本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

予想どおりに不合理

2020-02-08 10:03:42 | Weblog
■本
12 予想どおりに不合理/ダン アリエリー
13 教養としてのロック名盤ベスト100/川崎 大助
14 50歳すぎたら「まあ、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」でいこう/弘兼 憲史

12 「行動経済学」という学問を一躍有名にした本です。ずっと読みたいと思っていました。予想以上に面白い本です。まず、仮説を説明するための実験の数々がぶっとんでいます。「性的刺激が意思決定にどんな影響を与えるか」を調べるために、ヌード写真を見ながら質問に答えさせる調査など、その発想の豊かさと実際に実施する行動力にひたすら感心しました。それでいて、そこから証明される説は、「興奮した状態では、冷静時には予想もできないような意思決定をし得る」(なので、感情が自分の意思決定に与える影響を甘く見過ぎない方がよい)という、よりよく生きていくために有益な知見ばかりです。個人的には、私たちが「社会規範」(社交性や共同体を重んじる規範)と「市場規範」(費用対効果を重んじる規範)という2つの規範の中で生きているという指摘(なので、楽しみでやっていた趣味が報酬をもらう仕事となったとたん面白くなくなることがある)が印象に残りました。自分も含む人間の思考の限界や癖を知ることができる、とても有益で素晴らしい本だと思います。

13 個人的にも「ローリング・ストーン」誌が発表した、「500 Greatest Albums of All Time」というリストを参考にして音楽を聴いてきたので読みました。このアメリカ人が選んだリストと、NMEというイギリスの雑誌が発表した「500 Greatest Albums of All Time」のリストの順位を元にポイント化し、その上位100のロックアルバムを解説するというアイデアに感心しました。このリストが名盤の全てではないですが、聴くべきものであるということは間違いありません。日本でも人気の高い「クイーン」がなぜこのリストに入っていないかをコラムで解説するなど(ざっくり言うと、良くも悪くもわかりやすい音楽性が、評論家受けしにくいため)、このリストの欠点について述べられている点も、この本の内容をより知的なものにしています。リストに入っているアルバムを聴きながらこの本を読むと至福の時間でした。

14 引き続き50歳を目前にして、50代の生き方を指南してくれる本を読んでいます。終盤ネタ切れになった点(「万年筆にこだわれ」というアドバイスはあまりに雑だと思いました)や定年後の60歳以上の人をターゲットにしたアドバイスが多かった点が少し物足りませんでしたが、来るべき老後を好きなことをして充実して生活するために、50代から準備していくことの重要性が強調されていて、参考になります。タイトルにある「まあ、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」でいこう、というアドバイスはシンプルながらも、的を射ているので、今後も心に刻んでいきたいと思います。

■CD
5 十/中村一義

 デビュー当初の神がかったかのような天才性こそ薄れたものの、中村一義というアーチストが、やはり安定感抜群の才能を持っていることを証明する堂々とした作品です。人生経験の深みを感じさせる歌詞とドラマチックな展開のメロディが印象に残ります。独自の世界観の完成度の高さにこだわっていた初期とは異なり、外部への広がりを感じさせるスケールの大きさも感じられます。


■映画 
12 臨場 劇場版/監督 橋本 一

 ドラマ版を観ていなかったので、主演内野聖陽さんの大きな演技に最初は面食らいましたが、キャラ設定に慣れると普通に楽しめました。テレビ版は「相棒」と同じ枠で放送されていたというのも納得の、ある種のお約束に満ちた刑事ドラマです。検視官が主役だと、霊的な方向に行きがちですが、職務のリアリティを追求していたので個人的には好感を持ちました。ただ、謎解きの過程はご都合主義的なものが多く、ストーリー的には、内野聖陽さんの演技程のインパクトはなかったです。高嶋政伸さんも含めた周囲の大きな演技に惑わされない、松下由樹さんの安定感と、通り魔犯を演じた柄本佑さんの熱演も印象に残りました。
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