裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

円周の話

2019年04月10日 09時01分34秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
じゃ、円周の求め方だよ。
昔々から、円の直径に対する周の比は割り切れないんじゃないか・・・つまり、円周の値(π)は小数点以下が永遠につづく無限小数なんじゃないか、ってことはうすうすわかってたようだ。
円の面積もそうで、それと同じ面積の正方形を作図できるか、って問題は、当時の数学者の頭を悩ませてきた。
つわけで、どちらの例にしても、近似値を求めるしかないんだった。
さて、円周の近似値なんだけど、いちばんわかりやすい考え方は、「円に近い多角形を描いて、その周囲の長さを求める」ってものだ。


円に内接する多角形を描いてみる。
六角形はかなり粗い多角形なんで、近似値には遠いんだけど、これでも「π=3」くらいには近づけそうだ。
さて、次の作業なんだけど、ここが昔のひとの賢いところだ。


同じ円を使って、今度は外接する多角形の長さを求めたんだ。
これでもまた「π=3」くらいが求められる。


重要なのは、円に内接する多角形と外接する多角形の周囲長を比べることだ。
ふたつを同時に作図するとわかることだけど、πは内接する多角形よりも長く、外接する多角形よりも短い。
確定値とはいかなくても、このふたつの多角形の差をどんどん縮めていけば・・・つまり、多角形の角数を多くしていけば、πの数値の精度を高めることになる。
角数が増えれば、多角形の角は滑らかになり、円に近づいていくってわけだ。
6角形を8角形に、16角形に、32角形に、74角形に・・・1024角形に・・・
昔のひとはこうした執念じみた計算をして、真実に迫ろうとしてたんだね。
おしまい。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

最新の画像もっと見る

コメントを投稿