本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ニュータイプの時代

2019-07-20 09:35:50 | Weblog
■本
64 BORDER/古川 春秋
65 ニュータイプの時代/山口 周

64 久しぶりに金城一紀さんの本を読みたくて、金城さん原案テレビドラマのノベライズ版を読みました。「死者と会話ができる」刑事が主人公という現実離れした設定ですが、金城さんらしいリアリティのある会話と奥行きのあるキャラクター造形で、違和感なく作品世界に入っていけました。悪役の存在感も大きく、主人公との対決シーンは緊迫感があって、一級のエンターテイメント作品となっています。ドラマ版の方も機会があれば観てみようと思います。

65 「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」で大ブレークした山口さんの新作です。山口さんがこれまで書かれた本の集大成的内容で、「新時代を生き抜く24の思考・行動様式」という副題の通り、山口さんがこれまで主張されてきた内容のエッセンスを「問題を解くより『発見』して提案する」など、20世紀に優秀とされた人々(オールドタイプ)の思考・行動様式から、新時代で必要とされる人材(ニュータイプ)の思考・行動様式への変化の必要性をいろいろな視点から提示してくれます。前例のない出来事が次々と生じる状況下で、論理+直観を駆使して、自分の倫理観に従い、自ら未来を構想して行動していくことの重要性が説かれています。本の内容を理解することと、実際に行動を変えることとの間に大きな溝があるタイプの本ですが、「おわりに」に書かれている「20世紀的な価値観や労働観に縛られない、しなやかで自由な、新しい人生のあり方」を少しでも実践できればと思います。読書などのインプットをどのようにアウトプットしていけばということの参考にもなります。とても良い本だと思います。


■CD
11 Lotta Sea Lice/Courtney Barnett & Kurt Vile

 この何年か繰り返しサブスクリプションサービスで聴いている作品です。CDとして手元に置いておきたくなったので、購入しました。大好きなコートニー・バーネットと、男性シンガーのカート・ヴァイル(この作品まで私は彼のことをよく知らなかったですが)、のコラボレーション作品です。グランジっぽいギター全開のコートニー・バーネットの作品と違って、フォークっぽい佇まいのリラックスした楽曲が続きます。派手な曲はないのですが、疲れたときに聴くと妙に癒されます。何度聴いても飽きない、不思議な味わいに満ちた作品です。お勧め。


■映画 
65 ナミヤ雑貨店の奇蹟/監督 廣木 隆一
66 トイ・ストーリー4/監督 ジョシュ・クーリー

65 近所の住人の悩み相談に答える雑貨店の店主と、その相談主との時空を超えた交流を描く感動作です。「3丁目の夕日」を思わせる高度成長期の活気のある日本のセットや、西田敏行さん出演のヒューマンファンタジーという既視感たっぷりの作品ですが、よくできています。そのウエルメイド過ぎるところが、個人的にはあまり相性がよくありませんでした。どうしても創り手側の「感動させよう」という思惑が見え過ぎて興ざめしてしまいます。素直な心で観れば、シンプルに感動できる作品だと思います。「加賀恭一郎シリーズ」など、東野圭吾さん原作の映画化作品は好きなので、逆に原作小説の方を読んでみたいと思います。

66 予告編で散々煽られていた「予想外の結末」を知りたくて観に行きました。結末自体は納得感のあるものでした。前作「トイ・ストーリー3」が、「少年時代の終わり」をテーマにしたシリーズ最高傑作の素晴らしい内容だったので、続編を創るとなると、特定の子供との密度の濃い関係よりも、こういう、より広い世界で多くのキャラクターと交流する展開になると思います。また、次回以降の作品を創る上での自由度を得たという意味でも戦略的です。ただ、今作は「自立することの苦み」が描かれているので、子どもにはちょっと分かりにくい面があるかもしれません。前作以上に大人向けの作品だと思います。とはいえ、おもちゃのキャラクターは引き続き愛らしく非常に魅力的で、子どもたちの人気も高そうです。ゴミのフォークから作られた新キャラクター、フォーキーのネガティブさや、これまた新キャラクターのダッキーとバニーの邪悪な妄想世界も、個人的にはツボで大笑いしました。キャラクターや小ネタは子ども向け、大きなテーマは大人向けに作られた重層的な作品です。

コメント
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