の一=弦のまん中を押さえた音)が含まれ、つまりこれが高い方のドの音だ。
弦の振動が複雑な波形を描くため、こういう現象が起きる。
さらにその振動の中には、解放の三分の一の波形も混じり合う。
三分の一の音とはつまり「ソ」の音階のことで、このために「ド」と「ソ」の音は完全に調和する。
さらにさらに、四分の一の音、五分の一の音、六分の一の音・・・が延々と連なって混じり合う。
ちなみに、この周波数の細切れの中に、レ、ミ、ファ、ラ、シ(と、♭♯同)は含まれない。
完全に割りきれる「ソ」以外の音は、周波数比で小数点以下が無限につづく無限少数になってしまうので、ドの音と正確にユニゾンすることはなく、それぞれの近似値を取って耳当たりがなるべくよろしい音に調整してあるのだ。
道がそれたが、とにかく、ギターのドの音の中には、1+1/2+1/3+1/4+1/5・・・という周波数比が渾然と交わり合ってるんであった。
この調和級数と呼ばれる無限和にはなにか秘密があるぞ、と直感でひらめいたひとがいて、この式を引っくり返していじくりたおした末に、すべての分母を2乗してみた。
するとこれが、なんとπの二乗の六分の一になるではないの。
なんでここに円周率が現れたのかは深淵なる謎なんだけど、やはりここにはなにかある、ってことになる。
こうして、調和級数のすべての分母をx乗して足し合わせたもの=ゼータxとして、こいつをゼータ関数としましょう、となったわけだ。
さて、この式がなにを意味するのかはわからないけど、とりあえず解を、等高線のような三次元の数直線上に並べてみる。
すると、数値のないいくつかの「ゼロ点」が現れた、というんだな。
これが、驚いたことに、素数の配置を示唆してるようなんだった。
パターンの取っ掛かりがまったくなく、ただただ神様が気まぐれテキトーにバラまいただけと見えた素数の配列が、実はゼータ関数の風景の中のゼロ点という規則に従ってた!・・・のかも知れないというのが、ざっくりとしたリーマン予想の中身のようだ。
こう書いてるオレにも、その内容がちゃんと理解できてるわけじゃないが。

つづく

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非ユークリッド幾何学

2019年02月20日 09時08分41秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
くそー、数学って酷なことをするぜ。
曲がった空間が、こうまで実生活に影響を及ぼしてるとは、思ってもみなかった・・・
つまり、よめはんのたたむタオルのエッジがそろってなくて、いつももやもやさせられるのだ。
そんな折り(折りたたみ作業なだけに)も折り、ゆうべタオルを折りたたむよめはんの手の動き、目の運びを見て、はたと得心がいったのだ。
オレはタオルをたたむとき、エッジ感重視なんで、二つ折りにした際に短い辺の両サイドの直角と直角とを重ね合わせ、折りたたむ。
そして次もまた角角合わせ、角角合わせ・・・とくり返してたたんでいく。
これが当たり前だと思ってたのだ。
ところが、よめはんの作業はそうではなかったのだ!
思い起こしてほしいのだが、使い込まれ、洗いざらしにされたタオルは、実は平面ではない。
経験者なら誰もが知るところの、「あり?角合わせをしても、辺がまっすぐに重ならないぞ?」のやつだ。
こすられ、なぶりあげられ、強烈な圧力でねじ込まれた末に、石鹸水につけられ、日光にあぶりたてられ、風にはためかされた平面長方形は、すでにどの鏡合わせにおいても非対称と成り果ててる。
こうなるとタオルは三次元構造となり、すなわち平行線公準が成り立たず、ユークリッド幾何学の範疇でとらえきれる形状ではなくなってる。
さて、そいつを折りたたもうとする者には、ふたつの選択肢が用意される。
すなわち、角角合わせか、「辺辺合わせ」かの二種類だ!
そうなのだ、よめはんは、角と角とを重ね合わせる道を捨て、「辺と辺とを同調」させてたのだ!
そのために、なるほど辺同士は美しくシンクロしてるが、エッジはバラバラとなり、見た目にだらしない積み上げとなってしまうんであった。
しかし・・・そこを選ぶか、よめはんよ・・・
気持ち悪くはないのか・・・?

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豆知識・・・なのかどうか

2018年11月19日 06時39分31秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
カミオカンデがニュートリノを観測するメカニズムがいまいちよくわからなかったんだけど、ようやく理解できたよ。
みんな、知りたいよね?
あのね、超音速飛行機が音速を超える瞬間、ドップラー効果による衝撃波が発生するじゃん。
動いてる物体から発生する音の波長が進行方向に向けて圧縮されて高音になるのが、ドップラー効果。
さらに超音速で動く物体ともなれば、前方で圧縮されて圧縮されて詰まりに詰まった音の壁を、ついには自身が突き抜けてしまう。
自分が出すすべての音を、自身が突き抜け、背後に追いやってしまうわけだ。
ドカーン!
ここで発生するのが、衝撃波。
さて、こいつを光の波長に置き換えてみる。
高速で飛ぶ物体が出す光もまた、ドップラー効果によって前方に波を圧縮させてる。
具体的に言うと、こちらに向かってくる白い光は青寄りに見え、遠ざかると赤寄りに見えるのだ。
「夜空に輝く一切の銀河は、地球から遠ざかってる!」と、ハッブル(&最近変更されたところによるとルメートルも)が発見し、宇宙が刻一刻と膨張してることが確認されたわけなんだけど(すなわち、それを逆再生すると、宇宙は一点に向かって縮み、ビッグバンの特異点に収斂する)、これは天体の赤方偏移によってわかったことだよ。
えーと、それでですね、カミオカンデなんだった。
要するに、物質が・・・ここではニュートリノって素粒子なんだけど・・・が光速を超えてくれさえすれば、ドップラー効果により、衝撃波的なものが発生してくれるんで、それを観測したい。
観測できれば、「ニュートリノに質量が存在する」って証拠にもなる。
が、この一文にはさまざまな矛盾が含まれてる。
質量を持つものは決して光速には至らない、と特殊相対性理論が言ってるし、そもそも光速はこの世で最速なんだから、そのスピードキングを追い抜くなんてことはあり得ない。
が、水中では違うのだった。
なにしろ、あれほどせっかちな光が、ゆっくりと動いてくださる!
つわけで、鉱山跡の巨大な空間に純粋な水が満たされたわけなんだった。
このデパートほどもある水槽が、カミオカンデね。
さて、ここにニュートリノを突っ込ませる。
水中での光速は、普段の75%。
このスピードなら、追い抜けないこともない。
ところが、どんなものもすり抜けてしまうオバケのような存在が、ニュートリノだ。
何個かを突っ込ませてみても、観測はできない。
が、おびただしい数を突っ込ませれば、どうだろうか?
ニュートリノ自体の観測は難しくても、どれかがまんまんに満たされた水分子とぶつかって、酸素からか水素からか、電子をはじき出してくれる。
この飛び出した電子が、水中ではなぜか光よりも速いらしい。
電子が超光速に至った瞬間に、例のチェレンコフ光ってやつが、つまり超音速における衝撃波のように発生する。
カミオカンデは、この発光を巨大水槽の周囲ぐるりに張り巡らせた増幅器とセンサーで捉える、という装置なのだ。
ニュートリノが押し出す電子から発生するチェレンコフ光・・・
よくこんな小さなサインを感知できるもんだ。
こんなバカげたことを考えて、実際につくっちゃったおなじみの小柴さん(ノーベル賞のおっちゃん)なんだけど、カミオカンデ完成の直後(かつ自身の退任直前)に、383年ぶりなんていうすぐお隣の銀河の超新星爆発にかち合い、ケタ外れのニュートリノが降り注ぐという幸運に恵まれて、そのうちのわずか11個を捕まえることができたんだ。
いやー、実験物理学ってのも面白いもんだね。

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宇宙意志

2018年07月01日 22時30分35秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
複製と繁殖は違う、とよ。
自己複製は、下で見てきたように、非常に難しい作業だ。
しかし、概念自体はシンプルなものだ。
細かい指示書があり、作業をミスなくこなせば、実現はわりと容易となる。
が、生命にとって重要なのは、完コピではない。
生命体の複製品を大量につくっても、そこには多様性が皆無で、先には永遠のループが待ってるだけ。
これでは面白くない。
そこで高度な生命は、恋愛、という概念を設けた。
すなわち、別々の仕様書を持ったもの同士を掛け合わせて、多彩に展開していこう、というわけだ。
ひとつの色ともうひとつの色を混ぜ合わせると、ちょっと複雑な色になり、それにまた別の色を混ぜ合わせると、さらに深みが出る。
いいとこ同士を取り出せば、より生き残れる可能性が高くなる。
一方で、コピーの過程でもミスが出る。
出来損ないが多く発生するが、その中のひとつの「試作品」とも言える機能が、運よく環境にマッチすれば、これまた他を出し抜け、生きのびるのに有利になる。
キリンは高い木の葉を食むために首を伸ばした、という進化論は、今や過去の論法。
キリンの先代種は、多くの実験(突然変異)を繰り返したのだ。
その失敗の中から、たまたま首の長いものが現れ、それがたまたま環境にマッチし、ほかのタイプのものを淘汰して生き延びた。
それが本当のキリンの進化のプロセスであり、本当の進化論。
さて、そんな具合いに「展開」なんてところにまで考えを及ばせて、次世代を組み立てよ、と仕様書が言ってるとなると、これはもう、ある一代かそこらの個人的なひらめきによって開始された、なんてものではない。
やはり種全体に総体意志があり、そいつが生命体全部を俯瞰した立場から指示を下してるとしか思えない。
やっぱ我々生命は、宇宙からきたんだろうか?
そして我々は、宇宙に操られてるんだろうか?
・・・なんて、気が狂ったふりをしてみたりして。

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