股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

炎症を抑えてみる

2019-11-30 17:58:48 | 股関節の基礎

🍓股関節痛が出始めた頃の股関節痛は炎症が原因のことが考えられます。

股関節痛がピークに達するまでの期間です。

この時期には炎症を抑えることも試して良いと考えています。

 

2015年、私はステロイド薬の他に天然の食材で炎症を抑える方法が無いかと調べていて、アガロオリゴ糖の研究を知りました。

寒天を材料にしたアガロオリゴ糖には、炎症を抑える作用があることが分かったのです。

さっそく、研究元のタカラバイオ株式会社に連絡を取りスタッフにお会いして、アガロオリゴ糖に関する研究結果を学びました。

 

まずは、軟骨破壊のメカニズムを学びました。

軟骨は体重をかけた時の摩擦のみで擦り減るのではありません。

軟骨はⅡ型コラーゲンと水分を含むコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸という成分で構成されています。

股関節関節包内に炎症が起こり関節炎になると痛みの原因物質や炎症成分、軟骨成分分解酵素などが過剰に産生され、この物質によって軟骨細胞の数が減ってしまうことがわかりました。

 

 

アガロオリゴ糖には、この関節炎に対する抑制作用があることが分かったのです。

下の3つの図は、培養細胞を用いてアガロオリゴ糖の関節炎抑制作用の仕組み『痛み』『炎症』『軟骨破壊』について調べた結果です。

1、痛み

 PGE2は痛み成分

痛みの成分は約20%減少しました。

 

2、炎症

 KL-1βは炎症成分

炎症成分は約95%減少しました

 

3、軟骨破壊

MMP‐1は軟骨成分分解酵素

軟骨成分分解酵素が約80%減少しました。

 

 

更に、動物実験では関節炎の予防にも効果があることがわかりました。


 

 

また、関節炎モデルマウスにアガロオリゴ糖にグルコサミンを加えることで関節炎抑制効果が強められることがわかりました。





アガロオリゴ糖にグルコサミンが含まれるサプリメントには、関節炎を予防、改善する可能性がありますので、試してみる価値は有ると考えています。

 

 

※本には商品名は書きませんが、かつて私が紹介した商品はこちらです➡シオノギヘルスケア

 

 

 

 

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股関節痛に対する対策  

2019-11-26 13:04:36 | 股関節の基礎

🍓皆さんには個人差が大きいので、股関節痛に対する対策はひとり一人異なることを前提として、誰にも共通する安全な対策について考えてみます。


皆さんの股関節痛に対して行える、誰にも共通する安全な対策は以下になります。


対策1、変形性股関節症の新しい考え方の理解する。

対策2、自分の経過を知る

  私は今どの段階にいるのだろうか?

対策3、筋トレをやめてみる

対策4、筋肉をほぐして脚に体重をかける

対策5、炎症を抑えてみる

対策6、温めてみる

対策7、良肢位を意識してみる

対策8、雑誌やテレビ等の情報を冷静に分析してみる


以上のうち、対策1~4までは繰り返し説明してきましたので、次の記事からは対策5~対策8について説明します。


私達が行っている深圧は対策4に該当します。

歩き方も含めて深圧については後の章で説明します。


 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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重力とバランス反応

2019-11-19 09:54:53 | 股関節の基礎

🍓皆さんには地球上に重力があること、そして、その重力に対して無意識にバランスをとっているという真実を少しでもいいのでご理解いただきたいと思います。

 

皆さんが力を抜いたリラックスした状態で立っているのを想像してみて下さい。

この状態で、脚の筋力を完全に抜いたらどうなると思いますか?

おそらくへなへなと地面に倒れてしまうでしょう。

皆さんは筋力をほとんど使っていないと感じているかもしれませんが、重力のある地球上では普通に立っているだけでも無意識に全身の筋力を使って身体を支えているのです。

 

 

次に、マネキンが立っているのを想像してみて下さい。

マネキンは、ほんの少しの力を加えるだけで、身体が真っすぐのまま倒れてしまいます。

ところが、皆さんが立っていても、ちょっとした外力ではそう簡単に倒れるものではありません。

皆さんの身体は、もっと強い外力でもそう簡単に倒れないようにできているのです。

これは、皆さんの身体には無意識に脳脊髄が働いてバランスを保つというバランス反応が備わっているからです。

皆さんは普通の生活の中で筋力をほとんど使っていないと感じているかもしれませんが、どのような時でもバランス反応によって結構筋力を使ってバランスを保っているのです。

 

 

筋肉を使わないと筋力は低下します。

これは使わないことによる筋力低下で、一般的には廃用性筋力低下(はいようせいきんりょくていか)と呼ばれていますが、これは主に寝たきり状態のことを意味します。

トイレも寝たきり、食事も寝たきり、もちろん、他の時間も寝たきり。

この状態では、重力に対して抵抗していないので使わない筋力低下として筋力は低下します。

『何もしないから筋力が落ちる』とは、このような寝たきり状態を指す言葉です。

 

しかし、トイレまで移動できて、食事も椅子に座って食べることができて、少しでも外に出ることができる場合、どれだけ重力に抵抗して身体を支えどれだけバランス反応を発揮してバランスを保っていることでしょう。

この重力に抵抗して身体を支えバランスを保つことは、皆さんが共に無意識に行っていることですので『筋力を使っている』という意識はないと思いますが結構筋力は使われているのです。

 

意識的に運動することだけが筋力を使うことではありません。

毎日、重力に抵抗して筋肉を多く使って普通の生活をしていることにもっと自信を持ってください!

 

 

 

 

  

 

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筋力低下は当たり前

2019-11-15 09:31:26 | 股関節の基礎

先日和歌山県の熊野に行ってきました。

熊野は『よみがえりの地』です。

新しい人生への出発の地。

人生の区切りや人生に区切りをつけたいときに訪れてはどうでしょう。

いま、何となくですが無意識に自分の変化を感じる時があります。



🍓多くの方の股関節痛は下の様な放物線状の経過を示します。

股関節痛がピークに向かいう時期は、使えないことによる筋力低下が起こります。

筋肉を使いたくても、無意識に脚をかばうので筋肉が使えないのです。

もちろん、この時期には炎症を抑えようとすることは必要ですが、なかなか炎症は抑えきれません。

もともと、炎症とは自己治癒力であり、本来必要な過程だからです。


従って、股関節痛がある時期、特に股関節痛がピークに向かう時期は筋力低下があって当たり前と考えた方が気持ち的には楽になるでしょう。

この時期に、『筋力が落ちてしまう。』という不安に駆られることが非常に多くて非常に危険です。

そういう不安があると、『筋トレしなきゃ。』と自分を追い込もうとして、結果的に股関節痛は悪化するのです。

そして、まるで進行性の様に股関節痛はどんどん悪化します。


 

炎症が強い時期にも温めて、早く炎症がおさまるように血液循環を改善するべきだという考え方もあります。

この考え方は実に理にかなっていると思いますが、炎症がある時期は痛いものです。

炎症を抑えること、炎症を冷やすことは自己治癒力を妨げていることになりますが、現在の私にはまだ「炎症をどんどん温めましょう。」と言える程の経験が不足しています。

今後は炎症を温めるという考え方になっていくように感じているところです。


炎症がピークを過ぎると股関節痛も改善傾向を示し、自然と活動量が増えます。

その時まで失っていた筋力を取り戻す時期です。

そのの為にも、炎症が強い時期から可能な範囲で悪い方の脚に体重をかけることを意識して、最小限の筋力低下にとどめることを考えた方が良いでしょう。


筋力低下の原因は、脚をかばい過ぎることですからね。



 

 

 

 

  

 

 

 

 

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股関節痛と筋力トレーニング

2019-11-13 09:55:12 | 股関節の基礎

 

🍓股関節痛の原因を関節包の炎症と筋・筋膜症候群と考えるなら筋力トレーニング(以下筋トレ)はどちらにも行ってはいけない事になります。

 

一流のプロスポーツ選手は、痛みが出る前の筋肉が張った状態でも筋トレを避けます。

それは、筋肉が張った状態で筋トレを行うとケガをして身体を傷めてしまう可能性があるからです。

ましてや、身体に痛みがある状態で筋トレをすることはありません。

これは、痛みのある部位周辺の筋力トレーニングをするとケガに直結するからです。

 

もともと、股関節に対する多くの筋トレ法には股関節の運動を伴います。

股関節が正常で、股関節を動かす筋肉が正常な時に筋力トレーニングは有効になります。

筋肉につて考えると、筋肉に張りが有ったり、痛みがある時は筋トレは行いません。

つまり、筋肉が疲労している時や、筋肉が病気の時は筋トレは行わないということです。

言い換えると、筋トレは筋肉が正常な時に行う事なのです。


 

この考え方は、筋トレの基本中の基本的な考え方ですが、なぜか病院では変形性股関節症で股関節痛のある方の股関節痛を取ろうとして筋トレが指導されています。


皆さん、筋力低下は股関節痛の原因ではありません。

筋トレは股関節痛が無くなってから行いましょう。

 

 

 

  

 

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筋肉の病気は強い疲労と考える

2019-11-09 13:20:01 | 股関節の基礎

🍓正常な筋肉は使っていると疲労して重くなります。

重くなった筋肉をさらに使い続けると筋・筋膜症候群の様な状態になり痛みを感じ限界を迎えます。

 

握力計を使っての握力検査を例に考えてみましょう。

最初50kgあった握力は握力検査を何回も続けているうちに腕が重くなってきて握力は40kgとか30kgに低下してくるでしょう。

更に続けていると、筋肉に痛みを感じ、ついに握力は0kgになり筋肉の痛みを感じるでしょう。

この握力0kgというのは、筋力が低下したわけではありません。

筋肉の疲労が強すぎて痛みとなり筋力が出せなくなった状態です。

 

筋肉の状態には正常、疲労、病気の3段階があると考えるとわかりやすいと思います。

 

変形性股関節症による股関節痛は、初期の頃から炎症による痛みと炎症の影響を受けた筋肉の病気の痛みの2種類の痛みが混在します。

その割合は、初期には炎症の方が高く、炎症が落ち着いてくると筋肉の割合が大きくなります。

 

皆さんの股関節痛における筋・筋膜症候群による痛みは、筋肉の強い疲労がある状態だと考えると理解しやすいと思います。

 

筋疲労が強い時に筋力トレーニングは行わないと思いますし、その筋肉を温めて休めようとするでしょう。

その時には、疲労が取れることを優先し筋力が低下するということはあまり考えないことでしょう。

 

これが変形性股関節症による股関節痛とうまく付き合う考え方です。

 

 

 

  

 

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筋力低下の原因

2019-11-07 09:17:50 | 股関節の基礎

🍓変形性股関節症は、筋肉がどんどん低下する病気ではありません。

まずはこの真実は理解して頂きたいと思います。

 

皆さんの足が細くなり筋力が出なくなる原因は股関節痛があるからです。

 

股関節痛があれば、十分体重がかけられなくなります。

十分体重がかけられないこと(足をかばうこと)が筋力低下の一番の原因です。

筋力低下には使わない筋力低下使えない筋力低下があるのですが、股関節痛がある時期は使えない筋力低下が主と考えるとわかりやすいと思います。

 

従って、筋力低下の原因が股関節痛ですので、まずは股関節痛を改善させるような治療が必要になります。

股関節痛を改善させるような治療とは、足をかばうことではありません。

足をかばうことは、意識的に使わないことによる筋力低下を起こす行為です。

また、股関節痛を改善させるような治療とは、筋力トレーニングではありません。

筋力低下は股関節痛の原因ではないし、筋力トレーニングで股関節痛は悪化します。

股関節痛を改善させるような治療とは、股関節関節包の炎症を抑える治療、筋・筋膜症候群を改善する治療のことです。

股関節関節包の炎症を抑える治療は、医師にしかできない治療です。

投薬による治療も含まれますが、注射による治療も行えると思います。

手術の前に検討するべき治療だと思います。

整形外科よりも、痛みを専門とするペインクリニック(麻酔科)の先生の方が股関節痛を改善できる可能性は高いのではないかと考えています。

 

股関節痛を可能な限り改善させて、悪い方の脚に体重をかけること。

使えないことによる筋力低下は、使えるように治療すればいいのです。

これが筋力低下を予防し改善できる唯一の方法です。

 

 

 

  

 

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ひざ痛と腰痛

2019-11-06 12:09:56 | 股関節の基礎

🍓静かなる犯人でも触れましたが、筋・筋膜症候群には関連痛があります。

股関節周囲の筋肉が、その筋肉から離れた股関節周囲に痛みを出すことも関連痛のひとつです。

股関節周囲の筋肉がひざ痛や腰痛という形で現れることもあり、それも関連痛のひとつになります。


筋・筋膜症候群による関連痛について見てみましょう。

 

股関節周囲の筋肉の多くは、膝関節の下まで延びている筋肉が多いので、それだけでもひざ痛を起こすことにつながります。

更に、股関節周囲の筋肉からの関連痛として、お尻の横にある小殿筋は膝の外側(すねの外側まで)の痛みになることがあるし、お尻の奥にある梨状筋はももの裏から膝の痛みになることがあるし、鼠径部にある大腿筋膜張筋や腸腰筋はももの前の痛みになることがあります。

 

 

腰痛に関しても同様で、大腰筋はももの付け根から出て腰にくっ付きますので、それだけでも腰痛に関連します。

また、中殿筋の関連痛は腰痛と非常に関連性が高いです。

中殿筋の関連痛を見てみましょう。

 

この表からは、お尻の横にある中殿筋が筋・筋膜症候群になると、お尻の痛みだけでなく腰、腰の横、腰の下(尾てい骨)に関連痛を起こすことがわかります。



さらに、股関節痛の原因である股関節関節包からの関連痛も筋・筋膜症候群による関連痛と同様に股関節以外の場所に関連痛を起こすことがあります。


変形性股関節症になると、股関節以外の場所に痛みが広がることが多いのですが、それには股関節関節包の炎症や筋・筋膜症候群という筋肉の病気による関連痛が深く関係しているのです。

この関連痛が変形性股関節症の症状を複雑化し、治療を困難にしている原因のひとつです。


皆さんの中で、腰痛やひざ痛で悩んでいる方がいましたら、是非股関節周辺の筋肉をほぐしてみて頂きたいと思います。