本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

スーパー・チューズデー

2018-08-11 07:01:55 | Weblog
■本
64 ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル/グロービス経営大学院
65 きみはいい子/中脇 初枝

64 技術者ではないビジネスパーソンにとって最低限必要なITの知識と、どのような視点でそのスキルを身につけるべきかについてをコンパクトに教えてくれるよい本です。特にアルゴリズム、統計学、AIについての本質をついた指摘は非常に参考になります。ITスキルだけではページ数を稼げなかったのか、中盤以降はITをマーケティングや経営戦略立案にどのように活かすか?、や、技術進化の激しい時代に必要なリーダーシップや組織とは何か?、といった話へと変わったのが(それはそれで重要な視点ではありますが)少し残念でした。前半だけでも読んでおくと、最新バズワードに振り回されがちなこの領域で、どのようなスタンスで個別の知識を学ぶかについてのイメージが持てると思います。

65 先々週観た映画がとてもよかったので原作も読みました。映画の方は原作に忠実でありつつ、要素を巧みに絞りこむことで各エピソードの関連性をより明確にしていた、ということがよくわかりました。原作の方は、もっと各エピソードが独立して存在しているものの、テーマが共通しているので、「きみはいい子」というタイトルの持つ意味がより重く心に迫ります。伊坂幸太郎さんを思わせるような軽妙な文体が、重くなりがちな「阻害されている人々」というテーマとのバランスをうまく取っていると思います。説教臭くならず、安易なハッピーエンドとしていない点も好感が持てます。漢字の使用を抑えた文章は読みやすく、子どもにも読ませたい作品です。


■映画 
60 スーパー・チューズデー/監督 ジョージ・クルーニー

 マッカーシズムを描いた「グッドナイト&グッドラック」など、政治的なテーマを好む監督ジョージ・クルーニーの作家性が前面に出た作品です。大統領予備選挙の相手陣営も含めた広報コンサルタントの神経戦がテンポよく描かれています。1人の人間の中に、高邁な理想主義者の面と下劣な自己保身の面が共存するというシニカルな視点が印象的です。主演のライアン・ゴズリングは、野心溢れる中堅コンサルタントをスタイリッシュに演じています。その師匠的役割のフィリップ・シーモア・ホフマンは、人間臭さ全開の圧巻の存在感。俳優ジョージ・クルーニーは、そんな二人を邪魔しないかのように抑制を効かせて大統領候補を演じています。大儀なき数合わせの政治や目先の利益よりも信頼を重んじる価値観など、日本人にも理解しやすい作品だと思います。ただ、登場人物の性欲が旺盛すぎるところがちょっと引きますが。後味はよくないですが、内容を詰込み過ぎず上映時間は適切で、知的な大人の映画としての完成度は高いと思います。
コメント
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