マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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椎木町杵築神社祇園さんの御湯

2013年10月28日 07時42分39秒 | 大和郡山市へ
祇園さんの祭りを行う神社はほぼ間違いなくかつては牛頭天王を祀る神社であろう。

大和郡山市の椎木(しぎ)町に鎮座する杵築神社もかつては牛頭天王社と呼ばれていた。

江戸時代までのことである。

同市内で祇園さんの祭りを行っているのは小林町の杵築神社、横田町の和爾下神社である。

いずれも7日に祭事されている。

14日に行われているのは新木町の新城神社、丹後庄(たごんしょ)町の八雲神社、池之内町の八幡神社である。

矢田町の八坂神社(東明寺境内社)はかつて14日であったが、近年にはその日に近い日曜日に移った。

また、15日の小南町の小南神社や16日に行われている満願寺町の古田神社もある。

なかでも特徴的なのが里の巫女による御湯神事である。

新城神社、八雲神社は前日の宵宮に。

八幡神社、小南神社、古田神社は当日に、である。

いずれの神社もかつては牛頭天王、或いは素盞嗚命を祀っている。

椎木町では西地区の厳島神社で行われる9月の弁天さんの御湯もあるが、東地区の杵築神社では7月の祇園さんである。

筒井町に住む宮司による神事が始まった。

祭典の場は本殿と拝殿の間の長床である。

祓えの儀、神饌の献饌、豊作祈りの祝詞奏上、玉串奉奠など厳かに行われる。

かつては神饌を本殿前に供えていた。

その間は参籠所で待機する二人の当屋。

「たいらけく かしこみ」申されて神事を終えれば、御湯に移る。

御湯の作法は市内若槻町在住の里の巫女さんが行う。

湯釜は新しい。

プロパンガスで湯を沸かす手伝いさん。

年中行事によって何回か回ってくるという手伝いさんは二人。

お嫁にきて2日目、姑さんがしていたのを拝見して以来だと話す。



いつものように静かな作法に神事らしさを感じる。

本殿前の回廊に座する座中、自治会長らが見守るなか、淡々と進められた。



御湯を終えれば一人ずつ「身体堅固」。

夏病みをしないようにと巫女さんがありがたい御湯で祓ってくださる。

(H25. 7. 7 EOS40D撮影)