本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ヒックとドラゴン

2012-05-05 09:01:37 | Weblog
■本
42 リッスン・ファースト!/スティーブン・D・ラパポート、 電通ソーシャルメディアラボ
43 厄年の街 寝言サイズの断末魔Ⅲ/松尾 スズキ

42 副題に「ソーシャルリスニングの教科書」とありますが、その通りの内容で、ソーシャルメディア上の書き込みやリアルでの生活者の口コミを丁寧に傾聴して、そこからどのようにビジネス上のアクションにつなげていくか、また、そのようなリスニングからアクションにつなげる仕組みを企業内にどのように作っていくか、ということについて書かれた本です。教科書だけあって、この分野を学ぶにあたって現時点で必要なことが網羅されているような気がしますが、その分各トピックスの掘り下げが浅い気がして、読みにくくかつあまり読んでいて面白くはないです。国外の事例ばかりということや、最初にエッセンスだけ触れて、その後各事例を掘り下げる構成にもかかわらず、各事例も結局はエッセンスのチラ見せに留まっていて具体的なイメージを持つに至らない点が、物足りなさの原因だと思います。終盤の「リスニングの新境地」という章は、妄想のレベルの議論もあるものの、今後の展開が垣間見れて面白かったです。

43 松尾スズキさんの日記的エッセイ。今から6、7年前の松尾さんが後厄の時期の出来事が書かれています。映画監督、二人芝居、テレビの企画や主催する劇団の定期公演など、仕事面の怒涛の忙しさだけでなく、プライベート面でもおかあさんが詐欺にあって高い布団を3組も買わされたり、奥さまが入院されたりとか、ハプニング満載の生活です。あまりにハードな内容なので面白い語り口にもかかわらず、生きていくってやっぱり大変だなあ、と読んでいて少しつらくなってきました。これらの難関に愚痴をこぼしつつ、なんとかやりくりされている松尾さんのバイタリティに感心するばかりです。


■CD
28 Good the Bad & The Queen/the Bad & the Queen The Good
29 Forever in Love: the Best of Kenny G/Kenny G
30 Everything Must Go/Manic Street Preachers

28 先週買った「Rocket Juice & the Moon」より前に、デーモン・アルバーンが組んでいたユニット。「Rocket Juice & the Moon」でも組んでいるトニー・アレンというアフロ・ビート系のドラマーに加え元クラッシュや元ヴァーヴのメンバーも参加しているとのことです。「Rocket Juice & the Moon」よりも、デーモン・アルバーンの色が強く出ていて、個人的にはこちらの方が好きです。ブラーの最新作やゴリラズの作品とテイスト的には近く、そこにエスニックな要素がアクセントとしてさりげなく入っていると言う感じです。しっとりとした感じの曲が多く、地味な印象ですが、よい作品です。

29 Amazonのバーゲンで安くなっていたので懐かしくて買いました。食事のBGMなんかにいい感じです。ベスト盤なので当たり前ですが、Kenny Gの主だった代表曲が入っています。やはり、「songbird」は名曲だと思います。

30 同じくAmazonのバーゲンで以上に安く(500円以下)で売られていたので買いました。Manic Street Preachersの最高傑作として挙げる人が多い作品だけあって、単なるポップさ以上のスケール感を持った、かなりの気合が入った作品です。突き抜けた感じと成熟のバランスがよく聴いていて気持ちよいです。


■映画
25 ヒックとドラゴン/監督 ディーン・デュボア、クリス・サンダース
26 ザ・タウン/監督 ベン・アフレック
27 サブウェイ123 激突/監督 トニー・スコット
28 しあわせの隠れ場所/監督 ジョン・リー・ハンコック
29 GANTZ PERFECT ANSWER/監督 佐藤信介
30 ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記/監督 ジョン・タートルトーブ
 

25 原作がベストセラーの児童文学だけあって、世界観がしっかりしていて、教訓めいているけど説教臭くなく、わかりやすくワクワクするような内容にもかかわらず、平板すぎず甘すぎず、ユーモアと残酷さのバランスもとれた、とてもよい作品だと思います。この原作の持つ良さ損なうことなく見事にCGで再現した監督以下、スタッフの力量も素晴らしい。ドラゴンに乗って空を飛ぶシーンの爽快さはCG映画ならではです。うちの子供も大喜びして観ていましたが、大人から子どもまでみんなで楽しめる作品だと思います。ハリウッドの底力を感じます。

26 結構評判がよかった記憶があり、また、「グッド・ウィル・ハンティング」の脚本がよかったベン・アフレックの脚本、監督作品なので観ました。世襲的に強盗が行われるボストンのダウンタウンをテーマにした、結構悲惨な内容にもかかわらず、絶妙のバランスでエンターテインメントとして成立している力量は素晴らしいと思いますが、逆に社会派映画として観る人とっては、軽く感じられるかも知れません。個人的には、サスペンス的要素が入った強盗シーンや主人公が簡単に死なず、再生の希望を残して終わるエンディングは好きです。

27 監督、脚本、俳優とも手堅く観て損はない映画です。ジョン・トラボルタは悪役がすっかり板についてきました。デンゼル・ワシントンもモーガン・フリーマンが演じそうな少し影のある知的でユーモラスな初老の役を見事に演じています。終盤に名優二人の対決がもっとあると期待していたので、結末があっけなく若干拍子抜けしましたが、そこに至る過程は見ごたえ十分です。予断ですが、この映画をきっかけに、監督のトニー・スコットがリドリー・スコット監督の弟だということを始めて知りました。

28 こちらも手堅い映画です。実在するアメフト選手の話が元になっているということですが、びっくりするくらいの美談です。アメリカって国はろくでもない点が多いですが、たまに凄まじいまでの善意が溢れ出すところが凄いです。サンドラ・ブロックは、主人公を献身的にサポートする勝気な女性を多少過剰にかつ魅力的に演じていますが(それでもオスカー主演女優賞に値するとは思いませんが)、彼女を支える夫や子どもたちもいい味を出しています。出番は少ないですが、家庭教師役のキャシー・ベイツの存在感も抜群。素晴らしい実話を加工しすぎることなく、わかりやすく映画化した点が勝因だと思います。観て元気が出る作品です。

29 まず、結末の後味がよくないです。これが、「PERFECT ANSWER」とはちょっと思えません。映画版「デスノート」の結末とちょっとかぶりますが、あちらほど、プロットの切れ味がよくないですし。GANTZが主人公の恋人をターゲットにした必然性も(説明があったのでしょうが)説得力がありません。前作でも感じましたが、松山ケンイチさんが脇に回ろうとしているのか、演技に精彩を欠いている感じがするのも残念です。ストーリー自体は面白いので、ちょっと詰め込みすぎた感じがもったいないです。もっといろんな要素を削ぎ落として、シンプルにしていたらよかった気がします。

30 火、水、岩石、隠し扉などテーマパークのアトラクションになりそうなお約束満載のアクション・ムービーです。世界を股にかけて、少しずつヒントを見つけながら謎を解明していく過程がスケール感があって楽しく、かけられた制作費に見合った満足感が得られます。大統領を誘拐するくだりは若干出来すぎな気がしますが。後半にかけて、お約束の火、水、岩石、隠し扉などの危機に見舞われながら、謎が明らかにされる過程は圧巻です。ニコラス・ケイジは全然知的に見えないのはご愛嬌でしょうが、悪役のエド・ハリスの巧みな演技で映画としては引き締まっています。ダイアン・クルーガーのコミカルな演技もチャーミングですし。いい意味でも悪い意味でも期待を裏切らない無難なハリウッド大作です。
コメント
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