本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

深夜食堂

2018-06-08 07:41:33 | Weblog
■本
46 部長、その恋愛はセクハラです!/牟田和恵
47 広告が憲法を殺す日/本間龍、南部義典

46 タイトルや「上野千鶴子氏推薦!」という帯の印象とは異なり、セクハラ男性を糾弾する内容ではなく、一緒に仕事をするうちに親しくなった若い女性の魅力によろめき、勘違いしがちな男性が陥りやすい危険行動に警鐘を鳴らしてくれる、男性の危機管理のための本です。仕事上の敬意(その大半は女性の立場が相対的に弱いことや仕事上の経験が乏しいことに起因します)と恋愛感情を都合よく取り違える、男の浅はかさを客観的に自覚するためにも読む意味があると思います。結局は自分の気持ちだけでなく、相手の本心をきちんと理解することが大切だということに改めて気づかされます(難しいですけど)。

47 こちらもタイトルは扇情的ですが、憲法改正時の国民投票に与えるメディア(特にテレビ)の影響について、広告代理店出身の方と衆議院議員の政策秘書経験者が真剣に議論された対談本です。テレビの国民に与える影響を過大評価しているような気がしますが、選挙と違って、一度決着がつくと長期間にわたって挽回できない点(そのためになりふり構わず取り組まれやすい)や改正を主導する側の方が準備に時間がかけやすい点(改正には3分の2の議席が必要なのでそもそも数の上で有利ですし、発議のスケジュールなどもコントロールしやすい)など、とかく国会での議論や勢力に関心が集まりがちな憲法改正について、国民投票時の問題点に焦点を当てたという意味で興味深い内容です。テレビCMの枠がどのように取引されているのかについて、大都市だけでなく地方都市の事情も踏まえてわかりやすく解説されている点も参考になります。


■映画 
42 キング・オブ・エジプト/監督 アレックス・プロヤス
43 深夜食堂/監督 松岡 錠司

42 エジプトの神々の身内間のゴタゴタに巻き込まれた人間が、劣勢にたった神と最初は反発しあいながらも次第に協力し合い、暴虐な敵を打ち負かすというお話です。主人公の一人である父を殺された神は、強いのですが傲慢で情緒不安定気味なのであまり共感できません。もう一人の主人公のコソ泥の人間は非力ではありますが、持ち前の度胸と運のよさでご都合主義的に難局を乗り越えていきます。神を擬人化した物語にありがちですが、現世と死後の世界の境界があいまいで、都合よく主要人物が生き返る反面、神が生き返らないという整合性のなさが気になりました。ストーリーはありがちですが、CGを駆使した映像はそれなりに迫力があり、気楽に楽しむにはよい映画だと思います。

43 一時話題になっていて気になっていたので観ました。深夜0時に開店する小さな食堂に集まる、わけありの人々のささやかな交流を描く大人のファンタジーです。小林薫さんが、主人公のマスター役をいい味を出して演じられています。多部未華子さんもこれまで観た作品の中で一番魅力的に感じました。各エピソードとも一見ありがちな感じで始まりつつ、微妙に予想外の方向に転がり、一筋縄ではいかないところが個人的には好きです。複数の独立したエピソードが展開する形式なので、映画にする必要があったのかという思いも少ししましたが、人間が巧みに描かれた素敵な作品です。終盤に登場する田中裕子さんの怪演も必見です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする