股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

手術の後遺症

2016-04-18 14:45:50 | 手術のこと
4月に入って福岡での講演会と深圧。
その後広島市内での深圧に出かけてました。






福岡では熊本や大分の方々にお会いしていたので、この度の震災はショックでした。

南阿蘇村の患者さんからは『大丈夫です。不便ですが頑張ります。』とのメールを頂き一安心しました。
被災された方々が平和に暮らせる時が、一刻も早く来ることを祈っています。





私は手術を否定はしない考え方です。

ただし、条件があります。

1、手術までの経過のなかで、骨以外の痛みを感じる組織への診察と治療がなされていること。
2、手術後の患者さんが満足できるレベルまで病院側が責任をもって面倒を見ること。

わかりやすく書くと、手術前も手術後も骨だけを見る診療しか行われないのであれば、基本的に手術は反対です。



手術は人工的なケガです。


思った以上に股関節周囲に大きなダメージが残ります。

そのダメージは、術後徐々に改善してくると考えている先生が多いと思います。
手術による軟部組織のダメージは術後徐々に改善することは事実です。

ところが、必ず残るダメージがあるのです。
このダメージはレントゲンには写りませんので、ダメージを見つけるには触診が必須になります。



術後に、手術によるダメージを誰かが取り除かなければ、必ず数年後に“手術の後遺症”が違和感とか痛みとして現れます。
手術直後は調子よかったけど、術後数年してから違和感や痛みを感じる方がいるのはそういうわけです。


主に筋肉にダメージが残るのですが、このダメージを放置することは股関節の長持ちに悪影響を与えます。

人工股関節が数年でダメになる方がいたり、30年も長持ちする人がいるのは、手術による“後遺症”に個人差があるからです。





広島で、自骨の手術をしてから16年間痛みの無い時はなかった、という方にお会いしました。
手術側に全体重をかけることも難しかったのですが、内転筋の深圧後には座っていたり立っている時の痛みは取れました。
しかし、まだ歩く時に痛みが残ったので、小殿筋を深圧してみたら痛み無く走れるようになりました。


この小殿筋には手術創と一致した部位に硬さがありました。



交通事故によるむち打ち症、スポーツによる捻挫や打撲というケガには必ず後遺症が残ります。

手術は人工的なケガであり、必ず後遺症が残るのです。

この後遺症を改善に導くのは筋トレではありません。






変形性股関節症を怖がらないでね





  ■宝塚市周辺の方は綾部先生にご相談ください!

     ■渋谷区周辺の方は芦沢先生にご相談ください!






6都市構想 松本深圧院グループ


■福岡 松本深圧院福岡 院長中村雄也 
         2016年4月4日グランドオープン!
         九州の皆様、サポーターとしてご協力お願いいたします!


■大阪 松本深圧院大阪 院長山中崇泰 TEL/FAX06-6319-9686
松本深圧院大阪のホームページです!
        2013年4月大阪店を開院しました。
        山中院長の人気急上昇です。
        新しいスタッフを募集中です。


■名古屋 松本深圧院名古屋 院長早川大介 TEL/FAX052-908-2690 
名古屋・早川先生のホームページ


■東京  松本深圧院ルサロン銀座 院長田山陽平 TEL/FAX03-3562-2777
ル・サロン銀座のホームページです!
        新しいスタッフを育成中です。
        次の段階に備えて、もう一部屋借り増ししました。1302号室です。
        また、新しく理学療法士か作業療法士の募集も始めます。


■仙台 
        理学療法士の先生を育成中です。
        その先生の動向に合わせて仙台店の店舗を準備します。


■札幌 随分患者さんが増えています。
        理学療法士、作業療法士募集中です!
        福岡、仙台の見通しがつけば、本格的にスタッフを探し始めます。
        


※深圧に興味のあるプロの方(医師も含みます)は、まずは遊びに来てください。
また、どんどん見学に来てください。
スタッフ一同、お待ちしています





















第2の炎症 2

2013-09-14 04:54:33 | 手術のこと



前回の記事への反応が大きかったで、急遽、第2の炎症2を霧島で書きました。

まず、症例として挙げていたNさんからコメントをいただきました。
ほぐし教室の体制が整ったので各地への出張教室も行いたいという気持ちがあることを知らせてくださいました。
医療のプロが行うのではなく、実際に痛みに苦しんでいて、そこから回復した方のノウハウが詰まった教室になるので、皆さんの参考にもなるのではないかと考えます。

今後、Nさん(高松市在住 女性)と連絡を取り合い、皆さんとの橋渡しができるような形ができたらいいなと漠然と考えています。
必要とされるなら私達もお手伝いできるとおもいます。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら反応してくださるとうれしいです。

手術を受けた後、経過が悪いのにリハビリスタッフから文句を言われながらトレーニングをしていた時、このような考えを知って気が楽になったという方や、これから手術を受けようと思うけど記事を読んで不安なことが出てきた方や、手術直後でタイムリーに参考となったという反応もいただきました。

これから手術を受けられる方の不安は、人工股関節直後の翌日から手術した方に全荷重をかける病院があるけど、大丈夫でしょうかという反応でした。

もちろん、かなり積極的に術後のリハビリをして、負荷が大きすぎる場合は心配です。
しかし、手術後はそんなに強い負荷をかけてはいけないことはどの病院のスタッフも理解しているはずです。

その方が心配していた病院は、比較的術後のリハビリを重要視していない病院ですので、病院の訓練室で行う基本的なリハビリメニューだけにとどめ、病室に帰ってからの自主トレをがんばらなければ問題ないと考えています。
重要なのは手術後2から3か月経ったころから、まずはしっかり筋肉を柔らかくして、筋肉を正常に戻すことです。
第2の炎症が落ち着き、筋肉が正常にもどれば、もう怖いものなしです!


「入院していると、他の患者さんが病室でも頑張っているのでついつい自分も頑張ってしまいます。」
「週末に病室で頑張って、月曜日に担当の先生を驚かしたいんです。」
「私も頑張ろうとして、階段練習をやり過ぎたら、股関節を傷めてしまいました。」
入院中の患者さんを見舞いに行ったとき実際に聞いた言葉です。


「術後、横上げの訓練を頑張り過ぎたら、プツっと音がして足が動かなくなりました。」
これは、施術中に患者さんから聞いた言葉です。


まだ入院中は頑張らないこと、病院のスタッフは頑張らせすぎないことが重要だと思うのです。
そのことが分かっている病院スタッフも増えつつありますが、まだまだ頑張ってしまう先生も多いと思います。
私が大学病院に勤務していたころは、入院期間も長くリハビリプログラムもゆっくりでいい時代だったなと感じています。
患者さんが退院前には、二人で街中に歩きに行って、一緒に電車に乗って隣の駅前でコーヒー飲んで帰って来たりしていました。
その行動を経験しておくと、自宅に帰ってからもスムースに社会復帰できる自信がつくだろうということでの屋外歩行訓練を行う時間が取れていました。
ついでに、帰りの電車までの時間つぶしにコーヒーを飲む訓練?もしましたが、これは必要なかった?


『人工股関節術後、すぐに全荷重をかけても大丈夫です!』という医学的根拠は無いでしょう。
もし存在するとしたら、それは嘘です。
“医学的根拠に基づく医療”と言いますが、医学的根拠に基づいていない面の方が多いですよ。
ですから、病院のリハビリスタッフも多くの経験から判断して強い負荷をかけない範囲で術後リハビリを進めるでしょう。

股関節は他の関節に比べて深部に存在するので炎症が分かりにくい関節です。
人工膝関節の術後の場合、膝関節の熱感が長期続く方がいます。
私が経験したケースでは、最長1年間も熱感が続いた方がいました。
病院のスタッフが熱感を触診できれば、冷やしたり負荷の強いトレーニングを避けるでしょう。
股関節ではその熱感が感じにくいのです。

自骨の手術では、手術後の第2の炎症への注意に加えて、移植した骨への注意が必要です。
移植した骨がしっかりくっつかなければ手術をした意味がありません。
それは、術後のリハビリとかいう問題ではなくなります。
骨がくっつくには手術部のある程度の安静が必要ですね。
骨がくっついてからなら、無理もできますが、骨がくっつくまでは慎重に進めてくださいね。




さまざまな状況の皆さんですが、目標はただ一つ、それは現在の股関節を長持ちさせることです!



『焦らないでぼちぼちと』




私の人生もそうします。
霧島では例によって村山祥子さんのカウンセリングを受けて帰ります。
最近は健康診断の役目もあるんですよ・・・むふふふふふふふふふ。
















第2の炎症

2013-09-07 05:02:41 | 手術のこと
9月1日は銀座で深圧研修会でした。
新しいメンバーも加わり賑やかになりました。
終わった後、初めてのジョーズシャンハイ-ニューヨーク(銀座一丁目)で食事してみました。

なかなかいいお店でしたから、機会があれば今度皆さんで行きましょう!



●お知らせ●
9月13日から九州へ行きます!
まずは、鹿児島。
その後20日~22日まで福岡に行きます。
お陰様で鹿児島は多くの方のご予約をいただきましたが、福岡にまだまだいっぱい空きがございます。
9月20日と21日に空きが多いので、施術をご希望の方はこちらからお問い合わせください。
お待ちしています。






変形性股関節症は股関節に起きる炎症です。
その炎症は徐々に強まりますが、やがてピークを迎えます。

最初の頃、炎症が起きると反射的に筋肉の痛みも並行します。

赤が炎症性の痛み、青は炎症の影響を受けた筋肉性の痛み。

この頃に炎症に対する治療がなされればいかに楽になることか!
だけど、「進行性だから・・・」と言って放置されるんですよね・・・。


炎症がピークに達しようとする頃には、股関節炎による痛み+筋肉の痛みが強くなっていますので、人工関節手術の判断をされる方もいらっしゃいます。





下の図の黄色い線のところで人工関節手術が行われています。




手術が行われると、炎症の起きている関節包を取り去りますので、炎症は無くなります。
しかし、筋肉の硬さは意外と残ります。
これが、人工関節手術後5年くらいすると人工関節周囲に違和感を感じる元凶の一つです。



第2の炎症とは手術による炎症です。
上の図の緑の矢印の赤い点線で示しています。


この第2の炎症は5週~6週間は続きます。
この期間の乗り切り方次第で、人工関節の長持ち期間が決まります。

この期間は無理をせず、炎症を刺激しないのが原則でしょう。
この期間には筋力が低下してもいいのです。
筋力は第2の炎症が治まってからいくらでも取り返せるからです。


ところが、この期間にリハビリを頑張ろうとする方が多いかもしれませんね。
また、第2の炎症が落ち着いた頃には、とっくに退院してまして、これからという時にしっかり見てくれる場所がなかなかすくないですね。





Nさんは、人工関節手術後3年半、痛みに苦しみました。
病院で筋トレをやりなさいといわれるものですから、一所懸命やってました。


この方は、深圧を始めてから改善傾向を示し、今年とうとう痛みがゼロみなりました!





うれしかった。

この方はいろいろな本を読んで、痛みを解決する手段を自宅でも実行していました。

テニスボールを主に使っていました。

今では、痛みやコリに悩む方々と一緒にほぐし教室を開催するくらいになりました。

先日、他の患者さんも紹介しましたが、東京からはかなり遠方ですので、関東の方々には紹介できないのが残念です。


手術をすると表面の傷だけでなく深部にも傷ができ炎症を起こします。
この炎症は5~6週で落ち着きますので、この期間を頑張らないこと。
第2の炎症をうまく乗り切れれば、後は筋肉の硬さを正常に戻してあげればパーフェクト!

筋力が落ちてもいい、傷を治し炎症を収めることが優先。


先日の深圧研修会でも、その話をしました。
独りで悩まないで、気軽にこちらへ相談くださいね。



皆さんの術後が順調になるだけでなく、理論的に股関節が長持ちするように努力を続けます。




股関節の長持ちを“運まかせ”にしてはいけないと思うのです。





‥‥‥ね。







関西の方、お待ちしています!
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北陸方面、東海方面の方、お待ちしています!
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もちろん、銀座でも皆様を待ちしています!
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群馬だけでなく、栃木、長野、新潟、埼玉の方もお待ちしています!
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手術の成功

2012-01-20 05:35:22 | 手術のこと
●東北の皆様、2月24日~仙台に伺います。
場所の確保が難しく、今夜仙台に下見に行ってから皆様にメールを差し上げます。
場所が確保できない場合は、短期になるかも知れません。
よろしくお願い致します。



“手術の成功率○○%”などと聞く事があります。

手術の成功とはどういう意味でしょうか?


どのような判定基準で、誰が判断しているのでしょうか?



先生『手術は成功しています。』
患者『でも痛いんです。』




この場合はどうなるのでしょうか?

医師の判断による成功。
患者の本音による成功。


患者さんの満足度で判断するのが正しいと思うのです。

患者さんが本音を言える環境で、患者さんの満足度を調べたデータがありますので、いつか記事にしようと思います。
(その内容をこの記事に書き込もうとしたんですが、その本が見当たらないのです・・・逃げた?)




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骨髄ドレナージ法  ~続報~

2009-10-25 12:53:04 | 手術のこと
札幌行きの飛行機の中で、医療ジャーナリストが書いたインフルエンザに関する記事を読んだ。
次のことが書かれていました。
●新型インフルは弱毒性で、大部分の方は軽症で回復する。
●死亡者の半数以上、重傷者のほとんどにタミフルやリレンザといった抗ウィルス薬が処方されていた。
●タミフルが重症化や脂肪を減らす根拠はない。死亡者や重傷者を増やす可能性はある。
●タミフルと他の薬(解熱剤など)の併用に危険性があると指摘する声がある。
●ワクチンが輸入されることになると、副作用が心配される。
●ワクチンの効果は、感染の予防、重症化の予防には根拠がない。
●予防にはマスクやうがいよりも、口腔ケア(歯みがき)の方が効果が高い。
(口腔内に繁殖した細菌が出す酵素にて、粘膜が弱くなり感染しやすくなるのを防げる)
お口くちゅくちゅモンダミンも、良いのかもしれないね?

いろいろ、情報を集めることは重要かもしれません。








以前、骨髄ドレナージ法について紹介しました。

近々、私の患者さんで初めて骨髄ドレナージ法の手術を受ける方がいます。

その結果については、後日報告します。

この患者さんは、『私の結果を皆さんに公開して下さい。』と言って下さっていますので、手術後に報告をさせていただきます。
長野県の病院の整形外科ではなく、麻酔科で行うようです。



私は、骨髄ドレナージ法の考え方は、十分理解できますので紹介をさせていただきました。


筋肉だけでは、痛みを十分コントロールできない方に適応があるのではないかと考えています。

簡単な手術法であり、リスクが非常に小さいのです。


ただ、この手術を受けてみないと結果はわからないというのが本音です。


私自身、経験が全くないからです。





下の図で、Aが股関節周辺の骨です。
この骨や軟骨には神経がありません。


Bの図で、斜線部を骨膜と言います。
骨を包んでいる膜です。
骨膜には神経と血管が豊富ですので、骨折時の痛みは骨膜の痛みです。
骨膜の関節版が関節包です。




骨髄ドレナージ法は、股関節の下の骨膜の痛みに有効だと言われています。




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「手術をして良かった!」

2009-08-13 09:46:45 | 手術のこと
手術をされた方々には「手術をして良かった!」と言ってほしいよね。


先日、病院に入院中の方と連絡を取り合った。

人工関節の手術を受けて3週間、痛くて脚に体重をかけられないとのこと。


決心して、術後の楽な生活を想像して手術に臨んだのに、現実は痛みのために歩けない。
しかも、入院中なのに。


人工関節手術の場合、術後に生活が楽になる方が多いのは事実。
しかし、確率は小さいと思うが、術後に痛みが残る方がいるのも事実。



術後のこの気持ちをどこにぶつければいいんでしょうか!




銀座のあいつにぶつけてやれ!




そういえば、2年前にもそんなことがあったなぁ。
いま、その方は非常にきれいに歩かれ、電車に乗って仕事に通っている。
まさに、「手術をして良かったね!」状態。

良かった、良かった。




いま、入院中の方も、必ず綺麗に歩けて、痛みの少ない生活をおくれるようになります!
心配しないで、焦らずに。



そして、絶対言わせる・・・「手術をして良かった!」。






アタタタタ・・・誰か何かぶつけた?




変形性股関節症を怖がらないでね


こんなことがあったんです 7

2009-06-06 00:29:19 | 手術のこと
こんなことがありました。

まず、大阪での施術場所が代わるかもしれません。
場所は心斎橋です。

私には大阪での土地勘が無いので、近々見学に行ってきます。
そこで施術が可能であれば、場所を代えます。

そうなれば、今まで新大阪に来ていただいていた方々には連絡を差し上げます。



また、こんなことがありました。

その方は2006年10月、初めて銀サロに来られました。
某病院で、5ヶ月後に人工関節の手術が予定されていました。

杖をついてどうにか歩けている状態でした。
骨の状態も決して良い状態ではありませんでした。

現在その方は、杖がはずれ手術はしていません。
他の方と同じスピードで、バトミントンコートを2周くらい走れるようになりました。

もう一人の方は2007年4月、初めて銀サロに来られました。
某病院で人工関節の手術しかないと言われ、落ち込んで来られました。

現在は杖もはずれ、夏はシュノーケリング、冬は温泉巡りを楽しんでいます。


もちろん全ての方々が、そうなるわけではありません。
現に、私の患者さんでも今月人工関節の手術受ける方が2人います。

しかし、上記のような経過をたどる人がいるのも事実なんです。


つくづく、手術というのは最終手段であって、それまでにできるだけのことをしてみる必要があるなと感じました。




変形性股関節症を怖がらないでね



この病気は個人差が大きいから、焦らない!怖がらない!比較しない!

骨髄ドレナージ法 4

2009-05-03 01:00:54 | 手術のこと
●骨髄ドレナージ法●
『関節の骨や軟骨の表面にひび割れのような傷ができると、そのひび割れから骨の中の骨髄内に関節液が入り込んで、骨髄の中の内圧が上がるため神経のある骨膜を刺激するので激しい痛みが出るのです。』という考え方に基づいて、「骨髄ドレナージ法」という局所麻酔による手術にて、骨に穴をあけて、中の骨髄と関節液を抜いて、内圧を下げることによって、骨膜に感じていた痛み(=股関節痛)を取りさり、完治させるという方法。


骨髄ドレナージ法は、簡単ではあるが手術であることには間違いない。

その方法は・・・

下図の赤い部分のように、骨盤と大腿骨に穴をあけて古い骨髄と関節液を取り出します。



骨盤も大腿骨も皮膚に近い部分にありますので、身体の損傷は非常に小さくて済みます。
ですから、局所麻酔で行われるようです。

中の骨髄を取り出すことによって→骨の中の圧力が低下→骨膜の刺激が減少→痛みが軽減、となるようです。

変形の具合が、いわゆる“末期”に近い状態で、筋肉をほぐしても痛みがコントロールしにくい方には適応かもしれません。

手術をされる病院で、この手術法に適しているか適していないかの“判断基準”のようなものがあるのだと思いますが、はっきりわかりません。

しかし、この“判断基準”が非常に大事だと思います。


変形がかなり重度でも、痛みのない方はいっぱいいますし、レントゲン上慢性骨折があっても痛みがない方もいますのでので、変形の程度だけでは判断しにくいと思います。

“骨のひび割れ”といっても、これは自然治癒力で改善していくものです。
治らない骨折はありませんから。


ですから、筋肉を正常にすることによって衝撃吸収力を向上してあげれば、骨髄ドレナージ法も避けられる可能性はあるのですが、痛みが長期に及ぶ場合は、選択肢の一つになると思いました。

もう一つの選択肢として、以前から書いてきたペインクリニックでの注射療法でも改善されている方はいます。

股関節痛に対して、皆さんに多くの選択肢ができる事はよいことだと思います。
できれば、リスクが小さな範囲で。


骨髄ドレナージ法について、ネット上では感染の可能性があるのではないか?とか、症例数が少ないのでなんとも言えないという指摘がみられました。

感染に関しては、自骨の手術や人工関節の手術とは比べ物にならないくらい可能性は低いと思います。
また、「わかさ」5月号を見る限りでは、700例中8割の方に効果がみられているとのことなので、決して症例数は少なくないように思いました。

ただ、この手術を行える病院が少ないことは事実でしょう。


以前私が書いた、“原因不明もあるのです”の患者さんなどには適応となるのかもしれません。
また、以前書いた“大転子ぐりぐり”は骨膜の緊張をとると痛みが軽減することがあるという経験でしたが、骨の中の内圧を取ってあげると、骨膜の緊張が軽減して痛みが取れるという点では、納得ができるように感じました。



まだまだ、わからないことの多い骨髄ドレナージ法ですが、いくつかの病院で行っているようです。

興味のある方は、問い合わせて説明を受けてみるのも一つの方法かもしれません。


最後に、この方法を実際に受けたことのある方がいらっしゃいましたら、その実際についてコメントいただけるとありがたいです。
このブログを読んでいる方々の参考となると思います。




変形性股関節症を怖がらないでね




今日はいよいよ・・・・松本い~よちゃ~ん。









骨髄ドレナージ法 3

2009-04-30 16:47:21 | 手術のこと
昨夜何気なくテレビを見ていたら、カーペンターズが出ていた。
20歳代のカレンがスクリーンの中で歌っていた。
“Cross to you”
そのスクリーンの前にピアノがあり、おじさんになったリチャードがピアノを弾きながらスクリーンの中のカレンとハモっていた。
カーペンターズ世代の僕は、ちょっぴり泣いちゃった・・・エヘッ!


●骨髄ドレナージ法●
『関節の骨や軟骨の表面にひび割れのような傷ができると、そのひび割れから骨の中の骨髄内に関節液が入り込んで、骨髄の中の内圧が上がるため神経のある骨膜を刺激するので激しい痛みが出るのです。』という考え方に基づいて、「骨髄ドレナージ法」という局所麻酔による手術にて、骨に穴をあけて、中の骨髄と関節液を抜いて、内圧を下げることによって、骨膜に感じていた痛み(=股関節痛)を取りさり、完治させるという方法。


筋肉の重要な役割は、股関節にかかる衝撃を吸収することでしたね。

筋肉が病気になってしま、衝撃を吸収できない状態が続くと骨にひび割れが起きることがあります。
このブログでは、“慢性骨折”という言葉で説明してきました。

骨の表面にひび割れが起きると、そこから関節液が骨の中にはいるというのです。
すると、骨髄内の圧力が上がります。

雑誌「わかさ」5月号によると、骨の中にある骨髄の内圧が上がると、骨の外にある骨膜に痛みを感じるというのです。

この骨膜の痛みが“股関節痛”だということです。


Remember!

骨膜のことを思い出して下さい。
下の図の斜線部分が骨膜です。
骨の外側を覆っている膜です。
骨の関節部は“骨膜が進化した”と言われている関節包です。
骨膜や関節胞には神経がありますので痛みは感じます。





でもどうして、骨の中の圧が上がると、骨の外の骨膜が痛むのか?

実は骨の中と外を結ぶ穴があいていて(その穴の中には血管が通っているのですが)、骨の中の圧が高まると骨髄が骨の外に出ることは考えられます。
そして、骨膜が圧迫されて痛みが出るということなんでしょう。


その問題を解決するのが、骨髄ドレナージ法だということでした。


次回は、骨髄ドレナージ法の手術法について、考えてみたいと思います。
ちょっと難しいですが、できる限り簡単にまとめてみます。




変形性股関節症を怖がらないでね






若い人はごぞんじではないと思うのですが、カレン・カーペンターは32歳で他界したんだよね。
だから泣いちゃったんだも~んだ。












骨髄ドレナージ法 2

2009-04-24 00:58:30 | 手術のこと
●骨髄ドレナージ法●
『関節の骨や軟骨の表面にひび割れのような傷ができると、そのひび割れから骨の中の骨髄内に関節液が入り込んで、骨髄の中の内圧が上がるため神経のある骨膜を刺激するので激しい痛みが出るのです。』という考え方に基づいて、「骨髄ドレナージ法」という局所麻酔による手術にて、骨に穴をあけて、中の骨髄と関節液を抜いて、内圧を下げることによって、骨膜に感じていた痛み(=股関節痛)を取りさり、完治させるという方法。



骨髄ドレナージ法の説明にはいる前に、おそらくこの方法は誰にでも適応される方法ではないだろうということはを前置きしておきます。

骨にひび割れ(慢性骨折)が起きる可能性のある、いわゆる“末期”の方が適応となる場合が多いと考えます。
さらに付け加えれば、筋肉の施術にても、痛みのコントロールしづらい方が適応になると考えます。



そもそも、骨髄ってなんでしょう。

脊髄(せきずい)は、背骨に守られて背中に存在する神経です。
しかし、骨髄(こつずい)は神経ではありません。
わかりやすく言うと“血液”です。

では骨髄はどこにあって、どんな働きがあるのでしょうか?
そのヒントは次の写真に隠されて・・・




・・・この写真には隠されていなかった。

実は、次の写真に隠されている!



この写真は、大腿骨を切断して下から見た写真です。
大腿骨は、ホースのような構造で、その中に赤いものが見えます。
この赤い部分が骨髄です。
骨髄の間には、れんこんのように白い薄い骨が見えます。
この骨は海綿骨(かいめんこつ)と言って、骨を丈夫にする働きがあります。

つまり、大腿骨の外観はホース状で、中身はれんこん状の薄い骨の部屋があり、その隙間に骨髄が埋まっている感じです。

骨の中には骨髄があるんです。
そういえば、“骨髄移植”という言葉がありますが、骨髄移植は骨髄提供者の骨盤に針を刺し骨髄を抜き取るんですね。


骨の中にある骨髄の役割は、造血機能がある骨髄幹細胞により、赤血球、白血球、血小板などの新しい血液成分をつくっているのです。



こんなところで新しい血液成分が造られていたんですね。



では、“骨髄ドレナージ法”のドレナージってなんでしょう

ドレナージ(=ドレナージュ)とは過剰な体液を排出させる事を言います。
つまり、骨髄ドレナージとは、骨髄を骨の外に取りだすということです。


どうして骨髄を骨の外に取り出さないといけないのか?

どうして銀座松屋に中野美奈子がいたのか?


・・・つづく。




変形性股関節症を怖がらないでね






骨髄ドレナージ法

2009-04-22 22:27:18 | 手術のこと
雑誌「わかさ」5月号で、骨髄ドレナージ法という変形性股関節症に対する新しい治療法を知りました。

「わかさ」5月号には、『痛みの主たる原因は、関節の表面ではなく、骨の中(骨髄:こつずい)に起こる異変にある。』と書かれていた。

さらに、『関節の骨や軟骨の表面にひび割れのような傷ができると、そのひび割れから骨の中の骨髄内に関節液が入り込んで、骨髄の中の内圧が上がるため神経のある骨膜を刺激するので激しい痛みが出るのです。』ということが書かれていました。

この痛みに対して「骨髄ドレナージ法」という局所麻酔による手術(日帰りも可能と書かれていた)にて、骨に穴をあけて、中の骨髄と関節液を抜いて、内圧を下げることによって、骨膜に感じていた痛み(=股関節痛)を取りさり、完治させるということだった。


私もこのブログでは股関節痛の原因は、関節の表面の痛みが主たる原因ではないと言ってきました。
私は、関節の袋の中の炎症と筋肉の病気が股関節痛の原因と考え、主たる原因は筋肉の病気であると書いてきました。


骨髄内の内圧が上がることが股関節痛の主たる原因であるということは、股関節痛の原因についてのまったく新しい説が出たことになりますね。


私は、このような新説が出てくることはうれしいことだと思います。
ただ、健康雑誌系にはいろんなことが書かれているので、すぐに飛びつくのではなく、ある程度の勉強をしてからの方が良いと思います。


銀サロの目的は、変形性股関節症患者さんが、将来に対する強い不安を抱えたり、希望をなくしたりしている現状を改善することです。
また、患者さんの痛みを取ろうと努力することなく、手術法だけに偏っている現状が変わってほしいということです。


私は、10年以上股関節痛に悩む患者さんの筋肉の状態を診てきて、股関節周りの筋肉の病気の存在を確信していますし、その病気を治すことで、股関節痛が改善する患者さんを多く診てきたので、筋肉の病気が股関節痛の原因となっていることは確信しています。


そして、筋肉の病気の他に、骨髄内の内圧の亢進が股関節痛の原因だとすれば、こんなうれしいことはないと思います。
皆さんの選択肢が増えるということです。



「骨髄ドレナージ法」の説明はしましたが、この内容では皆さんにはわかりにくいと思います。

骨髄って何?
ドレナージって何?
骨髄内の内圧が上がるって何?
その内圧が骨膜を刺激するって何?
「骨髄ドレナージ法」の手術を受けると何で痛みがとれるの?


などなど、次回からもっともっと分かりやすく説明してみます。

そして、「骨髄ドレナージ法」に対する私の考えをまとめていきたいと思います。

私が健康雑誌に載っていたある記事を取り上げることはめったにないかもしれません。
それだけ、この方法の考え方に理解できる部分があるし、皆さんの為にも期待しているからです。

おそらく、今後この方法に対しては、専門家からの反対意見も出てくるでしょう。

私は、一般的な常識を基準として考えてみたいと思っています。




暖かい日が増えてきましたね。
なんとなくうれしいです。



変形性股関節症を怖がらないでね




























ここここここ

脚長差が出ちゃったぁ・・・

2008-04-22 09:52:24 | 手術のこと
レッドソックスの岡島です。
昨夜札幌から帰り、銀座です。
来月大阪に行くまでは銀座でグイグイです~。



左右の脚の長さの差を脚長差(きゃくちょうさ)と言います。
脚長差のある方は、短いほうの骨が短いことが多いのです。

変形性股関節症の場合は、変形によって大腿骨の大腿骨頭(だいたいこっとう)の形が扁平化して大腿骨が短くなることがほとんどです。

両脚が悪い場合、両脚が短くなり、結果的に脚長差がほとんどない方がいます。
この場合、片方を人工関節にしたとすると、手術したほうの脚は長くなります。
しかし、手術していないほうは短いままなので人工関節の手術をすることによって脚長差が出てしまいます。

これは当たり前のことなんですが、脚長差が出ることを十分に理解しないまま手術を受けると、手術後の脚の長さの差に驚く方がいるようです。

『手術をしたのに、脚の長さが違って不便になったのよぉ・・・』

このようにおっしゃっている方のうわさを時々耳にします。
こういうこともあると言うことは、手術前に主治医が十分説明して、その内容を患者さんが十分理解して同意(インフォームドコンセントと言います)した上で手術に臨まれた方が良いでしょうね。

人工関節の手術前に脚長差があり、短い方を手術する場合は、手術後に脚長差はなくなります。
一般的にはこのようなケースが多いのですが、手術をすることによって脚長差が出る場合もあることは理解しておきたいものです。


変形性股関節症を怖がらないでね





術後のリハビリ 3

2007-06-19 16:48:41 | 手術のこと

ある患者さんの言葉。
『みんな頑張るから、私もつい頑張ってしまいました。1人だけ頑張らないわけにはいかない雰囲気なんです。』

・・・らしいです。

何が?

手術後の病棟の雰囲気です。

この患者さんは、手術前から施術していました。
手術前には「手術後は頑張らないでくださいね。」と繰り返し言っていました。

手術後2週間目にお見舞いに行ったときの患者さんの言葉でした。
その時には、『次のリハビリのときまでに歩けるように頑張ったら左脚が痛くなってしまいました。』と言っていました。

このような経験話をしてくれた患者さんは結構います。

きっと病棟の雰囲気はこういうものなんでしょうね。
“頑張らない”って難しい状況なんでしょうね?

しかし、手術後は手術の傷の治癒を優先して、あまり頑張らないほうが自然だと思います。


変形性股関節症を怖がらないでね







術後のリハビリ 2

2007-06-16 04:47:20 | 手術のこと
ほとんどの手術は失敗しません。
しかし、いくらレントゲン上手術が成功していても、“手術後の順調な回復路線”から外れてしまう方はいます。

その病院に外来のリハビリがない場合、この患者さんはどうすればいいのでしょうか?
また、手術はしていないけれども、痛みや怖さや癖によって“正常の動作のパターン”から大きく外れてしまっている方(例えば、つま先から床について歩いてしまっている人・・・など)はどうすればいいのでしょうか?

問題点を的確に診れて、的確な指導ができる方が医療機関以外の社会の中にも必要だと感じています。
それも、患者さん一人ひとりの原因が違いますので、個別指導が必要なんです。

私がここで応援した先生は、個人の問題点が診れる方でしたので応援しました。

多くの聴衆者を前にして、舞台の上から『このように歩いてください。』と多くの人に指導することは意外と意味がないんです。
一人ひとり原因が違うし、原因が違えば指導プログラムが違うからです。

これから必要となってくるのは、医療機関以外で個人個人に指導のできる指導者です。
私もこのような指導者を育てたいと考えています。
もちろん私はできる限り多くの方の問題を解決したいと考えます。
『手術は成功しました。』と言われた方は、問題が筋肉にある可能性が高いからです。



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術後のリハビリ

2007-06-13 06:03:04 | 手術のこと
私は手術後の積極的トレーニング(一般的にはリハビリ)は、術後5~6週間から始めるものだと考えています。

その理由は、手術によって切られた人間の組織がしっかりくっつくまでに5~6週間かかると考えているからです。

手術は人工的なケガです。
手術後は手術によって切られた傷がしっかりくっつくことが優先されるべきではないでしょうか?
手術によって切られた傷がしっかりとくっつかないうちから、積極的に体重をかけることや積極的な筋力トレーニングを行うと、傷口はどうなるのでしょうか?

最近は傷口が小さな手術も行われていますが、深部の層まで傷口があり縫っていることにはかわりがありません。

また、最近は入院期間が短期化しています。
短期間のうちに歩く練習をして、退院する。
やや不安が残ります。

私はこれから手術を受ける患者さんには2つのことを助言しています。
1、手術後5週~6週間は頑張らないこと。
2、手術後は意外と脚が動かないもので大変なものです。そんなもんだと思っていてください。それが普通なんです。

と言うことです。
手術後すぐに動けると思っていると、現実とのギャップに落ち込む方がいますし、
手術後に頑張りすぎて、返って状態を悪化する方がいるからです。

稀にですが、人工関節の手術後に特に股関節に負担をかけたわけでもないのに脱臼を起こしてしまう方がいます。
こういう方は、手術後頑張りすぎたのかなと思うことがあります。
通常そんな原因では脱臼はしないからです。

いずれにしろ、入院の短期化によって、“術後の順調な回復路線”から外れてしまう患者さんが増えてくるのではないかと心配しています。
そのような患者さんは、どこの誰を頼ればいいのでしょうか?
病院での外来期間も制限された今、退院後の患者さんをしっかり診れるシステムが必要ではないかと感じています。

術後1年経過した状態で、“術後の順調な回復路線”から外れていたとしても十分元に戻れます・・・心配は要りません。
焦らなくても後から十分改善できるんですよ。



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