マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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染野傘堂祭

2006年06月10日 18時56分44秒 | 葛城市へ
山間からカッコウやホトトギスの鳴き声が響く5月14日、葛城市染野にある珍しい江戸時代初期に建てられた一本柱の傘堂(県指定有形文化財)で「傘堂祭」が行われます。

傘堂は当地の吉弘統家が、大和郡山藩主の本多正勝の没後に君主の菩提を弔うため位牌堂として延宝二年(1674)に建てたものです。

「傘堂祭」は元気な間に参って下の世話にならんよう、楽に往生できるようにと祈願するいわゆる「ぽっくり」信仰です。

民間の土着信仰は宗派に関係なく祈願されるもので参拝者は思い思いに唱えます。

石光寺の住職が法要を行ったあと、参拝者は垂れ幕に隠されたお堂の中に入り、四角い柱の一面に向かい祈ります。

そして柱を背面にして再び祈ります。

四面をぐるりぐるりと回って祈り、これを時計回りに三回繰り返します。

昔は下着を持ち寄って個人で参っていましたが、30年ほど前に石光寺の先代住職が形式を整えられています。

受付で参拝料を納め、ご朱印を押したサラシ布を身体に巻きつけてお参りします。

ご朱印の初回は”離苦生安楽の無病祈願”、2回目に”正念祈願”、3回目”晴朗祈願、4回目”神祇祈願”、最後に”廣済衆厄離”と、5年間続けられると満願成就するといわれています。

(H18.5.14 Kiss Digtal N撮影)