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裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

無限級数の発散

2019年10月02日 00時54分38秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
1+2+3+4+5+6・・・という無限につづく計算をしてみる。
その解は、無限、となる。
こんなふうに無限級数の足し算の結果が無限になることを、「発散する」と表現する。
無限に足し合わせるんだから、無限って答えが出ることは、あたりまえに思える。
だけど、次の計算はどうだろう?
1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6・・・
数字がだんだんと減っていく。
最初のふたつを足して1.5、みっつを足して1.8くらい、よっつを足して2.1くらい・・・
遅々として進まないどころか、歩みを進めるごとにますます遅くなっていく。
10の46乗個を足し合わせても、100まで到達できない。
そりゃそうだよ、1/(10の46乗)なんて砂つぶよりも小さな数字をどれだけ積み上げたところで、たいして大きな数になるはずがない。
・・・と思うでしょ。
ところが、こちらの無限級数の足し算も、発散するのだ。
小っちゃな小っちゃな数字が、もっともっと小さくなっていって、限りなく0に近づいていくにも関わらず、それを無限に足し合わせると、無限になる。
なんだか不思議・・・
不思議だけど、あたりまえ・・・
あたりまえだけど、やっぱり不思議・・・

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地球上から主観的に考える宇宙の構造・万有引力の法則・2

2019年08月29日 08時46分12秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
ニュートンさんに先駆けて、「ケプラーさん」がいた。
彼は、火星の位置の膨大なデータを解析して、その軌道をはじき出したひとだ。
それによって、惑星は正円じゃなく、楕円軌道で運行してるってことがわかったんだ。
しかもそのスピードは、太陽に近づくほど速くなり、遠ざかるに従って減速していく。
面白いのは、太陽を頂点に、惑星が一定時間で移動した二点間を底辺に取る三角形を作図すると、どの部分を抽出しても同面積!だというんだ。
つまり、惑星が速く進む太陽の近くで計っても(太陽に接する頂角は鈍角になる)、遠い場所にあるときに計っても(ゆっくり運行だから、シャープな鋭角三角形になる)、おんなじなの。
まてよ・・・これって、ボールを上空に向けて投げたときと同じ現象だよね。
放物線、というやつだ。
投げ上げたボールは、地上から遠ざかるにつれてスピードが落ち、頂点でついに最減速、やがて曲線を描いてUターン、落下がはじまり、加速しながら地上にもどってくる。
そこでニュートンさんは、「惑星の運行とは、つまり太陽に向けて落ちていくことなんだ」と解釈したのさ。
ガリレオさんが砲弾の軌道を研究してて思いついた「慣性の法則」=動きはじめたものは抵抗がないかぎり動きつづけ、引力などが働いた場合は楕円軌道になる、という約束事をあてはめると、惑星の動きはなるほどピタリと説明できる。
天体の運行に神様の力は必要なくて、実は地上界と同じルールが天界にも採用されてた、とわかった瞬間さ。
それが前回に出てきた「人間界と神様の世界を統合した」の意味だよ。
これでまた、ヒトビトの目に映る夜空の印象が劇的に変わったわけさ。
真実を理解すると、なんてスッキリと視界がひらけることだろう。
ついでだけど、ニュートンさんは、太陽と任意の惑星間だけじゃなく、惑星同士がお互いにおよぼしあう引力についても研究したんだ。
つまり、惑星同士が近づくと少しだけ軌道が揺らぐことを観測して、それも万有引力の法則で矛盾なく説明してみせた。(法則に矛盾がないことを証明してみせた)
例えば火星と木星が近づくと、予想された軌道よりも少し外れて、ゆらゆら、となる。
この現象を応用して、ニュートンさんはふたつの新惑星(冥王星と海王星)の存在を予言したんだよ。

おしまい

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地球上から主観的に考える宇宙の構造・万有引力の法則・1

2019年08月28日 09時57分49秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
クリスチャンのひとには申し訳ないけど、科学をこうまで遅らせたのは、キリスト教のせいだ。
数学も、物理学も、科学全般を論じるところの哲学も、ギリシャ時代にはすでにほとんど体系ができて、理解も深まってた。
ところが、ローマが勃興してキリスト教会が権力を持つと、「科学なんか信じたらダメ!」「神様の言うことがすべてなの!」と、論理的な思考を停止しちゃった。
こうして科学は、長い長い停滞の時期を耐えるしかなかったのだ。
しかし、ついにその闇が明け、「ルネッサ〜ンス!」となったわけ。
「コペルニクスさん」と「ガリレオさん」が地道な論拠を積み重ね、教会とやり合って、地球自体が動いて太陽を周回してることを周知のものとしたのもこの時期さ。
そして、いよいよ「ニュートンさん」の登場だ。
この大人物は、人間界と神様の世界を統合したひと、とされてるよ。
つまりそれ以前は、人間の住むこの地上界と、神様のおわす天界とは、まったく別のルールで動いてるという認識だったんだ。
そりゃそうだよね、地上では、どんな物質も安定を求めて地面に張り付いて不動なわけで、星のように空中にぷかぷか浮かんで、しかも自力で運行するなんてことはあり得ない。
あの大天空のレール上を太陽が運ばれていくのは、神様の特殊な力が作用してることは疑いがない・・・それ以前は、それが一般認識だった。
ところがある日、庭でうたた寝をしてたニュートンさんの目の前で、リンゴが樹からぽとりと落ちたわけ。
横から見てたらそれは、地球とリンゴがおたがいに引き合ってくっついたように見えた。
そこから、「地球もまた、リンゴに向かって落ちたのでは?」という、天才的なひらめきが生まれたんだ。
万有引力、すなわち質量のあるものはお互いに引き合ってんじゃねーの?という着想だ。
そこで終わらないのが、このひねくれた科学者のすごいとこだ。
この現象を天空に応用してみる。
つまり、「星ぼしはお互いに引き合って、落ち合い、その釣り合いで宙空を行き交ってんじゃね?」ってこと。
そうして計算すると、どうもしっくりときそうだぞ。

つづく

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地球上から主観的に考える宇宙の構造・地動説

2019年08月27日 08時30分56秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
宇宙は思ってたよりも広そうだ。
となると、空の天体配置モデルに修正を加える必要がある。
根本から宇宙の構造を見直そう、って話だ。
そこで、さらに夜空を注意深く観察してみる。
東から西へと一様にめぐる星々の中で、惑うようにうろちょろと動く数個の「惑星」にヒントがあるはずだ。
水星と金星、と呼ばれる星が、太陽の周囲を回っていることはよくわかる。
現在の太陽系モデルを知ってるぼくらからすれば当然のことなんだが、この二つの星は、地球よりも太陽に近いところを回ってるんで、その周回が観測しやすいんだ。
ところが、火星や木星の運動の解釈はむずかしい。
なにしろ、地球よりも離れたところを周回するこれらの星々は、きみが南にのぼった太陽を正面に見るとして、太陽の裏側をぐるっと巡った後、さらに地球の背面にまで回り込む軌道を取ってるんで、これまでの天体運行モデルを完全に捨てて思考を跳躍させないと、その動きの意味がわからないんだ。
しかし、今や人類は知り得た!
惑星たちが太陽の周りを回っていることを。
もはや地球が、宇宙の中心ではないことを。
ここで、さらなる思考の跳躍が起こる。
つまり、「いっそ、この地球も太陽のまわりを回ってるのでは?」という、驚天動地の考え方だ。
ところが、これがしっくりとくる。
この大地がそっくりそのまま、あの太陽を中心に周回してると仮定すれば、これまでのモデルで問題となってた惑星の運行の矛盾点すべてに説明がつく。
地球は転がるように回ってる。
これは、全天の風景がいっせいに上空を巡ることから見ても明らかだ。
しかし、その地球は、他の惑星とともに、太陽の周りを周回してる。
ヒトビトが見上げる夜空の光景が一変した瞬間だ。
このコペルニクス的転換によって、人類は外からの視線で「真の」自分たちを見ることができるようになった。
宇宙における大空間の中の自分たちの立ち位置。
それは、多くの天体の中の、いっこ。
たくさんある中の、たまたまぼくらが住んでるこの星。
ちっぽけなちっぽけなそこに自分を置くことで、ジンルイは巨大な視野を手に入れたんだった。

つづく

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地球上から主観的に考える宇宙の構造・天動説

2019年08月25日 08時58分52秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
文明が生まれてからちょっとたって、文化が成熟しはじめた頃。
東からのぼった太陽が南へ進み、西に沈んでくという同じリズムに、人類は気がついた。
そこで、太陽の通り道には「黄道」というレールが敷かれてて、あの大きな燃える球体はそこを運ばれてく、と彼らは考えた。
地上はどこまでも平らで、不動だ。
その上を、星が貼りついたドーム屋根が覆ってることに疑いはない。
その全天が、東から西に転がりめぐりつつ、太陽と月だけは太いレール上を運行してるわけだ。
だけど時代が下るにつれ、かしこくなった人類は、どうやらこの地上は丸くて、俯瞰すると大きな球なんだ、と理解しはじめた。
それでもなお、彼らの中で、地球=巨大すぎるこの大地は、全天を含むこの世界の中心だった。
なるほど、夜空のたくさんの星ぼしは、いっせいに、一様に、東から西に向かって動いてる。
その点で、頭上に天蓋をかぶせた天動説は、世界のメカニズムをうまく説明できてて、揺るぎない。
・・・ように見える。
が、夜空をよくよく観察すると、それと逆行するような動きを見せる、つまり集団から独立して行動する星が何個かある。
説明のつかない、やんちゃな「例外」が存在することに、人類は頭を悩ませた。
金星などは極端で、明け方か暮れ方のいっときにしか姿を現さない。
それどころか、その動きを数日単位で観測すると、夜空をUターンしたり、ループしたりしてるようだ。
そこで熟考してみる。
すると、「あの星ってひょっとして、いつも太陽の側にいるんじゃね?」ってことがわかる。
考えてみれば、「暁の明星」「宵の明星」と呼ばれるその星は、裏を返せば、太陽が姿を消した深夜には決して見ることができない。
これは、太陽が地球の裏側にいる時間帯に、一緒にくっついて地球の裏側にいる、ってことだ。
太陽にお供して、地球の裏側にいっちゃってるわけだ。
あの星は間違いなく、太陽の周りを回っている!
この地球じゃなく!
かくて、地球の裏側には大きな空間がひろがってる上に、太陽の裏側にまで広い空間があるぞ!とわかったわけ。

つづく

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整頓中・ラスト

2019年07月26日 21時24分34秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
さんざん書いてきたように、φは、x2=x+1(左辺のx2は、xの二乗)なのだ。
ということは、φを二乗したものは必然的に、φに1を足したものに等しい、ということだ。
おいおいおい、さらっと聞いてるようだが、これって実はすごいことなのでは?
なぜなら、1.618・・・を二乗すると、2.618・・・になるってことなんだから。
んー、これではまだこの不思議さがわかるまいから、こう書く。
1.61803398874989484820458683436563811772030917980576・・・
の二乗は、
2.61803398874989484820458683436563811772030917980576・・・
・・・この深遠さが理解できてる?
同じ数字ふたつを掛け合わせても、小数点以下がどこまでいってもそろうのだ。
こんな数字は、人間には創造し得ない。
それが自然界から発掘された、ってとこがまた不思議だ。
さて、話はここにとどまらない。
φの逆数・・・つまり、1/φ(φ分の1)の解もすごい。
1/1.61803398874989484820458683436563811772030917980576・・・
は、
0.61803398874989484820458683436563811772030917980576・・・
・・・また小数点以下が一致した。
これも証明できる。
x2=x+1、であることから、両辺をxで割って、x=1+1/x、ってことになり、1を移行すると、x−1=1/x、なわけで、これを言語化すると、「x分の1は、xから1引いたものである」となる。
この場合、1.618・・・分の1は、1.618・・・引く1、つまり0.618・・・なのだ。
わかってくれてる?
いやー、不思議だね。
しかしそもそも不思議なのは、最初に戻るけど、一本の直線ABをCって点で分けたとして、その点の位置が無限小数になる、ってことかもしれないよ。
これは逆に言えば、無限小数と無限小数を足し合わせると、整数になる、ってことなんだから。
こんなシンプルな深遠さも、わかってほしいんだよね〜。

おしまい

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整頓中・4

2019年07月25日 18時26分50秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
世の中には奇妙な計算式というのがあって、ルート(√)という平方根の中に√を囲い込んでしまう、ということができる。
「1+√1」の平方根は「√(1+√1)」ってわけ。
√1+√1って横並びの話じゃないよ。
√の軒下に√がおさまってるの。
これを延々と繰り返すこともできる。
√の軒下におさまった1+√1のさらにその軒下に、+√1をおさめる、ってわけ。
言葉で説明すれば、1+√1という平方根の平方根、の平方根を求めよ、となる。
これを永遠に繰り返す。
この解が、なんと1.618・・・という、どこかで聞いたことがある数字になるのだ。
この計算は、実は中学生にもできるものなので、やってみてもいい。
x=全体式とし、両辺を二乗したのち、右辺をxに還元するだけで、「x2=x+1」が導き出せるのだ。
これは、前回に計算してもらったφ(ファイ)の計算式ではないの。
お、キョトンとしてる・・・?
もういっこ、いい?
1+1/1、という分数の分母に、これまた小さな分数を組み込むことができる。
読み上げれば、1足す1分の1足す1分の1・・・となる。
分母の下へ下へと、さらなる分母を組み込んで、積み木細工にしていくわけ。
その連分数を、無限に積み上げてみる。
つまり、1足す1分の1足す1分の1足す1分の1足す1分の1足す1分の1+・・・だ。
この数式も、中学生の数学力で解ける。
x=全体式とすると、右辺の分母はxそのものなので、x=1+1/ xとなる。
両辺にxを掛ければ、「x2=x+1」だ。
x=1.618・・・
またφが現れた。
きみはいったい何者なんだい〜?

つづく

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整頓中・3

2019年07月25日 08時21分30秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
フィボナッチ数列には、ひとつまたぎの二数を掛け合わせると、またいだ数の二乗とひとつ違いになる、という性質もあるよ。
どういうことかというと、つまり、
フィボナッチ数列=1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377、610・・・
の、ひとつまたぎ、例えば3と8を掛けると、24。
ふたつがまたいだ数が5なんで、こいつを二乗すると、25。
ね、ひとつ違いだ。
34とひとつまたぎの89を掛けてみると、3026。
またいだ55を二乗すると、3025。
ひとつ違い。
233×610=142130
370の二乗=142129
ね、不思議だ。
こんな数が、人間の知能によって発明されたんじゃなく、自然界から発掘された、ってことが不思議だ。
これは、人間が生まれるはるか以前から、もともと宇宙に存在してた数の法則なんだ。

さらに話を進めてもいいかな?
黄金比と、黄金の数字「φ(ファイ)」の不思議を話させてもらう。
一本の直線ABがある。
そのABの間に、ABを長短に分かつ点Cがある。
+ーーーーーーーーーーーーーー+ーーーーーーーー+
A C B
ここで、「全体の長さAB」対「分割した長い方のAC」の比は、「長い方のAC」対「短い方のCB」の比に等しいものとする。
AB:AC=AC:CB
この条件を満たすただひとつの比率が1:1.618・・・という黄金比だ。
そして、1.618・・・という数字がφだよ。
この数字を、計算で確認してみる。
全体を分割する「短い方のCB」を1と取り、「長い方のAC」をxとすると、黄金比は(x+1):x=x:1ということだ。
こいつを計算すると、x2=x+1(左辺のx2は、xの二乗)
この式を解くと、x=1:1.618・・・となる。
φ(ファイ)が現れた。
めんどくさいことをさせたけど、ここから信じられないことが次々と起こるんで、どうかこの部分はクリアしておいて。

つづく

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整頓中・2

2019年07月24日 16時51分17秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
ヒマワリの種の分布は、フィボナッチ数列の一例だ。
画像がないんで説明が難しいけど、試みてみる。
ヒマワリの種は、右回りと左回りに配置されてる。
あるヒマワリの個体の、例の敷き詰められたタネの並びをがまん強く数えてみると、右回りが55本、左回りが34本だ。
フィボナッチ数列は、
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377、610・・・
なんで、ちゃんとどんぴしゃにおさまってる。
左回り、右回り、同数になりそうなものなのに、これも不思議な話だ。
さらに、隣り合う種同士の角度を見ると、きちんと137.5度の角度(右回りと左回りの二線の交差)で並んでる。
これが137度でも、138度でも、うまくおさまらない。
この137.5度って角度は、円周360度を黄金分割(1:1.618・・・)した角度で、黄金角という。
要するにヒマワリは、黄金比を知ってて、あの顔面上(花びらをへりにつけた、例の広い円盤面だ)のある一点に一個目を配置したのち、二個目を137.5度の位置に配置する。
さらに三個目は、二個目から137.5度回転した位置。
こうしてぐるぐると137.5度ずつ回した位置に種を配していくと、おなじみの不思議な模様に敷き詰められるってわけなんだった。
黄金角とフィボナッチ数列・・・不思議だね。

さて、フィボナッチ数列が黄金比に収束していく、ってのは、前コラムで説明した。
1、2、3、5、8、13、21・・・の数列上で隣り合う数の比は、数が大きくなるにしたがって、黄金比・1:1.618・・・に近づいていく、ってやつだよ。
これがまた面白くて、
2/1=2(黄金比・1.618・・・よりも大きい)
3/2=1.5(小さくなった)
5/3=1.666(また大きくなった)
8/5=1.6(またまた小さくなった)
13/8=1.625(大きい)
21/13=1.615(小さい)
・・・
こうして数を大きくしていくと、中央に引かれた黄金比の線を「大」「小」「大」「小」・・・と交互にまたぎながら、徐々に誤差を詰めて、黄金比の1.6180339・・・に限りなく近づいてくわけ。
さらに進めてみると、
34/21=1.6190476・・・(0.0010137だけ大)
55/34=1.6176470・・・(0.0003869だけ小)
89/55=1.6181818・・・(0.0001479だけ大)
144/89=1.6179775・・・(0.0000564だけ小)
233/144=1.6180555・・・(0.0000216だけ大)
377/233=1.6180257・・・(0.0000082だけ小)
610/377=1.6180371・・・(0.0000032だけ大)
・・・
ね、どんどん近似値になっていく。
面白いね。

つづく

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整頓中・1

2019年07月24日 16時48分47秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
フィボナッチ数列の話をするけど、今日はかいつまんだ概要だけね。
いずれはくわしく語らせてもらいたい。
なんたって、面白いんだから!
この数列は、次の算数の計算問題から生まれた。
問「ひとつがい(夫婦)のウサギがいます。つがいはひと月で成熟し、ふた月めにもうひとつがいのウサギを生みます。さて、ウサギのつがいは、ひと月ごとにどのような数で増えていくでしょう?」
答「1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・」
で、これがフィボナッチ数列というわけ。
さて、この世の中には、「黄金比」と呼ばれる比率が存在する。
長方形の紙があって、短い辺を45度の角度で折りたたんだとき、はみ出た長方形が、折りたたむ前と同じ形(相似)になるタイプのものがあるよね。(名刺なんかはこの比率)
これが黄金比といって、1:1.618・・・の比率になってる。
人間にいちばん心地いい比率、とされてるよ。
上のものは、人工的に黄金比をつくった例だけど、この比率は、自然界にこそ存在する。
正五角形の五つの頂点を対角でつなぐと、お星さまが描けるよね。
五芒星とか、ペンタグラムとか呼ばれるやつだ。
あれは、いろんな部分の比率が正確な黄金比になってるんだ。
例えば、頂点を結んだ五角形の一辺と、対角に引いた星の一辺は、正確に黄金比だよ。
人間は、この美しい比率を利用して、人工的かつナチュラルな美を構築しようといろいろに試みた。
パルテノン宮殿やピラミッドなんかにはタテヨコの比率にこの数値が使われてるし、ミロのビーナスやダ・ヴィンチの絵画にもこの比率が応用されてるようだ(ただしこれらは、この比率を用いたから美しいのか、美しくつくったらこの比率になったのかは、定かじゃない)。
さて、フィボナッチ数列に戻る。
この数列には、黄金比との不思議な関連が隠されてる。
フィボナッチ数列の進み方は、かしこいひとならもう気づいてると思うけど、隣り合う数字を足すと、すぐ右の数字になる。
もう一度数列を書き出すと、1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・だ。
1+1=2だし、1+2=3だし、2+3=5だし、3+5=8だし、5+8=13だし・・・そうした増え方をしていくわけ。
この隣り合う数字の比率が、なんと黄金比に収束していく、というんだよ、びっくりじゃない。
つまり、1:2よりも2:3のほうが黄金比に近くて、それよりも3:5のほうが、さらに5:8のほうが、さらにさらに8:13のほうが、さらには13:21のほうが・・・より1:1.618・・・に近いんだ。
こうして数字を大きくしていくと、限りなく黄金比に近づくというわけ。
不思議だよね。
愉快なのはこれだけじゃなく、自然界の森羅万象が、実はフィボナッチ数列でできてる、という説もあるよ。
花びらの枚数は、ほとんどが数列中の数字のいずれかだ。
木の枝は、フィボナッチ数列に従って枝分かれしていく。
巻貝の渦は、ピタリ数列の比でらせんを描く。
紙をくるくる巻いて、パラリとほどくと、そのほどけ方の比はフィボナッチ数列だ。
ヒマワリの種の配列も、数列に従ってる。
カリフラワー、サボテン、パイナップル、松ぼっくり・・・どの植物の構造も、みんなフィボナッチ数列。
水面の波紋も台風も銀河系の形も、みんなみんなそう。
たのしいね。
あなたも身近で探してみない?フィボナッチ数列。

つづく

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