股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

お尻のふくらみ大殿筋 2

2007-03-28 23:53:03 | 股関節の基礎
私は施術中患者さんがうつぶせに寝ているときに、患者さんの頭のほうに立って、腰をかがめて患者さんのお尻の盛り上がり方を診ます。
こっそりと。
目的は大殿筋の大きさの左右差をみるためです。

左右に大殿筋の大きさに差がある場合は、小さいほうの脚をかばっているのではないかと考えます。

人間は片足で立っても背筋をまっすぐ伸ばせます。
歩くとき、片足が地面から浮いていてももう一方の足の大殿筋が背筋を伸ばせるので身体は前傾しないのです。

しかし、大殿筋が小さいほうの脚で立ったとき、大殿筋力が弱いと片足で立てなかったり、立てても体が前傾することがあるかもしれません。
この場合、大殿筋が小さいほうの脚の大殿筋力が弱いと考えます。
片足で立つと、その脚の大殿筋力がわかります。
片方の大殿筋がかなり弱いと判断したときは、弱いほうの大殿筋だけを使う運動を指導しています。

皆さん片足立ちをしたときに、どちらの脚で立っても背すじが伸びていますか?
どちらの脚で立っても背筋が伸びている方は、大殿筋力はしっかりしていますよ・・・ってことです。
うつ伏せで脚を挙げる運動を必死に行う必要はないですよってことです。

背筋を伸ばして立つこと、背筋を伸ばして歩くことが大殿筋の筋力強化になるんですね。

大殿筋のように表面にある筋肉は、じっと立っているというよりも、動くときに使われることが多いです。
ですから、大きくて太いのです。
そして、あまりこりにくい筋肉ですね。
実は、大殿筋は股関節痛の原因にはなりにくい筋肉なんですよ。

股関節は大殿筋の奥にあります。
したがって、大殿筋のさらに奥にある筋肉が股関節痛の原因になることが多いんでね。

次回はお尻の深層筋の話です。
また見てね~。

変形性股関節症を怖がらないでね



お尻のふくらみ大殿筋

2007-03-24 17:18:18 | 股関節の基礎
皆さんのお尻のふくらみを大殿筋といいます。
お尻のふくらみは脂肪じゃないの???
ブッブ~。
皮膚の下には確かに脂肪がありますが、お尻のふくらみのほとんどは大殿筋なのです。
この筋肉は人間の中でももっとも大きな筋肉のひとつです。
ということは、非常に重要な役割の筋肉なんですね。
大きい筋肉ということは、使うことが多いということなんですね。

HIP JOINTは、お尻関節でしたよね。
大殿筋は大変複雑にできている股関節を守りながら、様々な動きをするために左右に2つドッカ~ンとあるのです。

大殿筋の役割は背すじをまっすぐ伸ばせるようにすることです。
一般的にはうつぶせに寝て脚を上に挙げると説明されることが多いです。
しかし、人間は足を地面に着けて重力に負けなで動き回る動物です。
ですから、“背すじをまっすぐにする働き”というのがわかりやすいと思います。
まっすぐ立った時、股関節を曲げることなく、横から見たときに脚から背すじまでが一直線になっていれば大殿筋がしっかり働いていることになります。(ここでは腸腰筋が短縮して股関節が伸びない人は除外します)
バレリーナが背すじをぴ~んと伸ばせるのは、強靭な大殿筋のおかげです。

反対に大殿筋の筋力が極端に低下すると、“腰が曲がる”という現象が起きます。
腰が前に曲がると、前に転びやすくなるのでそうならないために人間は無意識に膝を曲げます。
それでも前に倒れそうなら、両手を腰にまわして手を組んでバランスをとろうとします・・・無意識に。
腰を曲げて、膝を曲げて、手を腰で組む・・・皆さんも一度はこんな歩き方をしている人を見たことがあると思います。

皆さんに考えていただきたいことは、うつ伏せになって脚を上に挙げる前に、自分は背すじをまっすぐできるだろうかということです。
ほんの少し意識するだけで背筋が伸びる人は大殿筋はしっかりしてるということです。
私は、背筋がしっかり伸びる人は大殿筋を鍛える必要は無いと考えています。

しかし、お尻の大きさが左右で異なる場合は、ちょっと考えなければならないことがあります。
そ、そ、それは・・・

つづく


変形性股関節症を怖がらないでね








HIP JOINTって?

2007-03-21 16:55:34 | 股関節の基礎
股関節を英語で言うとHIP JOINT。
フランス語で言うと・・・え~と・・・その~・・・わかりません。

HIPといえば日本的には“股(また)”というより“おしり”ですよね。
HIP JOINTとは“尻関節”のことなんですね。
このことは実は重要で、皆さんのお尻にある筋肉群が股関節を守っているのです。

“股関節を守る”とは、人間が足を地面に着く度に、お尻の筋肉群が一斉に収縮して骨や軟骨にかかる地面からの衝撃をほぼゼロにしてくれるのです。
ですから、普通は軟骨にダメージを受けず、軟骨や骨の変形が起きないのです。
マラソン選手が良い例ですね。
足を着くたびに軟骨が減ったら・・・マラソンというスポーツは消滅です。
脚に体重をかける=軟骨が減るのではないのです。

臼蓋形成不全症は股関節の屋根が浅い(不十分な発育状態)ことを言いますが、この病気は子供の頃からずっとあるのです。
筋肉が正常に働いているときは、屋根が浅くても軟骨は減りません。
屋根が浅いことによる長年の筋肉疲労が溜まって来ると、股関節を守ることができずに軟骨への負担が増えるんです(軟骨軟化症)。
屋根が浅い=軟骨が減るのではないのです。
それなら子供の頃から軟骨はなくなるはずです。
筋力が落ちるから股関節を守れなくなるのではなく、筋肉が疲れきっていて筋力が出せないだけなんです。

つまり、筋肉の疲労を取ってあげると、筋肉は正常化して軟骨の磨り減りを止めることができるのです。

『この病気は進行性だから、何もやることがありません・・』
おいおい、それじゃ病院は要らないよ!
病院は診断をくだす場所に成り下がっています。
昔はそうじゃなかったでしょ!
進行性だから仕方ない・・・じゃなく、進行を止める努力をしてください!

ついつい熱くなってしまいました。
もう夏ですね。


皆さん、お尻を大切に!
『お尻が大きくて嫌なのよね・・・』
とんでもない!
お尻の大きさ=筋肉の大きさ=筋力が強い・・・なんですから。

私はお尻のプロです!


変形性股関節症を怖がらないでね




一番嫌いな言葉

2007-03-20 00:51:26 | 診療のこと
一番嫌いな言葉『仕方ない』

『歳だから仕方ない』
『老化現象だから仕方ない』
『進行性だから仕方ない』
『変形してるんだから仕方ない』

大っっっ嫌い。
この言葉の裏には、あきらめがあります。
もしかしたら、無意識的な手抜きかも知れません。

患者さんの問題点に対して何の努力もしないで、一般的な常識にとらわれてしまっています。

私の好きな言葉『常識を疑え』

医療健康関連の世界では10年前の常識が、現在では間違いとなってるケースなんてざらざらざらざらざらです。

『仕方ない』という前に、患者さんの訴えに耳をかして、その問題点の原因を追求する姿勢をみせるのがプロだと思います。
原因として1%でも可能性があれば、その原因に対する治療を考えるべきです。
予防法を考えるべきです。
そう思いませんか?

『仕方ない』という言葉の多い先生は要らない!
『仕方ない』は『治療することはない』だからです。
病院は治療をする場所です。
診断だけを下すだけの場所ではありません。
『仕方ない』・・・なら病院はいらないことになりますよぉ。

皆さんのかかっている先生の判断基準にもなるかもしれませんね。


変形性股関節症を怖がらないでね



本日帰りまっする。

2007-03-19 00:00:15 | 私のこと
昨日は札幌市、函館市から患者さんが来ていただきました。
ありがとうございました。
今日は日曜日だったんですね・・・。
それにしてもやっぱり北海道は広いね・・・実感する。
このところ雪が降ったりやんだり・・・雪を呼ぶ男・・・らしい。

今は北18条駅の近くにいますが、ホテルの最上階から真南を見ると、札幌駅が見えて、その向こうに雪をかぶった山々が見えます。
札幌はすぐ近くに山があっていい環境ですね。
いつかここに店を出すのだ。
だいたいの場所は勝手に決めたのだ。

その前に大阪かな?

実はその前に東京かな?

店長候補募集中で~す。
弟子を育てますが、弟子では終わらせません。
しっかり伝授したら各店長として半独立してもらいたいですね
皆さんの街に行きたいですね。


まだ本腰は入れていませんが、裏では・・・ムフフフフフフフ。

『価値ある差別化』・・・頑張ります。
皆さんも応援・協力してくれなきゃ・・・・イヤッ!

本日、最終便で帰り、明日から銀座でブラブラ・・・できましぇん。
明日もいっぱい予約をいただいています。
明後日なんか祝日とは知らないで予約を入れていました。

暑さ寒さも彼岸まで。
春は近いです!


変形性股関節症を怖がらないでね
FROM SAPPORO





原因を絞り込むことは重要な~のだ!

2007-03-18 00:31:48 | 施術のこと
昨日も旭川市、伊達市、札幌市内から患者さんが来て下さいました。
ありがとうございました。
今日は雪が結構降っていましたが、こちらの方々にとってはへのカッパみたいでした。



私が理学療法士のインターン時代、指導者から『患者さんの問題点の原因は?』としつこく指導されたもんです。
原因は○○だと思います・・・と言ってもだめで、『原因は○○です、その根拠は・・・・』と自分が検査・測定したデータの中に根拠を探さないといけないのです。

この原因の絞込みができると、おのずと治療法が見つかるのです。

この原因を間違うと・・・治療法が間違うのです!

本日の患者さん。
左脚の変形性股関節症。(脚長差あり)
患者さんの努力によって左脚の痛みはほとんどありませんでした。
しかし、歩容を見ると明らかに左脚に体重がかかっていない。
それも、極端に体重がかかっていない。
痛みは右膝と右肩。

右膝と肩の痛みはすぐにとれそうだった。
左のお尻(殿部:でんぶ)の奥に硬さがあったので、それもほぐした。
右殿部の筋疲労が強かったのでしっかりほぐした。
しかし、この患者さんの一番の問題は左脚に体重がかかっていないということだ。
これがこの患者さんの一番の問題で痛みの原因だ。
問題点は膝の痛みでも無く、肩の痛みでもない。
短いほうの左脚をかばうと、必ず長いほうの右膝に負担がいく。
右手に杖をつくので、右肩が痛くなる。

以前はかなりの痛みがあり、怖さと癖があるのだろう・・・左脚に体重がかけられない。
体重をかけてもいいように左殿部はほぐしてある。

結局、この患者さんに指導したのは、左脚への体重負荷訓練だけ。
これができればすべての問題が解決する。
右脚は楽になり膝に負担がかからない。
杖を力強くつく必要も無くなり、肩も楽になる。
やがて左脚に筋力もついてくる。

他に特別な筋力トレーニングなんていらない。

膝が痛いのなら膝を伸ばす訓練、肩が痛いのなら肩の筋力訓練、左脚が細いのなら横上げやもも上げの筋力トレーニング・・・このような考え方はもう古すぎます。


そういえば、昨日も今日も膝が曲がらず正座ができない患者さんがいた。
うつ伏せで膝を曲げると踵とお尻の距離が10cm離れる、ももの表側(大腿四頭筋)を痛がる。

このように書くと、膝を強く曲げて大腿四頭筋をストレッチすればいいと考える・・・しかし、このような方法ももう古い。

うつ伏せで5分間ある筋肉をほぐしたら、あら不思議・・・軽く曲げるだけで踵がお尻に食い込んだ。
これなら正座は楽にできる。

人間の体は不思議だけど理にかなってる。

原因を簡単に突き止められるようになると、この仕事は面白い!
そして毎度毎度の決まり文句

『レントゲンだけでは原因の絞込みはできません!』




変形性股関節症を怖がらないでね
FROM SAPPORO





考えないといけな~いのだ!

2007-03-17 00:12:23 | トレーニングのこと
今日は札幌市内から仲の良い2人組が来てくれました。
股関節症を通しての友達・・・あまり会ったこと無いらしいが、仲がよい。
私も1人とは4回目、もう1人とは2回目の施術なのに、かなり前から知っているような感じ。
一生つき合って行きましょう。

他には函館、帯広、釧路から来ていただいた。
遠くから皆さんありがとうございました。

そのうちの一人の患者さんを施術していた感じた事がありました。

片側の人工関節手術を受けていましたが、両脚の具合が悪く反対側の股関節周辺が痛みを出していた。

両側の殿部を押して筋肉の状態を診てみた。
深層の筋肉群が両側で非常に硬かった。
そのせいで両脚にしびれを感じることもあるとの事。

こんな筋肉の状態(筋肉の病気)なのに、筋力トレーニングをかなりやっていたようです・・・患者さんは悪くありません。
病院の理学療法士に股関節の各運動を1kgのおもりを付けて20回×3セットを朝晩やるように言われていたのです。
一般的には理学療法士も責めるわけにもいきません。

患者さんも指導者側も考えないといけない事があります。

手術を受ける前の患者さんの状態を良く考えないといけません。
この患者さんは痛みが強くて手術を受けています。
手術前に痛みがある時の筋肉は反射的に硬くなってしまいます。
痛みがある期間が長いと、更に硬くなってしまいます。
手術後、この筋肉の硬さは取れる人もいれば、筋肉の硬さが残る人もいるのです。
また、手術を受けた側の脚は、手術前には脚をかばって筋力が落ちているのに,手術後はどんどん体重をかけて行きます。
手術をした側の脚は,手術後疲れるでしょうね?
今まで散々体重をかけないようにしていて,手術後は急にどんどん体重をかけられるんですから・・・。

指導者側は、手術後の患者さんにトレーニングを指導する場合、退院後の「手術側脚への負荷」と言う疲労が重なる事を考えていただきたいと思います。
また,患者さんが手術をする前にどの程度の期間痛みを我慢していたのか・・・患者さんの歴史を良く調べていただきたいと思います。
“手術後の患者さん”と言っても,非常に個人差が激しいのです。

患者さん側も、そう言うことがあるので、病院で受けた指導を忠実に行うだけではなく、自分の体調を良く観察してトレーニングを休む勇気も持っていただきたいと思います。

病院からの指導どうりに順調に回復される方もいます。
しかし、全ての方がそうではないことも覚えておいて下さい。

この患者さん、両ひざの痛みも無くなり、脚が軽くなって帰られました。
筋力トレーニングはしばらく一切やめて、回復のためのいくつかの指導をして終了としました。

次回お会いするときには確実に改善していることでしょう。

「手術は失敗だった。」・・・この言葉は絶対聞きたくないですからね。




変形性股関節症を怖がらないでね
FROM SAPPORO



もう~たまらん!

2007-03-15 01:09:33 | 施術のこと
最近の患者さん。
はじめて来られた時は笑顔が無く暗い感じだった。

『最近落ち込んでましたよね。』
筋肉を押しながら、ストレートに聞いてみた。
『痛みのために、人生真っ暗です。』との、これまたストレートな答え。

腸腰筋、小殿筋、梨状筋をガツンした。

80%施術が終わったところで・・・『じゃ、少し歩いてください。』

この瞬間でした!
患者さんは一言『痛くない!』

速歩きをさせると結構早く歩けた。

患者さんが帰る時、別人のように笑っていた。
全く別人のようだった。

皆さんがこのようになってもらえるとうれしいのですが・・・・。

あの笑顔を見た瞬間が『もう~たまらん!』
この仕事、やめられない!

そんな『も~たまらん!』を求めて、本日のPM6:50のエアードゥで札幌に向かいます。
札幌は寒そうです・・・って言うか、飛行機が飛ぶのでしょうか?
もしも飛ばなかったら行けませんのお許しください。
その時は念願の昼間の銀ブラでもしましょうか・・・ね。
ginzaniinagarahirumanoginburagadekinai MARK.



変形性股関節症を怖がらないでね



『治る』って? 2

2007-03-13 09:56:22 | 診療のこと
私には、30年以上前からの脳腫瘍と40年以上前からの腰の変形があります。
この二つは、解剖学的な正常に戻ることはありません。
これは“治らない”と言えるかも知れません。

しかし、私の中では、症状が出ないことが重要です。
脳腫瘍の症状は意識消失と痙攣です。
腰の症状は腰の痛みです。
これらの症状が出ないようにコントロールすることが重要です。

脳腫瘍なんか、一時は意識消失と痙攣が出たもんで、車の運転をしてはいけない!夜遊びをしてはいけない!ストレスをためてはいけない!なんて言われていました。
今では車は運転するし、ストレスも少しは溜めています。
先生の言いつけを守って、夜遊びだけは一切していません!・・・まじめですから。
腰には疲労(肉体的ストレス)がたまらないように気をつけながら無理をしています。

私の人生は、病気のことでびくびくして制限された人生を生きることよりも、もっとやらなければならないことがたくさんある様に思います。
私は、どんな目的を持って生まれてきたのか・・・。

人間は死ぬために生まれてきて、目的なんて無いんだよ・・・という方もいます。
私は、目的を持って生まれてきたと考えます。
その目的を達成しようとする過程でいろんな苦労ををして、勉強をして、魂のレベルを向上させてからあの世に帰りたいと思っています。
(私はこてこてのクリスチャンの家に生まれました。ママとばあやは“マリア”、じいやなんか“フランシス”なんですから。しかし、私は無宗教です。)

話がそれましたが、私にとって脳腫瘍や腰の変形なんてちっぽけなことなんです。症状を出さないようにだけコントロールしていきたいです。

皆さんも、股関節の異常とは長い付き合いでしょう。
これも解剖学的な正常には戻りません。
この病気についてどのように考えるか、また、人生をどのように生きるのか・・・ということが重要ではないでしょうか?


考え方で人生は変わる!


変形性股関節症を怖がらないでね












『治る』って?

2007-03-12 10:05:49 | 診療のこと
最近良く感じることがあります。

『治る』と言う言葉。

病院の先生が言う『治る』と言うのは、骨の形が正常になると言う意味合いが大きいように思います。
『整体なんてやってもこの病気は治らないよ。』
『治すには手術しかないよ。』
骨が正常と異なるのだから、変形も痛みも・・・全て骨を正常に近い形にすることが治るってことなんだよって言ってるみたいですね。

患者さんの中にもそのように考えている方もいるでしょう。
そのような患者さんは“手術絶対”的な考え方となるでしょうね。

しかし、患者さんの中には『痛みが取れることが、私の考える治ることです。』と考えている方もいます。

『治る』と言う言葉に対する治療者、患者それぞれの立場のそれぞれの方々の捕らえ方にかなりの個人差があるように思います。

このことが、治療者と患者間をギクシャクしてしまう原因になっているのではないでしょうか・・・な~んて筋肉を押しつつ感じることがある、マーク36歳(戌年)の春であった。


変形性股関節症を怖がらないでね



麻美ちゃんのこと

2007-03-10 04:41:54 | 私のこと
麻美ちゃんは東京の西のほうに住んでいます。
小学生の時に脳出血(若い頃の脳出血は血管の奇形などで起きます)を起こして大学病院に入院しました。
その時に担当となった脚が長くてかっこいい理学療法士が私です。

初期の頃は半身がほとんど動かない状態でした。
しかし、さすが若さ、現在では手は正常に動き、足の先に少し異常が残る程度です。
一応私の長年にわたるリハビリの効果もあったかもしれません。


彼女のお父様は医師で、お母様は絵を描いています。
その影響か、彼女は美術大学を卒業して、現在は医師を目指しています。

先日お母様と銀座に出てきて、私に電話をくれました。
『先生、私、銀座で開業するからね!』と言ってくれました。

彼女が退院してから15年以上が経つでしょうか?
長い付き合いです。
銀座で一緒に仕事ができると夢のようですね。
きっと実現できると思っています。

皆さんのために力を貸してよ、麻美ちゃん。


変形性股関節症を怖がらないでね










こんなことも・・・あるんだね~。 2

2007-03-08 10:13:18 | 痛みのこと
本題に入る前に、患者さんから靴に関するの情報をいただきましたので、興味のある方はここを見てください。

こんなこともこともあるんですね~。
最近の患者さん。
手術を受ける前に4回施術を受けられました。
手術前に筋肉の正常化を行うことが目的でした。

痛みは膝関節の外側でした。
病院では股関節からの関連痛だと説明されていました。
膝関節の外側痛と言えば、股関節の外上方に起始があり、膝関節外側下に停止がある大腿筋膜張筋と腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)の痛みだろうと考える。
しかし、2回の施術では変化なし。

施術プログラムを変えて、3回目は膝関節の施術をした。
1回で痛みが取れた。
4回目の施術時に前回の様子を聞いたら、長距離歩いても痛くなかった・・・と喜んでくれた。
うれしかった。

膝を曲げるハムストリングスと言う筋肉がある。
外側ハムストリングスと内側ハムストリングスがあるが、だいたい悪さをするのは内側ハムストリングス(膝関節内側の痛み)。
しかし、普段良い子の外側ハムストリングスも時々悪さをする。

この患者さんの膝関節痛の原因筋は、外側ハムストリングス、正式には大腿二頭筋だった。
股関節が悪いのだが、原因は膝関節にあった。

外側ハムストリングスで思い出す患者さんがいる。
3年ほど前、首と腰の脊髄が圧迫されて、脚が痛く歩けなくなり、車椅子で来られた患者さんがいた。
病院では脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)との診断。
首と腰で神経が圧迫されているから歩けない・・・らしい。
みのもんたが手術をした疾患でおなじみ。

この患者さんの神経の検査をしても神経圧迫の証拠が見つからなかった(おそらくMRIでは圧迫されているように見えるでしょうが)
筋肉の可能性があると説明して、痛い部分を施術したら、痛みが取れて歩けるようになったことがある。
このときの原因筋も大腿二頭筋だった。

皆さんにはあまり知られていませんが、実は私は膝関節専門だったのです。
学生時のインターンでは膝関節について勉強しまくりました。
しかし、気がついたらいつの間にか、股関節の患者さんに取り囲まれていたのです。
ついに、今では股関節専門と名乗っています。
股関節、膝関節なら誰にも負けない自信があります。
しかし、腱鞘炎、足底筋膜炎、腰痛・・・特にぎっくり腰、肩こり、五十肩、内科系の疾患・・・こんな疾患も専門なんですよ。
今はなかなか股関節以外の疾患を診る時間がありませんが。
プチ自慢でした。


変形性股関節症を怖がらないでね







筋力よりも大事かも

2007-03-06 14:48:55 | 施術のこと
人間は骨や軟骨、筋肉、神経、血管、内臓・・などからできています。
あくまでも血管と神経が正常と言う条件下では、筋力よりも関節の動きのほうが重要かもしれません。

関節の動きは軟骨や骨の変形の影響はほとんど受けません。
皆さんの中には骨や軟骨の変形によって関節が動かないと思っている方が多いと思います。

関節の動きを悪くするのは、まず第一に筋肉の痛みです。
ある方向に関節を動かそうとすると痛い、その痛みが怖いから動かさない・・・この状態が長く続くと筋肉は縮み、靭帯は硬くなるでしょう。

通常、関節が硬くなるのは筋肉と靭帯(軟部組織とも言います)と考えるのが一般的です。
ですから関節を硬くしない条件は、痛みが出たらすぐにその痛みを取ることなんです。
これさえできていれば関節は硬くならないはずですし、股関節変形の進行を止めることにも役立ちます。

関節が硬くなると、筋肉は十分使えなくなりますので、筋力トレーニングの効果も少なくなるのです。
また、爪を切ったり、靴下を履いたり、座ったりと言う生活活動も制限され、生活によって行える筋力トレーニングも少なくなってしまいます。

筋力も大事ですが、その筋力を十分発揮できるように関節は硬くしたくないですね。
現在関節が軟らかい方も、いくぶん硬い方も、もうこれ以上関節を硬くしないようにセルフケアーしていただきたいです。
その人の身体の歴史によって個人差がありますが、筋肉をほぐすと結構関節が軟らかくなるんですよね。

ちなみに、関節の動きのことを関節可動域(ROM:アールオーエム:Range of Motion)と言います。





変形性股関節症を怖がらないでね





2人で泣きました・・・

2007-03-02 00:06:36 | 施術のこと
最近の患者さん。
外国の某航空会社のCAさん。古い言葉ではスッチーさん。
CAさんといえば、長時間の激務ですね。

脚の痛みのために勤務ができない状態のようでした。
最初に来られた時に、腸腰筋が痛むようでしたので、腸腰筋にポイントを絞って施術していた。
しかし、フライト時の痛みに変化が・・・なかった。

2月に久しぶりに長時間のフライトがあるので、本人も途中で動けなくなり、勤務に支障が出ることを心配していた。
そのフライト前に施術をした。

お尻の横を押しているとき、『僕が犯人だよ!僕は小殿筋だよ!』と感じた。
小殿筋を集中的に押した。
終わったときに患者さんにも私にもいい感じがあった。
『小殿筋だけで痛みがコントロールできるかもしれませんね。』と伝えて施術を終えた。
もちろん得意のフランス語で。

先日10時間以上のフライトを終えてその患者さんが来た。
顔はいつもより笑っていた。

『先生、痛み無くフライトできたよ!階段もほいほい上れるようになった!』
その瞬間に・・・2人で泣いていた。こっそり。
うれしかった。

まだ油断はできないが、おそらく小殿筋だけでペイン・コントロールはできそうです。

1本の筋肉だけで痛みをコントロールできるケースは多々ある。
原因筋を特定することは難しいが、劇的な変化が出たときの快感はたまらないものです。

その人の人生が変わるのです。


変形性股関節症を怖がらないでね



良い週末を



こんなことも・・・あるんだね~。

2007-03-01 01:08:33 | 痛みのこと
最近の患者さん。
股関節が悪いことは確かだけど、病院では手術するほどでもないと言われたとのこと。

最初に歩いてもらったときに一番気になったのは“偏平足”。

両脚のももから下の外側が痛がる。

初回の施術では、確かに股関節周辺は異常なほど過敏に痛みを感じていた。
なかなか押せなかった。
何回か施術してもその過敏性は改善しなかった。

このようなケースの場合、施術プログラムを考え直す必要がある。

ある日から“扁平足”に対する施術を加えてみた。
この日から症状がかなり改善されてきている。

その患者さんが見つけてきたここで、靴の中敷を作った。
患者さんには私からの注文を書いた紙を持って行ってもらい、店の方に見せてもらった。
そして、靴ができた。
筋肉の過敏性は改善している。
まだ少し症状が残るが、これが股関節からの症状でしょう。
近いうちに痛みの問題は解決しそうです。
こんなこともあるんですねぇ。

変形性股関節症患者さんには、外反母趾や偏平足が多いように思います。
結構、股関節からだけでなく、足の変形からも痛みが出ている方が多いかも知れませんね。

みなさんも、靴や中敷の工夫を真剣に考えても良いかもしれません。
私の足は原始人に近いようで、足の指でじゃんけんができるし、大昔は足の指でテレビのチャンネルを楽に切り替えることができた。
決して自慢しているわけではないが、そんな高機能な足なので、全く扁平足も外反母趾もないが、その患者さんの靴の中敷の感想を聞いていると、ちゃんとした靴を作りたくなった。

靴ってだいじなんですね。

良い勉強になりました。


変形性股関節症を怖がらないでね