本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ラブシティ

2006-12-23 06:55:58 | Weblog
■本
85 ウェブ人間論/梅田 望夫, 平野 啓一郎
86 ほんじょの虫干。/本上 まなみ

85 お二人の意見の対比がはっきり出た対談で興味深く読めました。ただ、なぜか読んでいて少ししんどくなりました。「ウェブ進化論」は間違いなく傑作ですが、あれだけ精緻に「あちら側の世界」を分析した本を一度出してしまうと、あとはどうしてもそのエッセンスの繰り返しになってしまいますね。また、僕は文系の悲観的な人間なので、平野さんの意見の方にどちらかと言えば共感を持ってしまいます。「ウェブ進化論」を読んでいるときには気にならなかった梅田さんの「技術に対するさわやかなオプティミズム」がどうしても少しひっかかってしまいます。ただ、「ウェブ進化論」に書かれているような現在進行中のできごと、または、今後起こり得るできごとに対して、自分がどのようなスタンスを持って接しているのか(接し得るのか)を相対化して考えるにはいい本だと思います。

86 中島らもさんをはじめ、いろんな方が絶賛していたので前から一度読みたいと思っていました。「僕」を一人称に使うところがあるなど、「少し狙いすぎかなあ」と感じる部分もありますが、独特の感性と文体で、この人にしか出せない世界を構築しているのは本当にすごいと思います。ただ、30代後半のおっさんが読むにはちょっと気恥ずかしいですね。読んでいてナンシー関さんの毒が少し欲しくなりました。


■CD
54 Whatever People Say I Am, That's What I'm Not/Arctic Monkeys
55 ラブシティ/曽我部恵一

54 そろそろ今年もラストスパートということで、「CROSS BEAT」の2006年ベストアルバムに選ばれた本作を買いました。メロディもよく勢いのあるいいバンドだと思いますが、これが今年のベストと言われると、本当かなあって気が少しします。「Clap Your Hands Say Yeah」のような個性があまり感じられませんでした。それとも歳をとったのでこういう「初期衝動」系のバンドが少しきつくなっただけでしょうか?もう少し聴きこんでみたいと思います。

55 全2作と比べると、スローな曲やこった作りの曲が多いのですが、愛にあふれるテンションの高さは相変わらずです。それにしても、この人は素敵な歳の取り方をしていますね。メロディだけがよい(といってもそれだけでもすごいことですが)、演奏の下手なバンドの元ヴォーカルで、しかもたいした大ヒット曲もないのに今では音楽界に確かな存在感を築いている感じがします。むしろ、大ヒット曲がなかった方がよかったのかもしれません。ソングライターとしての才能は、元LRの黒沢健一さんの方がはるかに上だった気がするのですが、「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」以降、なにか窮屈な感じがするのに対し、曽我部さんのこののびのびとした活動振りと音楽は本当にすばらしいと思います。このアルバムも後半のめくるめくたたみかける怒涛の展開はすごく好きです。
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