本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

仮説思考

2010-03-22 06:27:46 | Weblog
■本
22 仮説思考/内田 和成
23 世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス/宮崎隆司

22 同じ筆者の「論点思考」がすごくよい本だったので、続けて読みました。「仮説を立てて、検討範囲を絞り、仕事の質とスピードを高めよう」というのが本書の趣旨です。私も
「徹底的に調べてから答えを出すことを望み、結果的に意思決定が遅れて意味がなくなっている」という会社で長く働いていて、歯がゆく思っていたので、筆者の主張には非常に共感が持てました。「意思決定をしないこともリスクである」ということに、日本の企業はもっと真剣に考える必要があると思います。仮説思考とはいかに早く失敗して、行動を改めるか、とも言えると思います。仮説の精度をいかに上げるかについては、若干理解しにくい部分がありましたが、ともかく、多くの仮説を立ててそれを検証する訓練を多く積むことが必要である、と理解しました。

23 イタリア人監督が日本代表試合を分析し、戦術ミスを指摘する、というテーマの本です。図解を用いて、具体的にかつわかりやすく解説してくれているので、サッカーは観戦するのみで、実際にプレイした経験のない私でもとてもよく理解できました。「決定力不足」が課題とよく言われる日本代表ですが、堅守を誇りとするイタリア人らしく、攻撃面よりも守備面での問題点の指摘が多いところが興味深いです。要約すると日本代表の問題点は、メリハリ(常に全力)と連動性(状況に応じた役割分担ができていない)のなさによる守備の非効率さと、そのために過度に体力が奪われることによって攻撃力が低下する、という負のスパイラルに陥っている点にあります。特に、闘莉王選手が日本代表にとって、諸刃の剣であることがよく理解できます。個人的にはアジアでは通用しても、世界レベルでは弱点としかなり得ないのではないかという思いが膨らみました。もちろん、彼の情熱などプレイ以外での貢献があることは認めますが、その貢献以上のマイナス面があるような気がします。そういう意味では、センターバックの他の選手の可能性をこれまでのプレマッチでほとんど試せていない点がとても気になります。


■CD
8 Plastic Beach/Gorillaz
9 Only by the Night/Kings of Leon

8 前2作と比較すると、若干おとなしめな印象ですが、聴きこむとぶっとび加減は相変わらずで、クオリティの高さはさすがです。最新鋭の音楽と言えます。当分聴きこみそう。

9 Napsterでずっと聴きこんでいたのですが、サービスが停止するということで、手元に置いておきたくて購入しました。グラミー賞を獲得したことからも明らかなように、クオリティは文句なしで、個人的には昨年(発売は一昨年ですが)のベストの作品です。Gorillazと異なり、最新鋭の音楽という感じではないですが、温故知新というか、過去のロックの名盤を消化して、21世紀風にうまく再構成したという印象の作品です。派手さはないですが、何度聴いても飽きません。


■映画
9 ハート・ロッカー/監督 キャスリン・ビグロー

 継続中の戦争を題材にしているとか、政治的メッセージを排除してクールに描いているところとか、リアリティを追求した映像とか、低予算映画であるとか、女性監督であるとか、褒めるべき点や話題性が十分あることは認めますが、映画作品自体のクオリティとしてはどうなんでしょうか? いや、並以上の作品ではあるとは思いますが、10年後に本作が重要な作品として記憶に残っているかというと、「アバター」や昨年のオスカーの作品賞である「スラムドッグ・ミリオネア」と比べると、おそらくその序列は下になっているような気がします。そういう意味では、監督賞どまりで、作品賞の器のある作品ではなかったような。観て損はない作品ですし、時代の旬の作品であることは間違いないとは思いますが。
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