マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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柏木町素盞嗚神社のマツリ

2014年03月06日 07時52分12秒 | 大和郡山市へ
当家家の門屋の前、10日ほど前に設えたと云う注連縄は左右両脇に笹竹。

土台は田から土ごと掘り上げたシバである。

かつては佐保川堤にあったシバを掘り起こした。

県土木の指導もあって、今はそうすることができず、採取する地は田んぼに替った。

そんな話をされた大和郡山市柏木町の当家さん。

前夜はヨイミヤだった。

巫女さんが勤めた御湯のあとには氏子参拝者が祓い清めを受けに大勢来たが、この日は当家と神社役員だけになる。

実りの秋はなにかと忙しい農村。

稲刈りに精を出す人も見られるマツリの日だ。

この日はマツリ。

当家のお渡りがある。

市内稗田町に鎮座する賣太神社の宮司を迎えて出発する。



その直前、門屋に立てた注連縄を取り外す。

注連縄を張った竹は2本ともである。

宮司を先頭に竹の御幣を持つ当家、神社役員の行列だ。

後方についた二人の役員は注連縄を付けたままの竹を持つ。

当家を含めて全員は黒の礼服姿でお渡りをする。



当家家から出発して一直線。

旧村集落を通り抜けて氏神さんを祭る素盞嗚神社へ向かう。

距離はおよそ70m。

あっという間に着いた素盞嗚神社は江戸時代までは牛頭神社と呼ばれていたようだ。

それを示す石で作られた扁額が残されているが、記銘は見られない。

拝殿前に建之された狛犬。

それには安政三年(1856)正月吉日の記銘が見られるが創建は判っていない。

一の鳥居、二の鳥居を潜って参進する。

拝殿に座を敷いて始まったマツリの神事。

祓えの祝詞を奏上されて神饌を献じる。



本殿前に並べた御供。稲穂、洗い米、酒、塩、二段重ねの鏡餅、鯛、栗、昆布巻き、スルメ、カマボコ、ユリネ、シイタケ、ハクサイ、レンコン、ニンジン、ダイコン、ナガイモ、カキ、ミカンなどは高杯に盛っている。

末社に春日神社とコミヤさん。

そこの神さんにも神饌を供えた。

マツリの祝詞を奏上する。



厳かな神事を終えてしばらくは拝殿で直会。

柏木町のマツリはこうして静かに時を過ごす。

(H25.10.18 EOS40D撮影)