
金曜の夜に出かけて日曜の朝に帰って来ると昨日のゲームもずいぶん前のように感じる。
そして、それもなかなか趣きがある。
ゲームの敗戦とリーグとチームの敗北の徒労感と共に。
土曜はホームズスタジアムで神戸戦。
神戸戦というのはどう戦っても、いつも焦れるような接戦になる。そしてこの日もいつも通りの展開になった。
開場は1時間30分前。実質1時間の間にゲーム前のセレモニーを押し込んだようなスタジアム演出には忙しさしか感じない。ビジターへのホスピタリティは良かったと思うんだけれども、正直この演出はこれまで行ったアウエイの中では悪い部類。爆音のVTRを多用してさくさく進行するのはまあいいんだけども、日本平と比べても演出に余裕がまったくないんだ。ゲーム前のウォーミングアップも他スタと比べると短い時間に忙しなく終わった感じだったし、オレ自身は初めてのホムスタで嫌な予感がしていた(スタジアム自体はカシマスタジアムに似た雰囲気があって良いスタジアムなんだけど)。
それでも気がつけばバックスタンドはかなり埋まっていて、やはりそこはホームの力を感じさせる。
そして、内容はともかく残留への強い思いがACL圏内争いを凌駕した。神戸がひとり少なくなったとはいえ、退場が後半30分という時間帯では突く穴が開くより前に、神戸の集中力が増してしまうのは仕方がない。それを考えれば辛抱強く攻め続けていたようにも見えるが、とにかく、最後の岩下のシュートが一樹の頭に当たってなければね。
健太が構築し選手層を厚くしたチームというのは、誰が何と言おうと間違いなくリーグでもトップクラスのACL仕様で、そのACL仕様のチームがACL出場を逃し続けたら、その敗北は受け入れなければならない。
リーグ上位安定というある程度の実績を積み、関係者からそれなりのリスペクトと評価を得てきた健太がそれでも監督を辞め、何人かのプレーヤーが心ならぬチームからの離脱を余儀なくされるのはそういうことである。
これは、誰ならクビにしても良くて誰はクビにしては良くないという話ではない。アウスタでもそんな声を聴くことがあるが、それは本当に甘い。オレが健太を支持し応援し続けたのも、ただでさえ豊かで、自己完結しがちな、そういう静岡とエスパルスの甘いメンタリティを破壊してくれたからである。
だから結果的に健太とそのチームの失敗が明らかになったとき、敗北は受け入れなければならない。
もちろん彼らの残した素晴らしい進化と航跡はチームを見続けた人間の心には残る。残念なのはタイトル奪取やACL出場でそれを知らない人間に伝えることができなかったことだけだ。
我武者羅さをラフプレーで表現したこの日の神戸が決して素晴らしいチームだったとは思えないし(それでも勝ったのは素晴らしい)、西村雄一はワールドカップで笛を吹いたとはとても思えない、相変わらず最低のレフリーだったが、負けは負けである。
物凄く悲しいけれども、敗北は受け入れなければならない。
だからすべてが終わり、何もなくなった12月4日のガンバとのリーグ最終節はこれまでの6年間を総括するようなゲームにして欲しい。そして残った天皇杯と共に自分たちのためだけに戦って欲しいと願う。
この一週間で出せるリリースはすべて出して欲しい。
何かが終わり、何かが始まることをこの一週間でリリースして欲しいね。
神戸から大阪へ移動して心なしか重くなった荷物を背負いながら土曜の夜で混雑した梅田を2時間ぐらい歩く。バスの時間まで呑もうと思ったんだが、結局駅ビルの中で軽く呑んだだけで、あんまり酔えなかった。
これ以上酔っ払うと絶対に泣くと思った。
この後、起こったことと併せてたぶん一生忘れない。
また大阪行きたいし、神戸には必ず残留して欲しいと思うよ。
今度は荷物を軽くして関西に行くよ。

ちなみに夜行の高速バスの件。要するに二階建ての場合、狭い臭い天井が低いのは仕方がないのだけれども足の伸ばせない一列目でなければまず無問題。読み書きは無理があるが、昼便の客と比べたら乗客全員が寝るしかないのはわかっているので車内もあっという間に静かになる。これまで静岡便以外はバスは避けてたけど、これで金欠時の関西遠征のアクセスも開拓できたなァ…金策できれば新幹線か飛行機がいいんだけど、まあ、長距離バスもやっぱし趣きありますよ。