マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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椿温泉から串本橋杭岩へ

2014年12月13日 08時41分34秒 | もっと遠くへ
二泊三日の別荘地滞在。

何をするわけでもない避暑地であるが、何もしなければ退屈な時間を過ごすだけだ。

「暇やしどこかへ行こう」と云いだした家人たち。

声をあげた観光地は二つ。

別荘地対岸に見える椿温泉だ。

肉眼でも奇麗に見える避暑地の白いホテルがある。

白浜からはそれほど遠くない。

国道42号線を道なりに行けば着く。

もう一つあげた地は橋杭岩。

息子が小さいころに十津川から新宮・勝浦・串本・白浜コースを目指したことがある。

橋杭岩は干あがって海面に住んでいる磯の生き物が蠢いていた。

もう一度見たくなったと云うのである。

椿温泉は近いが、橋杭岩は遠い。

しかも延々と海沿いの国道を走る。

峠越えもあって緩いカーブが続く道。

距離はどれぐらいあるのか、カーナビゲーションに設定してルートデモをしてみた。

それを見ているだけで酔ってしまいそうになる。

とにもかくも出かけることになった紀州の沿岸観光。

デモを拝見してみれば椿温泉には足湯があることを知った。

それは良いと揃って口にだす。



椿温泉には道の駅がある。

駐車場はそれほど広くない。



道の駅前には温泉スタンドがある。

50リットルで100円だが、容器の持ち合わせはしていない。



足湯の看板は国道から見えるように立ててある。



そこには数人の人たちが足湯に浸かっていた。



なんでも椿温泉で病いが治ったという人が平成19年に建てたというありがたい施設はいつでも入湯することができるわけではなく、時間帯は決まっている。

奉仕する人たちが毎日清掃されている時間帯はお休みなのだ。

湯温は高くない。

ゆったり1時間も浸かっているという婦人もおられた。



二組のご夫婦も寛いでおられた足湯はぬるぬるしている。

一組は大阪市内、住之江区の安立町からだ。

安立と書いて「あんりゅう」と読む地は紀州街道。

住吉大社のお渡りは紀州の殿さん。

御輿を担いで大和川を渡った。

大阪と紀州が奇しくも繋がった。

安立は生まれ育った地元だけに話しが弾む。

足湯の傍には真新しい薬師堂がある。

ほってりとしたお薬師さんに集う講があるようで、薬師真言を唱えるのか、ご真言の文字も見えた。

浸かっていた婦人の話しによれば、足湯を建てられたときに朽ちていたお堂も建て替えたと云う。

もう一組のご夫婦はすさみ町出身。

串本橋杭岩までは椿温泉からおよそ一時間と話す。

それなら行ってみるかと思うが、道中に食事処がないかも知れない。

道の駅に入ってみた。

格安な日帰り温泉もある。

ご近所の方だと思われる人らが次々と入湯される。

施設内にはこじんまりとしたレストランもある。

厨房も含めて喫茶店のような造り。



そこに貼ってあった「マグロ丼」は勝浦魚港であがったマグロをヅケ(漬け)にした丼。

汁椀に冷やっこ豆腐、ジャコを入れたダイコンなますに漬けものもある。

これで850円だ。

食べた家人は皆、美味いと云ってあっという間に完食した。

厨房におられたご夫婦が作った料理は美味すぎる。

なますと漬けものも自家製の手料理。

勝浦マグロは知り合いの人が運んでくれる卸したての新鮮マグロ。

美味いはずだ。

私が注文したのはらーめん。

前日に食べたセットものでは多かったので、らーめん一品にした。



それはイノブタらーめん。

ぶーたん王国ことすさみ町の獣医のお勧めで、わざわざ買いに行っていると話す店主。

あっさり系のしょうゆ味の出汁は透き通っている。

細麺が出汁に絡んでするする入る。

イノブタも美味しい。

片身のにぬき卵も盛ったイノブタらーめんは650円。

なんでもGW期間の三日間はとんでもなく忙しかったと話すレストラン山本。

お勧めの店に挙げたい。

お腹は満腹、店主も料理もほっこり味わった椿温泉を再出発。

一路、串本に向かう。

国道42号線はひっきりなしに大型ダンプが往来する。

ときには何台も数珠つなぎで遭遇する。

南紀田辺から東へ延伸する高速道路は平成27年10月に開催される和歌山国体に間に合わせたい国家事業。

トンネルも多い高速道路の突貫工事はやたらとダンプカーが多い。

計画では新宮までらしいが、今のところの延伸先はすさみ町まで。

出合ったダンプカーはこれより先にはまったく遭遇しない。

道なりにガイドするカーナビゲーションは「ここまで」とアナウンスした駐車場は小さい。

どうやら民宿の駐車場であった。

向かい先にあった看板に「弘法湯」が書かれていた。

ところが、本日はお休み。

午後1時から7時までの「弘法湯」の入湯料は大人400円。

小さな駐車場下にある。

お大師さんを安置する大師堂は閉まっていた。

そこから戻って大型観光バスも停められる駐車場。

道の駅くしもとである。



眼前に立つ奇岩が串本橋杭岩(はしぐいいわ)。

椿温泉からおよそ1時間余りで着いた。

20数年ぶりに拝見した橋杭岩。



カメラ女史がシャッターを押していた。

たまたま撮っていたときに突然現れたので写りこんでしまった。



時間帯は干潮なのか、近くまで寄ることができる。

ピーカン照りの青空下にニョキッと立つ奇岩に見惚れる。



打ち寄せる波が足元を濡らす。



その昔の大昔、地中の割れ目からマグマが湧きあがって固まった。

場所ごと地表に押し出されて風雨に周囲の岩が崩れてむき出しになったと云う説明が書かれてあった。



こんもりした砂浜は円形。

白い雲でもあればと思うがそうはいかない奇岩の景観。

潮が引いていたので寄ってみた。



白い花が咲いていた。

なんとなくシシウドのように思えたが・・・。

季節は違う。

おそらくハナウドであろう。

ひき潮であれば海に住む貝やヤドカリ・小魚が目の前で見られる。



たっぷり堪能した橋杭岩でおふくろが買っためはり寿司に金山寺味噌。



とれとれ市場にも金山寺味噌は売っているが、味は薄い。

我が家の口には合わないが、これがなんとも美味いのである。

売っていたお店は道の駅の「くしもと橋杭岩」。

ここではたくさんの種類のセッコクがあった。



値段は一ポットで900円。

手ごろな値段であるが、世話はできないと思って断念した。

復路の距離を考えてガソリンスタンドを探す。

白浜から串本までのガソリンスタンドはそれほど多くない。

この日のレギュラーガソリンは1リットル166円が最も多い。

場合によっては167円の処もあれば、163円のスタンドもあるが、ほとんどが現金扱い。

串本の浜口石油は163円で最も格安、しかもクレジットカードで支払えるが、奈良県よりも10円も高値。

これも地域格差なのであろうか。

満タンにして計測すれば、1リットルで14km。

まあまあ伸びているようだ。

復路の道すがら。国道42号線に魚港があった。



「本州最南端串本 しょらさん鰹 ケンケン漁」と表示してあった施設の看板。

串本町田並の魚港である。

田並の看板には「ケンケン漁の発祥の地」と書いてあった。



長いマストのようにそそり立つ竿が特徴の漁船は港に停留し、静かに休んでいる。

ちなみにすさみ漁港の施設の看板には「すさみケンケン鰹」とあるが、そこには「発祥」の文字ではなく、「認定証」であった。

串本町田並より西に走れば和深(わぶか)の集落。



それによりさらに西に向かえば朱色に塗った鳥居が見える。

往路の道中で気になった鳥居の存在。

海の民俗は少しでも知りたくて立ち寄った。



神社は恵比寿大明神とあった。

恵比寿神を祀って大漁を願う漁師の思い。

海の安全を祈るかのように山裾に建てられたのであろう。

紀州和歌山には恵比寿神を祀る神社が数多くあるようだが、和深のような鎮座地は少ないのではないだろうか。



和深の恵比寿大明神辺りに植生していたハマユウガオの花。

南国の花は惜しくも虫に喰われていた。

見た目もふくよかなハマユウガオの味は虫の声を待つしかない。



辺りには浜風に吹かれるチガヤが咲いていた。

そのチガヤに囲まれるように咲いていた黄色い花。

舞台は鮮やかに見えたのである。

黄色い花は同定できなかったが、ミヤコワスレかも知れない。

さらに西進する国道42号線。



朽ちていた「恋人岬婦夫波観潮」の看板が目に入った。

展望台は危険な状態なのであろうか、閉ざされていた。



その辺りから見下ろす波打ち際。



押し寄せる波の姿は右手から。

しばらく見惚れていたら、島手前からは左手からも波が打ち寄せた。



浜に打ち寄せる白波は網目状になる場合もある。

これって、もしかとすればフォトサークルDAN選抜写真展か、光匠会写真展で拝見した場所ではないだろうかと思った。

場所は見老津(みろづ)だ。

手前の岩にも大波・小波が左右から打ち寄せる婦夫波(めおとなみ)を観望できる。

自然現象はどういう具合でこのようになるのだろうか。

大波・小波が左右から打ち寄せる自然現象に見惚れて数十分も佇んいた。



向こう側手前にある島は陸ノ黒島。

その右先にある沖合の島は沖ノ黒島の名があるようだ。

南国に咲く赤い花はブーゲンビリア。



出合ったおふくろも喜んでいた。

花に打ち寄せる婦夫波(めおとなみ)が観望できる黒島はすさみ町の見老津。

真っ赤な夕陽が黒島に沈む景観を写真に収める人も多いらしい。

合掌波に合掌する。

それにしても恵比寿大明神といい、ケンケン漁、婦夫波は、カーナビゲーションのまっぷるデータには情報がなかった。

美しい景観は気がつかなかったのだろうか。



さぁて、今晩の食事もとれとれ市場で買出しだ。

串本までの距離は片道で70km。

けっこうな距離である。

戻った時間帯は16時40分。

市場は閑散な状況。

土産物を求めた観光客はほとんどいない。

市場の品々も安値の札が貼ってある。

ときには半額もあるが、だいたいが2割、3割引きであるが、前日買ったサバの味噌漬けは逆に250円になっている。

50円の差額がついていた。

他にもホタルイカが150円アップの350円。

どういうことなのか、である。



ちなみに半額の150円になっていた赤魚は明日の朝食用に買っておいた。

朝は、アブラがのった味噌タレの魚でいただくことにしよう。



太い一本脚のタコは造りにしてもらった。

剥いだ皮は湯びきしてポンズでいただくことにする。

おふくろが食べたかった海外産のマグロも買った。

今晩のおかずは惣菜がメイン。

とれとれ市場にある惣菜屋さんの陳列棚にも半額サービス。

それでは不足ぎみなのでケース売りしていた数種類も買った。

どれもこれも美味そうに見えた惣菜屋さんが提供する焼きそばも買った。

サラダも食べたいというが売り切れだ。

野菜売り場もあるとれとれ市場に並んでいた見慣れないもの。



ヤングコーンと呼ばれる野菜は紀州田辺産で一束が130円。

生でも美味しくいただけるヤングコーンだ。










あれやこれやと買出しして今晩の夜食はテーブルに広がった。

(H26. 5.23 SB932SH撮影)
(H26. 5.23 EOS40D撮影)