本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

スパイの妻

2022-01-22 08:08:14 | Weblog
■本
7 ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方/橋口 孝司
8 日本人が誤解している東南アジア近現代史/川島 博之

7 タイトル通り、ウイスキーについての教養的な知識が得られる本です。ステイホームで家でハイボールを飲む機会が増えたので読みました。これまで漠然としか理解していなかった、ウイスキーの原料、製造方法、歴史や、お酒全般の基本的な知識(「醸造酒」、「蒸留酒」、「混成種」の違いや、それぞれのお酒の種類など)も知ることができ参考になりました。「好みのウイスキーを見つけるヒント」や「バーで格好良くウイスキーを注文する方法」といった実践的な知識も教えてもらえましたので、今度試して見ようと思います。具体的な銘柄についてまではあまり踏み込まれていませんので、バイヤーズガイド的な本というよりも、知人と楽しくお酒を飲むための話題のネタ帳的な内容だと思います。

8 若干韓国に対して厳しすぎる点が気になりますが、その点のみ注意すれば、中国に対しては比較的ニュートラルな評価ですし、データに基づく分析が多く信頼できるので、東南アジアの近現代史や日本との関わりを手っ取り早く理解するには、とても有用な本だと思います。実際に各地に足を運んでビジネスを行っていらっしゃる立場から書かれているので、第二次世界大戦(筆者の川島さんは「あの戦争」という言葉を用いられていますが)での日本と各国の関わりや、宗教、食生活、華僑の勢力状況など、東南アジアの各国と取引する上で、どういった点を考慮すべきかについて教えてくれるので、とても興味深い内容でした。日本の各国との貿易額だけでなく、各国の貿易額に占める日本の割合を知ることが重要(それがすなわち各国の日本の重要度になるため)など、データの分析方法についても参考になる点が多かったです。ミャンマー人に対する評価がとても高いですが、政情が不安定なので(その政情不安定の理由についてもこの本を読んでずいぶん理解が深まりました)、この本ではあまり取り上げられていませんが、その隣国のラオスに行ってみたくなりました。


■映画
5 スパイの妻/監督 黒沢 清

 戦時下に日本のある国家秘密を知った夫婦が、国家の利益と普遍的な善との間に葛藤しながら、その秘密を国際社会に暴露しようとする姿を描いた作品です。蒼井優さんと高橋一生さんの、演劇的な大きな演技(違和感を感じる人もいらっしゃると思いますが)の見事さを堪能できる作品です。既に多方面で評価されていますが、世間知らずのお嬢様から、使命感に満ちた信念の人へと変貌する蒼井優さんの鬼気迫る演技が圧巻です。サスペンス要素を絶妙に織り交ぜたストーリーと、昭和前半の神戸の街並みを再現した映像も見事です。なにより、真偽が明らかではない題材を用いて、ある種戦前日本を批判するような映画を自由に制作できるだけの表現の自由が、まだ日本に残されていることが確認できた点に安堵しました。某国だとこの種の映画は絶対に公開できないと思います。
コメント
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