本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

her/世界でひとつの彼女

2014-07-20 10:46:25 | Weblog
■本
67 知識創造企業/野中 郁次郎、竹内 弘高
68 「好き嫌い」と経営/楠木 建

67 「知識」を活かした経営を語るさまざまな本で引用されている「暗黙値」という言葉を一躍有名にした本です。さすが元ネタだけあってこれらの概念を非常に丁寧に解説してくれます。四つの知識変換モードとして語られる「共同化」、「表出化」、「連結化」、「内面化」など、筆者の理論を支えるために細かく分解された概念については、正直十分に腹落ちして理解できていませんが、ホンダやパナソニックと言った日本の代表的な企業の知識創造プロセスのケーススタディーが非常に詳しくかつ読みやすくまとめられていて、それだけでも一読の価値があります。日本企業について客観的にその強みと弱みを分析されている視点が、情緒的な楽観論や悲観論に流されないためにも参考になります。

68 「ストーリーとしての経営戦略」の楠木健さんが、彼が尊敬する経営者に個人的な「好き嫌い」についてインタビューした本です。客観が重視されがちなビジネスの世界で、経営の本質である「違い」を生み出す要因として、主観的な「好き嫌い」に着目した視点がまずユニークです。また、インタビューされている経営者の方々が、さすが成功されているだけあってみなさんその視点が個性的で単純に読み物としてもおもしろいです。結果的に経営者の姿勢やスタンスの正解は一つではない、ということがわかり、自分の個性を自分が好きで頑張れる分野にいかに活かして行くかが大切である、ということを再認識できて元気が出てきます。成長が止まり成熟化が進む日本で「働く」ということを考える上でも有益な本だと思います。


■CD
34 Rocks/Aerosmith

 エアロスミスの最高傑作という評判の高い作品なので聴きました。ヘヴィ・ロックの代表作という評価も多いですが、個人的には非常に軽快な作品という印象を持ちました。文句なしの傑作なのに、そういった名盤にありがちな重みと言うか権威のようなものを感じさせない、敷居が低く誰でも気軽に楽しめるリスナーに優しい作品だと思います。聴いていて楽しくなり、楽器を手にとりたくさせる魅力に富んでいます。


■映画
47 藁の楯/監督 三池崇史
48 her/世界でひとつの彼女/監督 スパイク・ジョーンズ

47 職業倫理について描かれた作品だと思いました。賛否が分かれているようですが、僕は結構気に入りました。藤原竜也さんの灰汁の強い演技はあまり好きではないのですが、この作品ではそのクドさ、ウザさがうまい具合に作用して作品への感情移入ができました。守る価値のない人間を命を賭して守るべきか、というギリギリの決断を主人公が下す場面の描写の掘り下げが甘かったところが残念ですが、単純な二元論に陥らない深みのある、スケールの大きいエンターテイメント作品だと思います。

48 人間とOSの恋愛という、スパイク・ジョーンズ監督作品らしいぶっ飛んだテーマですが、恋愛関係だけでなく男女間の友情についても考えさせられるハートウオーミングな傑作です。スパイク・ジョーンズ監督作品にしては、ウエルメイド過ぎてハチャメチャな破綻がないという点が唯一の不満です。メインキャストのホワキン・フェニックスとエイミー・アダムスはそれぞれ傷ついた相手を慰め合う美しい友情関係を見事に演じているのですが、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の「マスター」のイメージが強すぎて、二人が並んでいると純粋な友情関係なのに何かたくらんでいるような気がしてしまうのが不思議です。音楽もすばらしく、Breeders(学生時代によく聴いていました)やArcade Fireの楽曲が効果的に使われています。脚本、ディレクション、演技、音楽、全てにおいて優れた作品ですが、一番印象的なのは、声だけでも十分にエロティックなスカーレット・ヨハンソンのOSの演技(?)です。こういうチャレンジングな役を引き受けるところに彼女の女優としての優れた嗅覚を感じます。
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