股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

絶対手術はしない人々

2006-02-25 20:49:55 | Weblog
今日は私共のスパセラピスト養成校の学校説明会がありました。
私は、セラピストとしての経験から心と身体の両方がみれる人材を増やしたい!と涙ながらに訴えました・・・ちょっと大げさですが・・。
入学確定者がだんだん増えてきました。
心の施術の重要さを常日頃感じていた看護師さんや、海外で働く夢を持っている方・・・いろいろな方がいろいろな夢を持って来校されます。
私達は、ひとり一人の夢がかなうように一生協力を惜しまない覚悟でいます。
私が、私の患者さんを一生診ていくと決めているように・・・。
今日はちょっとカッコつけてみました。


私の患者さんに「絶対手術はしない」と決めている人々がいます。
どんなに痛みがあろうと、「絶対手術はしない」と言う患者さんもいます。
それぞれの患者さんで理由は違うのですが、絶対手術はしないと強く心に決めているのです。

その中の2人についてのお話しをしましょう。

1人は、普通の人以上に動いています。
会社の経営者として働かざるを得ないのです。
ご主人も同じ仕事をしていますが、ご主人はあまりにも元気な方なので、変形性股関節症についての理解が足りません。
私はある意味ご主人を尊敬している面もありますので、本心はそんなことを思ってもいないのですが、「離婚したら」って言ったことがあるくらいです。
そのようなことが言えるくらいの信頼関係があるから言ったのですが・・・。
現在、ご主人も少しずつ変わってはきています。ご主人には「私が必要なんです。」だって・・・。
ご主人の万全な協力の下でバリバリ働けると、股関節痛も軽減するように思います。
 
先にも書きましたが、患者さん本人も言っています「私は普通の人以上に働いています。」・・・仕事ができるんですよ。
職場にこの患者さんがいなくなると、会社はつぶれるでしょう・・と思うくらいです。
こんな風に書くと、皆さんは股関節の変形がかなり進んでいるように思いますよね?

私と知り合ったのは6年前です。
私と知り合う前にある大学病院で次のように言われたそうです。
「厄介な病気になったね、でも手術は絶対にしてはいけません。」
その言葉も患者さんの「絶対に手術はしません」の原動力の一つのようです。
私が施術を始めて1年くらい経って、再びその病院に行った時のことです。
「あれ、手術したの?」と言われたとのことです。
以前は身体がかなり曲がっていたのが、まっすぐ伸びていたから先生はそのように感じたのでしょう。
「いいえ、手術はしていません。」と患者さんが答えた時に「いい先生にめぐり合えたんだね。良かったね。」と言ってくれたそうです。
私はこの先生のことはまったく知らないのですが、このような先生もいるんだなと感心しました。
東京からは遥かに遠い地方に住んでいますので、なかなかこまめに施術はできないのですが、この6年間レントゲン上で変形の進行はみられていません。
不思議と思うかもしれませんが、お手入れをしていると股関節は長持ちするのです。
皆さん、このことは信じてくださいね。
すでに手術をしている人も同じなんですよ。

もう1人の患者さんは、70歳を過ぎています。
40歳代に変形性股関節症の診断を受けました。
私の患者さんの中でも1番変形が強い患者さんです。
定年まで仕事をしていましたが、今までにひどい股関節痛に悩まされたことはないとのことです。
皆さん信じられますか?変形が強いのに、歩けなくなったことが無いんですよ。
現在月二回、確実に施術を受けられています。いくら調子が良くてもこのペースは崩しません。すごい人です。
私と知り合ったのは7年前です。その頃は運動のし過ぎで、ももの内側にある内転筋を痛がっていました。ひどい痛みではないのですが、プールで運動をすると、運動中に痛くなりプールから上がって歩く時に痛みが出たようでした。

内転筋を触診すると、痛みと共に筋肉のコリを感じました。
筋肉の病気はそれほど重度ではなかったので、2~3回の施術で改善し、その後内転勤の痛みは二度と出ていません。
ただ、左膝にも変形があり痛みがあったので、しばらくは歩く時に膝に痛みを訴えていました。
股関節周囲の痛みが落ち着いた頃に、集中して膝の施術を行いました。
現在では歩きすぎると左膝が少し痛い程度ですが、普段は膝の痛みも無く、お風呂の中では正座も行っています。膝も筋肉による痛みでした。
主に、内側ハムストリングスという筋肉が原因でした。

2人に共通していることは、手術はしないと決めていることですが、変形性股関節症についてよく勉強していること、ストレッチや無理のない筋力トレーニングをよく行っていること、筋肉の病気を含めた筋肉のことについてよく理解していること、そして変形性股関節症に対する怖さがまったく無いことです。

「絶対手術はしない」と言うからには、ものすごい努力もしているのです。


この2人の患者さんは、一生手術はしません。



変形性股関節症を怖がらないでね

皆さん、良い週末を!
ぼぼぼくは、有頂天ホテルを見るんだ!
待ってろよ、伊藤四郎!








治療者の心得

2006-02-24 15:37:11 | Weblog
私は6年前に気功を学びました。

気功には、怪しい雰囲気が漂っている場合があるので、それまで西洋医学一筋に学んできた私としては気功をいまいち信じていませんでした。
気功を学んだ結果、自分の気の玉がはっきり自覚できた時には驚きました。
現在はまだ “気が弱く” 、修行中です。好きな人に愛の告白すらできません。
早く、気が強くなりたいです・・・。
何事も経験しないとわからないものだと思いました。
また、、同じ“気”でも治療者の頭の中のイメージによって、治療者から出る“気”の性質が異なることも学びました。
大腸菌を使った中国での科学的研究結果です。
大腸菌に対して研究者が『大腸菌よ減れ!』と思いながら気を当てると大腸菌は減り、『大腸菌よ増えろ』と思いながら気を当てると大腸菌は増えるのです。
同じ“気”でも治療者の頭の中のイメージによって、悪い“気”にも良い“気”にもなると言うことです。
私は施術時に、筋肉に対し『ほぐれろ、ほぐれろ』と思いながら施術しています。
施術には集中力も大切ですが、“患者さんを良くする”と言う気持ちが一番大切だと思います。
施術中に、『今晩の夕飯は餃子にしようかな・・・』と思いながら施術すると、患者さんが餃子になるんです・・・気をつけないと・・・。

以前、このことをはっきり実感できた瞬間がありました。
4年前、膝関節痛の患者さんでハムストリングスという筋肉を施術している時のことです。
『ほぐれろ・・・』とイメージを集中させながら筋肉のしこりを押していると、フッと急激にほぐれた感覚がありました。その感覚は患者さんも感じたと言いました。
素晴らしい経験でした。
治療者として、患者さんに対する時は、このような気持ちが大切ではないかと思います。
忙しい病院では、常にこのような気持ちを持ち続けることは難しいよ・・・それは言い訳かもしれません。
イメージするだけでいいことです。このイメージがやさしさとなって現れるように思います。

レントゲンだけで診察を済ましている先生には、このような気持ちが足りないと思います。

治療者には知識も技術も必要です。しかし、一番必要なのは心です。
皆さんが先生を選ぶ時は、先生の“治してやろうという気持ち”で選ぶと良いと思います。そういう先生がどんどん増えてくれると良いですね。
・・・あっ!これは社会人としては当たり前のことでしたね。


変形性股関節症を怖がらないでね


伝説の人

2006-02-23 00:45:35 | Weblog
先日、原宿に表参道ヒルズがオープンしましたね。
連日多くの人が訪れているようです。
表参道ヒルズの運営会社には多くの知り合いがいて、それはそれは準備が大変だったようです。
その人たちとの関係で、私は昨年8月まで原宿に店を構えていました。
その時に通っていただいた患者さんの多くは、現在の場所(東京駅の近く)に通ってくれています。感謝の一言です。


その患者さんの中に“伝説の人”がいます。

その人は生きてますよ・・・。
その患者さんの初診時の姿は、今でもはっきり覚えています。
7年前の話しです。
当時私は、埼玉県で整骨院の院長をしていました。
東京で講演会を行った時に出席されていた方の紹介で来られました。
患者さんは車椅子に乗って、その車椅子をお姉さまが押して整骨院に入ってきた瞬間の映像が頭から離れません。
脚を着いて歩くことが困難で、脚が冷たくプールにも入れない状態で、病院では手術を勧められていました。
例によって、股関節の触診をすると股関節に炎症はありませんでした。
さらに筋肉の触診を続けると、ももの裏とお尻に筋肉の硬さを感じました。
整骨院では治療時間を十分かけられないので、大腿部と殿部(お尻)をピンポイントに施術しました。

施術後は、杖で歩けるようになりました。
患者さんも埼玉の方でしたが、電車とバスを乗り継いで1時間以上かかって通院されるので、また、患者さん自身に恐怖心もあるだろうから、2~3ヶ月くらい経ったら自分の力で通院できればいいなと考えていました。
施術は週に2回の頻度で行いました。
その患者さんが1ヵ月後、一人で電車とバスを乗り継いで通院してきたのには驚きました。

あれから7年、その患者さんはこの1年間に2回しか施術を受けていません。
7年の間には、痛みが強い時期もありましたが、ここ2年間まったく痛みがありません。
痛くなくても定期的に来てくださいね、と言ってはいますが、ご主人の転勤や病気の看病で忙しいのです。
噂によると、以前ご主人は、「僕が君の足になるよ」と言って、患者さんの脚の治療に協力していたようです。今はご主人への恩返しで忙しいようです。

この患者さんとは時々メールのやり取りをしますが、いたって元気です。
プールで泳ぐことがめっぽう好きな方で、股関節痛が取れたと同時に脚が温かくなったので、プールで泳いだり今まで行けなかった海外に出かけて泳いだりしています。
一時は、運動しすぎないようにブレーキをかけるのが大変なくらいでした。

その後から「車椅子の患者さんが歩けるようになったんだって・・」という噂が流れて、少し困りました。
私が施術すると、魔法のようによくなると思われるのはうれしいことですが、困ることでもあるのです。
施術による効果にも個人差があるからです。皆さんの心身に個人差があるのですから、効果に個人差があるのは当たり前です。

余り大きな期待をして患者さんが来られることに多少困りました。

皆さんによく考えていただきたいことは、筋肉が病気になると、筋肉が常時つった状態となり、脚が地面に着けないくらいの激痛が出ることがあるのです。
一見、骨に問題があるようですが、レントゲン上では変化が無いことがほとんどです。股関節の炎症なら、股関節を押してみればいいんですよね?
股関節を押しても激痛を感じなければ、筋肉によって激痛が出ていると考えるのが常識的ですね。
皆さんはこのことを良く覚えておいてください。

この患者さんは、ありとあらゆる治療法を行ってきました。その結果残念ながら歩けなくなっていたのです。
激痛を訴えるので、病院では「手術しましょう」と言われていたのです。

その患者さんは、昨年12月に半年ぶりに来られました。「痛みはありません」と言い残して、またその後消息不明になっています。


変形性股関節症を怖がらないでね






渚の出産物語

2006-02-21 09:42:37 | Weblog
私には子供が2人います。
弘美と悦美という女の子です。
弘美は成人式を終えたばかりです。
子供はかわいくて、腹立たしく、なかなかいいですよねぇ。


私の患者さんで、初診時には痛みのために子供を生む気になれなかったのですが、3年前に無事に出産された夕凪(ゆうなぎ)さんという方がいます。
病院の先生によっては「あなたはもう子供が産めません!」という先生がいます。
そう言われてショックを受けている方の相談を受けたことがあります。

整形外科の先生にそこまで言う根拠や権利はあるのですか?「ハラスメントです!」・・・と言いたいですね。「あなた、何様のつもり!」細木数子さんならそう言うでしょう・・・?

夕凪さんのことを紹介しましょう。
年齢は29歳でした。仕事が大好きで、30分ほどの通勤で都内に勤務していました。私の患者さんとしては若い患者さんの一人です。
子供の時に自骨での手術をしているようです。(詳細不明)
その為に手術をしたほうの骨盤が少し異常な形をしていました。(発育過程での手術には少し疑問があります)
夕凪さんは、新婚でした。結婚によって環境が変化して、その頃から股関節痛が出たようでした。
私と初めてあったのは、5年前です。
最初の印象は、精神的にかなり追い込まれているように感じました。
不安の為か、かなり質問が多かったのを覚えています。
股関節痛のために疲れきっていて、子供を生むということは考えたことも無かったと後で聞きました。
股関節痛といっても、痛みは正確な股関節にあるわけではなく、触診によって股関節に炎症が無いことが確認できました。
主な痛みは、大腿の上外側にありました。
専門的には上前腸骨棘の下の部分でした。つまり、痛みは股関節よりも上の外側にありました。

施術としては、上前腸骨棘付近にくっつく筋肉を中心に行いました。
正確には、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋です。
初めての施術から2回ほど様子をみると、施術の後は調子が良いのですが、徐々に痛みが出てくるようでした。
その結果を踏まえ、3回目は原因筋を探しながらいろんな場所を詳しく見ていきました。
痛みは外側にあったのですが、内側の内転筋のかなり深いところに硬いしこりがありました。
3回目はその筋肉を主として施術しました。
どうもこの内転筋が股関節痛の原因筋だったようで、その後5年間股関節痛は出ていません。
今思うと原因は、結婚による環境の変化が心身にストレスを与えていたように思います。

施術を始めて1年が過ぎた頃、「先生、相談があるのですが・・・」と言われました。
愛の告白かな・・?なんて思いながら(うそ)話を聞くと「妊娠したんです。」とのことでした。
出産前後の股関節への負担を軽減するために、出産後までの施術計画をご主人と一緒に立てました。




①出産までは、いくら調子が良くても月に1回の施術を受けること。
②出産後は、外出ができる状況になったら、月に1度の施術を受けること。

と決めました。

  

約束どおり、出産前は出産の1週間前まで毎月通いました。その間、股関節痛はなく軽い腰痛があったくらいでした。
出産後は、相変わらず痛みが無かったので、施術は不規則になりましたが順調に経過しました。
復職を果たした現在では、忘れた頃にメールでの予約が入る程度になっています。
(現在は年に4~5回の施術でしょうか?)
ご主人がそれはそれは素晴らしい方で、専業主夫にしても良い様な方で、子育てが大好きなので、夕凪さんは産前産後を恵まれた環境で過ごされたことも良かったのだと思います。
産前に夕凪さん自身が、「私は仕事をしていることが大好きで、子供が好きではないから・・・」と言っていたので、ちょっと心配していたのですが・・・さすが母親になると、「子供がかわいくてかわいくて・・・」という母親になり、安心しました。
まだ若くて変形性股関節症になられた方、出産を望まれるのでしたら、ぜひトライしましょうね。当然ご主人は協力すべきです!



無事に生まれた渚ちゃんは、3月17日で3才になります


変形性股関節症を怖がらないでね













サーノ博士の悩み

2006-02-20 12:57:41 | Weblog
このところ東京も寒くて、痛みが増えている患者さんがいますね。
私も、南国生まれですのでどうも寒いのは苦手です。
あと1~2ヶ月の辛抱ですね。
春はそこまで来ています。
私のブログも今回で20回目となりました。
最初のほうに飛ばしすぎて、もうネタ切れです・・・うそだよーだ。
同じテーマで描き続けることは意外と大変ですね。


ニューヨーク大学医学部にサーノ博士という有名な医師がいます。
もともと小児科の医師だったのですが、のちにリハビリテーション医学に取り組むようになりました。
サーノ博士は、リハビリテーション医学に取り組むようになってから悩んだそうです。
それは、レントゲンの結果と患者さんの症状が異なるという現実に悩まされたそうです。以前の小児科では、様々な検査結果と患者さんの症状が一致していたので不思議だった様です。
サーノ博士は、長年の研究の結果、患者さんの痛みは骨や軟骨から生じているのではなく、筋肉から生じていることに気づきました。
さらに、博士は痛みを訴えている患者さんの90%に心身症があることに気がつきました。
心身症とは、心に抱えた問題が原因で、身体に様々な病気が出ることです。

このような経過で、サーノ博士はTMS理論(緊張性筋炎症候群理論)を確立しました。“緊張性”とは心の緊張を現しています。

心に緊張をもたらす原因は、すべてが病気に対する不安や恐怖などではありません。
一般的に、ストレスとして大きな順では・・




ストレスの原因ベスト10 (大きなストレスから順番に)

①配偶者の死
②離婚
③夫婦別居
④刑務所に入る
⑤身近な家族の死
⑥自分の病気
⑦結婚
⑧職場での解雇
⑨定年退職
⑩家族の病気

①~⑩を見てみると、夫婦間を主とした家族の協力があるかないかという事が、意外とストレスになっているのかもしれませんね・・・?
皆さんのご主人やご家族は、皆さんの症状に理解があるのでしょうか・・・?
変形性股関節症も心身症の一つに上げられています(日本心身医学会 1991年)が、骨の構造が先天的に正常とは異なるという身体的な問題もありますので、心身両面を考慮して治療に当たる必要があると考えています。
サーノ博士は、痛みの原因が心にあるということを認めた患者さんは、それを否定した患者さんに比べると、より早く改善していると言っています。
皆さんの股関節痛も同様です。
心の状態が股関節痛を悪化させているということを、信じがたいとは思いますが、そのように信じて心を良い状態にコントロールした方が股関節痛は改善すると思います。
とにかく、自分の心の中にある不安・恐怖・怒りを言葉にして吐き出しましょう。
そして、笑顔を取り戻しましょうよ!

トレーニングができなかった・・・何にもしていない・・・将来歩けなくなるのかなぁ・・・なんて悩むことが1番いけないんでしょうね・・・。


変形性股関節症を怖がらないでね


忘れ去られる正常歩行

2006-02-18 19:39:05 | Weblog
今日、面白いことがありました。

ある患者さんが、病院に定期健診に行った時の話しです。
その患者さんは、このところ股関節痛が無く、年1~2回海外旅行にも行かれています。現在70歳ですが、今は手術は考えていません。
先生がレントゲンを見ながら「具合はどうですか?」と患者さんに聞いたそうです。
患者さんは「このところ痛みも無く調子いいです。」と答えたそうです。
すると先生が「そんなはず無いでしょう。」と言ったそうです。
患者さんが調子いいと言っているのに・・・ですよ?変な話です・・・。
先生はレントゲン(骨の変形)の状態と患者さんの状態が一致しないので「そんなはずは無いでしょう。」と言ったのでしょうね。
この先生は、東京でも有名な先生の一人なんですよ。
レントゲンは骨と軟骨の状態しか見ていないわけです。人間の身体が骨と軟骨だけでできているならそれでいいのですが・・・。
つまり、レントゲン像と患者さんの症状は一致するものではないのです。
よく考えると当たり前のことです!
レントゲンだけを見て話す先生の言うことを素直に信じないでくださいね。
皆さんの心が傷つくだけですから。
皆さん、この事実を良く覚えておいてくださいね。実はこのような会話があったということは多くの患者さんから聞いています。
「あなたはうそを言ってる!」と怒られた患者さんもいましたよ・・・。
皆さん、このような先生がいましたらどうしましょうか?
先生に向かって文句を言える方は、堂々と意見してください。
そうしないと変わらないでしょうね。
なかなか先生に向かって文句を言えない方が多いと思います。
そのような方は、その先生にお尻ペンペンでもしましょうか?
それとも、先生に向かって「あなたはうそを言ってる!」とでも言いましょうか?
皆さんの判断にお任せします。
本当に困ったものです。
私はこのような現状を改善していきます。一人では微力ですが、皆さんが少しでも協力してくれると助かります。
微力+微力+微力+・・・・・となるといいですね。



今日は歩行についてのお話です。

股関節痛が出ると、その痛みから身体が逃げます。
その方が楽だから無意識に身体を逃がすのです。

股関節痛が長期間続くと徐々に“正常歩行”が身体と言うか“脳内”から忘れ去られていくように思います。
正常歩行ができる状態でも異常歩行の“くせ”が出てしまうようです。

正常歩行ができない状態の人は、今すぐに無理をして正常歩行に戻す必要はありません。時が来て、正常歩行に戻せるまで待ちましょう。
正常歩行ができるのに正常歩行を行っていない人は、正常歩行を思い出したほうが良いと思います。
皆さんの中には、正常歩行ができるのに今までの“くせ”や無意識な怖さによって正常歩行を忘れている人が多いかもしれません。

以下に正常歩行の簡単な学習法を書きますので、できるようならトライしてみてください。
できるかできないかの判断基準は“股関節痛”の強さです。
1度トライしてみて痛みが強い場合は、今あせって行う必要がありません。筋肉のお手入れ優先ですよ・・・と身体が教えてくれていると言うことですね。





正常歩行の再学習



①身体をまっすぐにして立ちます。
 正面から見ても、横から見てもまっすぐに立ちます。
 肩の高さは等しいのが理想です。
 片脚が短い人は、短いほうの脚だけにスリッパを履いて長さをそろえましょう。
 バランスを保つ為に、片手は軽く壁や机に触れてください。軽く触る程度です。

②左右に均等に体重をかけるように立ちます。
 鼻からまっすぐにおろした線が、両脚の真ん中を通ればよいと言うことです。

③悪い方の脚を一歩前に踏み出します。
 この時に、踵から地面に着くように意識してください。
 人間は足を踵から着くように決まっているのです。

④一歩踏み出した脚の膝は伸ばしたままで、徐々に一歩踏み出した脚にほぼ全体重をかけていきます。
 膝を曲げないで行うのがポイントです。
身体、特に骨盤を前に動かすように一歩踏み出した脚に重心を動かしましょう。
 一歩踏み出していた脚と身体が横から見て一直線になるところまで前方に体重をかけます。この時も両肩の高さが等しいのが理想です。
後ろの脚(良いほうの脚)は、軽く膝を曲げた状態となり、体重はほとんどかかっていません。

⑤ゆっくりスタートの位置に戻ります。(重心を後ろ脚に戻します)
⑥ ②~⑤を数分繰り返します。(少し疲れるまで)


この練習は正常な重心移動の練習です。一歩踏み出した段階では、良い方の脚にほとんど重心がかかっていたのが、④の段階では悪いほうにほとんど重心が移っています。
この練習では、常に姿勢をまっすぐに意識することが重要です。
正常歩行は、この重心移動の繰り返しなのです。
ですから、この重心移動の方法を反復練習して、“正常な重心移動”を脳に再学習させ身体で覚える必要があるのです。
身体が正常な重心移動を覚えた時、皆さんの歩き方が正常近づきます。
文字だけでの説明ですから、ご理解が難しかったでしょうかね?
また機会をみて説明しましょうね。




変形性股関節症を怖がらないでね






心の個人差

2006-02-17 11:44:34 | Weblog
私達は生まれる前に魂だったようです。
生まれるにあたって、修行課題を持って生まれてくるようです。
様々な科学的研究によってこのことが明らかになってきつつあります。
心身に障害を持っている方々というのは、魂のレベルが高いから生まれる前にレベルの高い(より困難な)人生の修行課題を自分に課して生まれてくるようです。

変形性股関節症でお悩みの方々もきっと魂のレベルが高い方々なんだなと思っています。皆さんの魂自身が決めた修行課題みたいです。頑張ってください。

私の魂はややレベルが低い様に思います。
患者さんに魂のレベルを上げてもらっているように感じます。
頑張なきゃ・・・。




身体の個人差の大きさについては今までも多く触れてきました。
身体に個人差があるように、心にも大きな個人差があります。
それはストレスを受けた時のストレス解消能力の差と言っても良いかも知れませんね。
これには遺伝も関係していると思いますが、考え方を変えるだけで心が改善できる人もいます。
私が治療をしていて感じることは、治療によって痛みが半減した時に“半分も良くなった、よし頑張ろう”と前向きになれるか“まだ半分も痛い・・・”と前向きになれないかの違いです。
また、“痛みは筋肉だったんだ”と思い前向きになれる方と“痛みは筋肉なんですか・・でも病院では骨の変形が・・・”と前向きになれないかの違いです。

前向きになれた人は、痛みがどんどん無くなり笑顔がどんどん増えるのに対し、前向きになれない人は痛みにさほどの変化が無く、笑顔がなかなか戻ってこないという傾向を感じます。
私は患者さんの表情を重視しています。心の状態は顔の表情に出るからです。
笑顔がどんどん出てきた人には、もう私の力はそれほど必要ではなくなります。
「笑顔の治癒力」とか「笑顔と治癒力」なんて本が出ていますが、笑顔が出ると自己治癒力も上がる事はよく知られています。
“心と身体”という言葉の表現をよく耳にします。
実は心と身体の間にはあるものが存在するのです。
そのあるものとは“自律神経”なのです。ちょこっと付け加えるなら“ホルモン”なんです。
人間が強いストレスを受けると病気を招くので、そうならないように自律神経とホルモンが調整役となり、人間を常に正常な状態に保とうとします。

この働きを恒常性(ホメオスタシス)と言います。

しかし、どんどん気分的に落ち込んでいくと、ストレスは溜まり自律神経とホルモンのバランスが崩れていくのです。そうすると様々な症状が身体に出るんです。この様々な症状を心身症と言います。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、交感神経は“興奮”の神経であり、副交感神経は“リラックス”の神経です。
正常な心身の場合、1日のうちで交感神経と副交感神経がシーソーのように何回も入れ替わっています。

しかし、ストレスが多くなると交感神経が1日中働きっぱなしになると言うような状態になります。交感神経は“興奮”で、血管を縮め、胃腸の働きを悪くして、心臓の働きを活発にし、白血球の中のリンパ球の割合を低下させます。
つまり、自律神経の状態によって、血管や内臓や血液の成分まで変わってしまうのです。
その結果、不眠症や胃の痛み、筋肉痛、高血圧、免疫力の低下などを招くのです。

筋肉の中の血管が縮みますので、筋肉の中の血液量が減り痛みが出やすくなります。これも股関節痛の大きな原因の1つだと考えています。

ですから、心を正常な状態に保つことが重要なのです。

私がこのブログを始めた理由は、皆さんの心が少しでも楽になっていただきたかったからです。それだけです。
私は身体を施術していますが、身体以上に心の施術を心がけています。
身体の施術だけでは股関節痛を軽減できない人の多さに気づいたからです。
皆さんの心のストレスを手っ取り早く軽くする方法は、自分の心にある不安や恐怖や怒りを言葉として吐き出すことです。このことは以前にも書きましたよね。
カタルシス効果です。

プールに行って、また、股関節患者さんの集まりに出て、とにかく自分の心の中のストレスを言葉として吐き出していただきたいと思います。
私は、患者さんの話を聞きます。患者さんに喋っていただきたいからです。心を軽くしていただきたいからです。そして、ほんの少し不安、恐怖、怒りの元となっていることに対しての、常識的な医学的説明を加えています。
病院では常識で考えると不自然な説明を受けてそれを信じ込んでいたり、自分で勝手に余計な不安等を抱えてしまっている患者さんには、常識的な医学的説明は効果的なことが多いです。
「あなたの痛みは股関節の軟骨や骨の変形によるものではなく、筋肉の痛みである可能性が高いです。その証拠について説明しましょう・・・・」ってな感じです。この言葉だけで痛みが軽くなる人が実際にいるのです。

鹿児島の加治木町に私が大好きなご夫婦がいます。
私の講演会で初めてお会いしたのですが、それはそれは暗いご夫婦でした。
ご主人が退職されて、これから二人で人生を楽しもうとしていた矢先に、奥様が変形性股関節症の診断を受けたのです。
二人の将来は真っ暗になったそうです。不安だらけだったそうです。
それが今では、二人ともすばらしい笑顔にあふれ、奥様は「ちょっと位痛くても、筋肉の痛みだからへっちゃら」と言い、レクリエーション指導員をやってます。
ご主人は料理教室に通い、私に笑顔で料理の話しをしてくれ、自宅では家事を楽しんでいます。
私と会う前に「これが最後の旅行だね。」と言った旅行にも出かけられるようになりました。
東京に泊り込みで治療に来られても、二人で美術館めぐりを楽しみ、東京に来た目的は・・・いったい?と言う状態です。
自慢ではないのですが、もしも4年前の講演会で出会っていなければ、お二人の人生は大変つらいものになっていたかもしれません。
本当に良かったと思います。ちょっと自慢入ってましたかぁ・・?
お二人は、あの講演会の前に「どうせまた手術の話しだろう・・・」と思って参加を渋ったそうです。しかし、出席してみるとまったく違う方向の話だけど納得できたそうです。
講演会の会場からは、杖無しで帰ったそうです。
心のコントロールは難しそうで簡単にできる人もいます。
確かに心にも個人差はありますが、できる限り心を楽にしてくださいね。
そして、病院や整骨院や整体院の先生を探す時には心を軽くしてくれる先生を選んでくださいね。
私がスパの世界に踏み込んだわけは、スパには身体も心も軽くできる要素がそろっているからです。
心を軽くする手段をスパのスタッフと共に考えながら教育にあたっています。


変形性股関節症を怖がらないでね




手術のお話し②   ~手術の後遺症~

2006-02-15 11:40:51 | Weblog
小学校の同級生の小杉盛文君はチョコが嫌いでした。
男らしくてかっこいいのですがチョコが嫌いでした。
バレンタインズデイになると小杉盛文君を思い出します。
私は、スパ各店の店長3人と、学校のアロマセラピストの先生から計4ついただきました。
「先生、10倍返しね」と言われました。
怖い・・・。



怖くない話しを・・・。
手術のお話し第2弾です。
私は、股関節の手術後の患者さんに、『手術には後遺症があるんですよ』と説明します。
皆さんも、1度じっくり考えてみてください・・・。



手術の後遺症
 
①手術では、軟部組織を切りますので、しっかりくっつくまでには5~6週間かか るでしょう。
②手術によって急に脚が長くなったり、短くなったりしますので、手術後しばらく は筋肉や神経や血管に異常が出てもおかしくありません。
③手術前の身体のバランスと手術後の身体のバランスが大きく変わる人がいます。
 手術によって身体のバランスが正常に近づくことによって、今まであまり使ってなかった筋肉に急激な負担がかかることが考えられます。
 痛みをかばった生活が長かった人ほど可能性が高くなるでしょう。
 痛みをかばうと、重心が偏ります。そうなると身体はバランスを良くする為に骨盤を傾けたり背骨が曲がることがあります。手術後は、重心が左右均等に近づきますので、傾いていた骨盤や曲がっていた背骨は正常に戻ろうとします。
 この時に、手術前にあまり使っていなかった筋肉に疲労性の痛みが出るのです。
④精神的な後遺症
 手術直後の入院中に「脱臼に注意しなさい」「感染症に気をつけなさい」「転ば ないように気をつけなさい」「・・・はやっちゃダメです」なんて言われて、退院後もビクビク生活して
 いる人がいます。 入院中は手術直後ですから、脱臼は気をつけないといけないのですが、自己治癒力がありますので、どんどん脱臼しない股関節になっていくのです。
 自分の自己治癒力を信じてビクビクしないでくださいね。
 それ以前に、病院の先生には、手術前の説明で「手術をすると何でもできるようになりますよ」と言っときながら、手術が終わると「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」と言わないで
 いただきたいと思います。商売ではこれを“詐欺”と言います。ナンチャッテ。手術前には、手術後の状態も含めたインフォームドコンセントが必要だと思います。


「手術に失敗した」という方がいます。
一大決心をして手術を受けたのに、手術後の経過が思わしくないと精神的なショックは大きいでしょうね。
そのような方のほとんどは上記のような後遺症で悩んでいるのです。
後遺症もレントゲンに写らないからです。
病院の先生はレントゲンで骨を見て「手術は成功しています」と言います。

確かに手術は成功しているのです。しかし、手術の後遺症を見落とし、後遺症に対する治療がなされないのです。

皆さんの中に、手術が失敗したと感じている方がいましたら、筋肉のお手入れを考えてみてはいかがでしょうか?
何度も言いますが、筋肉のお手入れとは筋力トレーニングのことではありませんよ。筋肉を柔らかくすることが重要なんですよ。
手術前に筋肉の病気で痛みを感じていた人が、手術という骨だけをいじる行為だけで筋肉の病気が治るのでしょうか・・・・?治らないケースもあるでしょう?

「手術に失敗した」と考えていて、病院では「手術は成功しています。」と言われたら、落ち込まないで手術の後遺症を思い出して前に進んでくださいね{。
手術後の経過も個人差が大きいです。一人ひとり歴史が違うんですもん、当たり前です。手術後すぐに動ける人もいますが、手術後の経過は皆さんが思っている以上にゆっくりな改善なんです。「経過が悪い」のではなく「経過ってそんなもんなんです」なんですよ。

さぁ、元気を出して! 笑顔、笑顔。


変形性股関節症を怖がらないでね



軟骨のお話し

2006-02-14 23:01:40 | Weblog
前回に続き、手術の話しを書こうと思ったのですが、今日すごく感動することがあったので『軟骨のお話し』に変えました。

その話を書く前に、スパの話しを少しだけ書きます。
皆さんはスパをご存知でしょうか?
日本では“大きなお風呂”的に思われていたり、“エステ”的に思われていたりします。
どちらもまったく間違いではないのですが、本来は“治療の場”なんです。
西洋医学以外の医療を代替医療といいますが、スパは代替医療の分野に入ります。
スパは治療であり予防医学です。
私は、シンガポールブランドのスパ(原宿、横浜、ディズニーリゾートにあります)で教育担当をしており、この春からは別のシンガポールブランドのスパを日本で広げると共に、スパで働くスパセラピストを養成する学校を始めます。
いずれは、西洋医学と代替医療をうまく取り入れた統合医療を普及させようと思います。
例えば整形外科病院の隣にスパを置き、西洋医学でカバーできない分をスパで補っていく形です。同じような形で内科や心療内科や産婦人科も可能です。
現在私の療法をスパセラピストにも指導しています。今のところ女性限定ですが、男性の先生も育てて行きたいと考えています。
また、人間を全体的に診れる整形外科の先生も育てて行きたいと考えています。
そんなこんなで今は忙しい毎日です。



それでは本題ですが、今晩会議をしながら食事をしていたら、ある患者さんから携帯にメールが入りました。私の患者さんの多くは、携帯メールで予約や情報の交換をしているので、携帯メールがよく届きます。
そのメールを読んだら、しばらく涙が止まりませんでした。泣き虫なもんで。
その患者さんは股関節痛を抱え、仕事を辞めて、病院で手術を勧められ・・・精神的に落ち込んでいたようです。
初めてお会いしたのは今年の1月31日でした。それから2回の施術を行いました。
本日整形外科で股関節のレントゲンを撮ったら、先生が大きな声で『関節が緩んでるよ!』と言ってくれたそうです。昨年10月のレントゲン写真では見られなかった関節の隙間がちゃんと写っていたとのことでした。

私はその事実に感動したわけではありません。このようなことは結構多いからです。
私は、私の施術によってこのような良い結果を招いたと自信を持って言えます。
過去の多くの患者さんのレントゲン結果が私に自信を与えてくれました。

その患者さんがメールの中に“今日はうれしい1日でした”と書いていて、精神的につらかった時期があったけど・・本当に良かったね・・と感動してしまいました。
また、そのような患者さんが喜ぶような診察をしてくれた先生に感動しました。(その先生は、以前、“私が尊敬している先生”と書いた先生でした。)

股関節の筋肉は、股関節の上から出て股関節の下にくっついている筋肉が多く、股関節痛が出るほど股関節の筋肉が縮んでしまうと、結果的に股関節が上下から強く締め付けられるのです。
その結果軟骨は強い圧迫を受けたままとなり、その状態で日常生活を行うと軟骨が磨り減ってしまうのです、もしくは、圧迫が強いから軟骨がつぶれて磨り減ったように見えるのです。

このような軟骨への圧迫が強い状態では“軟骨軟化症”が起きます。
これが軟骨が磨り減る原因なのです。体重をかけるから軟骨が磨り減るのではありません!
私は、縮んで痛みを出している筋肉を直接ストレッチ(深圧マイオセラピーと呼んでいます)して、股関節痛を和らげていると共に、関節内の軟骨への圧迫を和らげています。
つまり、深圧マイオセラピーで筋・筋膜症候群という筋肉の病気を改善させると共に、軟骨軟化症という軟骨の病気を改善させているのです。

圧迫が緩んだ軟骨には自己治癒力も働きやすくなります。この時期にグルコサミン等の軟骨成分を多くとることは有効だと考えています。
しかし、強い圧迫を受けたままでは自己治癒力が働くどころか、軟骨軟化症という病気によって破壊力のほうが上回るので、軟骨成分をとってもあまり効果は期待できないと考えています。

皆さんが考えなければならないことは、自己治癒力による“再生力”と軟骨軟化症による“破壊力”のバランスです。

“再生力”が上回ると維持や改善が期待でき、“破壊力”が上回れば軟骨は磨り減るのです。よく考えると当然のことですよね?

一般的に“破壊力”を改善してくれる医療人が少ないので、変形性股関節症が進行性に見えるのです。
ですから、進行を止めようとしない人は、医療人として問題ではないかと思うのです。

皆さん、100%とは言いませんが進行は止められます。

筋肉が正常に近い状態では、脚に体重をかけても軟骨は減らないのです!

悪いほうの脚で片脚で立てて、強い痛みの無い人は脚に体重をかけても軟骨は減らないんですよ!
強く痛む人は、落ち込んでいる暇があれば筋肉のお手入れをしてくれる先生探しに・・GO!


変形性股関節症を怖がらないでね


手術のお話し

2006-02-04 16:44:24 | Weblog
今週はアメリカから先生を招いて、リンパドレナージュというセラピーの講習を行っていたので、かなり忙しくなってしまいました。
1週間ぶりのブログです。

今日は手術の考え方について書きましょう。

私は手術をすることに反対ではありません。しかし、手術はあくまでも最終手段であり、患者さんが時間をかけてしっかり納得し、自分で決意した時に行うものだと考えています。
「骨が正常でない人は手術」という考え方は間違いだと考えています。手術をするかしないかと言うことにはもっと多くの条件が関係しているように思います。
患者さんが納得して手術を希望される場合は、いろんな情報を与えて応援するようにしています。
また、患者さんの術後経過を良くするために、手術前後の筋肉のお手入れの手伝いをしています。
 しかし、患者さんが手術をしようかどうか迷っているうちは「手術をしないほうがいいですよ」と言います。
手術には可能性が低いとはいえ、リスクが伴うからです。

一例を挙げましょう。
ほとんどの場合、手術によって骨の長さ(脚の長さ)が変わります。
片脚が2~3cm短かい患者さんが、人工骨の手術をするとその日から2~3cm骨が長くなり、脚の長さの左右差が無くなります。
脚の長さに左右差が無くなることは素晴らしいことですが、骨が2~3cm伸びるということと同時に、神経や血管や筋肉も2~3cm伸びていると言う事実を理解しておかなければなりません。

何年間も縮んでいた神経や血管や筋肉は、手術日を境に急に2~3cm伸ばされるわけですね・・・神経や血管や筋肉には異常が出ないのでしょうか?

実は、手術に成功しても手術後に異常が出る人がいます。
確率は非常に少ないのですが、神経の麻痺が出る人がいます。
また、伸ばされたことによる筋肉の痛みが出る人がいます。
このような症状は未然に防ぐことは可能です。
手術前に、神経や血管や筋肉をストレッチして柔軟性を出してあげるだけでいいのです。術前にこのようなお手入れをしておくと、術後の経過が非常に順調に進みます。

手術後の筋肉痛が1年近く出ていた方がいました。病院では手術は成功していると言われていました。残念ながら手術前にお目にかかることができなかったので、手術後だけお手入れを手伝わせていただきました。
人工骨の手術をしたのに痛みが出るのです。
診察をすると、殿部の横と大腿部の筋肉の痛みでした。筋肉が引き伸ばされたような硬さが確認できました。

患者さんとしては、手術が失敗したのではないかと疑っていたようですが、筋肉が原因である可能性が高いことを説明すると安心したようでした。
結果的に、現在は痛みが無く、年に1~2回、忘れた頃に筋肉のお手入れに来る程度になっています。

手術の失敗はほとんど無いと思います。しかし、リスクはあるのです。
ところが病院では、「手術をすると何でもできるようになるよ。」みたいな説明しかされないことがあるので、手術後の状態にショックを受けることがあるのです。
患者さんも手術をすると、すぐに何でもできる様に考えている方がいますが、手術後の回復は以外とゆっくりで、手術直後は意外と脚は動かないものなんですよ。

手術をあせる必要はありません。どのような状況でもあせる必要はありません。
しっかり時間をかけて、いろんな先生の診察を受けて、十分検討してからでも遅くないと思います。


つづく

変形性股関節症を怖がらないでね