マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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相河のお垢離とり

2009年10月04日 06時58分50秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
奈良市都祁相河の村外れに鎮座するヤクシサンがある。

子安の地蔵さんとも呼ばれているヤクシサンには石仏がある。

それは空から降ってきたとされる天の薬師さんと十二の薬師さんだ。

ここへは毎日拝みにくるというご婦人。

三日ほどまえからお垢離とりをしていたそうだ。

葉付きナンテンの枝を持って近くのムカイ川に向かう。

そこで葉をシャッと浸けてヤクシサンに戻ってくる。

葉っぱを一枚ちぎって祭壇に置く。これを三十三回繰り返す。

ムカイ川は上流に行けばマメリ川と名前が替わる。

地域によって呼び名が替わる川だ。

近年に施設ができてからは川の水が汚れてきた。

仕方なくバケツに綺麗な水を汲んで、わざわざ川に持ってきてナンテンのそこに浸けている人が多くなったそうだ。

お垢離とりは一日で済ますのが通例なのだがしんどいからと三日に分けて行っているという。

祭壇前にはそれを終えたナンテンの枝が残されている。

本数がその営みをされた人数分に相当するのであろう。



今日は薬師さんの日で、夕方には村落のご婦人方が手作り弁当を持ってきて、ここ広場で食事会が行われる。

いわゆるお籠もりである。

赤ちゃんができたらその家のものが御供を配る習わしがある相河。

やや子がほしいと願い祈るヤクシサンは「子守」と当て字されて「子安」になったものと考えられるが「籠もり」から名付けられたものであろう。

なお、隣村の小山戸の山口神社でのお垢離とりは竹の串を33本使って数える。

神社から馬場先までの往復だという。

(H21. 9.12 Kiss Digtal N撮影)