股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

炎症の原因

2013-01-25 01:05:07 | 軟骨の話
◉関西の皆さんにお知らせがございます。
皆さんにはさらにご迷惑をおかけしますが、新大阪店の場所をさらに移転することにしました。
現在、もう少し小さな駅で、もっとわかりやすい場所の店舗に絞り込んでいます。
2月の初めには大阪に出かけ決められると思いますので、少々お待ちください。
子供の頃から慣れ親しんでいた新大阪駅を離れるのはさみしいのですが、駅が大き過ぎて場所がわからない方が多かったです。
新しい場所が決定するまでは、今までどおりサンクチュアリ新大阪になります。
スタッフより確認のメールをいたしますが、お間違えの無いようよろしくお願いいたします。
ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。

松本正彦




変形性股関節症 の英訳はOsteoarthritis of the Hip Jointです。
このOsteoarthritis of the Hip Jointをわかりやすく直訳すると「股関節炎」です。
ところが、和訳では「変形性股関節症」になるのです。

この和訳のせいで、本来なら「炎症」(股関節関節包)が主体で考えられるべき病気が、どうしても「変形」(骨や軟骨)が主体で考えられる病気になってしまったのです。


股関節痛の原因のおおもとは主に股関節関節包内の炎症です。


では、炎症の原因はなんでしょうか?

考えられる原因を列記してみます。

1、股関節、および股関節周囲のケガ
骨折や軟骨を痛めるような大きなケガ(事故など、骨や軟骨には炎症は起きません。)、スポーツや生活上で靭帯を痛める股関節捻挫、筋肉の一部が切れる肉離れ(開脚ストレッチをしていてプチッなど)、関節唇(関節包の一部と考えて良い)の損傷などいろいろありますね。
問診を詳しく行うと、結構このような原因が多いです。

2、炎症性の股関節疾患
ペルテス病、骨頭壊死、慢性関節リウマチ、Osteoarthritesなど、意外と原因は不明かも。
炎症は関節包などの軟部組織に起こります。

3、手術
股関節は人体の深いところにありますから、いくら傷が小さくても、軟部組織の切開部には必ず炎症が起こります。
また、股関節は人体の深い部分にあるので、炎症があっても炎症の確認が非常に困難な関節なのです。

4、感染症
細菌やウイルス感染ですね、これは人工関節でない人にも起こる可能性はありますね。
これは主に関節包内に起こります。



大まかな原因はこれくらいでしょうか。


筋肉はこれらの原因で起こった炎症の影響を強く受けます。


ここで注目していただきたいのは、手術による炎症です。
股関節は人体の奥深くにありますので、股関節に炎症が起きても腫れや熱感を感じにくい関節です。
一方、膝関節は人体の浅い部分にありますので、触ることによって炎症がわかりやすい関節です。

人工膝関節手術後の患者さんをみていると、膝関節表面の熱感が半年くらい続く方もいらっしゃいます。
このような方には、膝関節や周辺への強い刺激は加えないと考えるのが一般的です。
筋トレはもちろん、深圧も炎症の強い場所には細心の注意が必要です。



↓こういう考え方が一般的でしょう↓

『手術の前には、手術後の動けない期間のことを考えて筋力をつけておきましょう。
また、手術後はどんどん筋力をつけましょう。』


手術の前は筋肉性や炎症性の痛みが強い場合が多いです。
なかなか筋トレができませんし、筋肉がさらに硬くなる可能性がありますね。

手術の後は、股関節に必ず起こる炎症と、炎症の影響を受ける筋肉の短縮があるので、筋トレは危険性が伴いますね。
心配なのは、深部にある股関節の炎症の高まりと内出血です。



手術後、炎症がおさまるのには甘くみても4~5週間かかるでしょう。
(手術後4~5週間といえば、最近の人工股関節手術後の患者さんはすでに病院を退院している頃になりますね‥‥!)
この期間は、炎症を収めることが重要になります。
この期間は、私共は基本的に深圧は行いません。


炎症が収まれば、痛みも出にくくなりよく動けるようになりますので、それからでも筋力はどんどんついてきます。


股関節の手術の目的は主に痛みの緩和ですが、手術後の股関節の状態を良い状態に保ち、股関節を長持ちさせることこそが重要だと思うのです。


炎症のある股関節に、筋トレという刺激を加えることによって、股関節が長持ちしなくなることを心配しているのです。

私は、人工関節術後患者さんのお尻を何人も押してきて、びっくりするような深層筋の硬さの患者さんを多くみてきました。

この硬い筋肉は、股関節に加わる衝撃をうまく吸収できません。
ということは衝撃が大きく股関節に加わってしまうのです。



基本をよく理解して、焦らないこと。
筋力の低下は、後になっても取り返せること。
そして、お尻の奥の深層筋を柔らかく維持すること。


股関節を長持ちさせるためには重要なことだと私は思います。








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タイミング、『深圧って効果ないよね~!』

2013-01-15 20:54:29 | 股関節の基礎
●股関節周辺の痛みに悩んでいる方々が多いことに驚かされます。
私ひとりで始めたお店も、私の予約がいっぱいになった頃、宮川先生が加わってくれて、2人の予約がいっぱいになった頃、田山先生が加わってくれました。
3人体制で予約がいっぱいになることは予測しづらかったのですが、最近、3人共に予約が取りづらくなってきてご迷惑をおかけしています。
皆様に感謝いたします。
そろそろ、銀座店4人目の先生を募集したいと考えています。
例によって、教育に時間をかけますので、デビューは先になります。
皆さんのお知り合いで、うってつけの先生はいませんか?
また、我こそは!とお考えの先生はいませんか?
もしも、いらっしゃるようでしたらこっそり教えてください、よろしくお願いいたします。
↓↓↓







股関節痛の状態を左右する非常に大きな存在(原因)が股関節の炎症です。
股関節の骨や軟骨には炎症は起こりません。
股関節の炎症とは、股関節を包む袋、股関節関節包に起こる炎症を指します。

股関節の骨の表面や軟骨には神経がありませんので、激痛は絶対に感じません。
しかし、大腿骨の骨膜が進化した形の股関節関節包には神経が豊富で痛みを感じやすいのです。
激痛は、炎症が強い時と、筋肉がつった時にしか起こりません。
股関節疾患で問題になるのは痛みだけではないかもしれませんが、皆さんにとっての一番の問題は股関節痛だと思います。

その股関節痛の状態を左右する大きな存在がレントゲンには写らないから、レントゲンだけの診察法は大きな問題を含んでいるのです。

私はこのブログを通して、この間違った診察の過程に問題があると訴えています。
決して手術や筋トレを全面的に否定しているのではありません。
診察が間違うと、必ず治療法が間違うことが問題です。(結果オーライはあり得ます。)

前の記事に出ていた伝説の人も、もし人工関節手術を受けていれば関節包をすべて取り除くため、全く痛みなく「人工関節にして良かった。」と言っていた可能性は高いです。
結果的に、伝説の人の診断は誤診になり、もし手術というこの方には間違った手段を選択されていたとしても結果オーライだったとも言えます。



筋肉は炎症の影響を強く受けます。
私達は深圧で、皆さんの筋肉の痛みを軽減しつつ、関節可動域の維持改善と炎症の改善を目指しています。



前回説明しました炎症と深圧の関係図をもう一度見てみます。


赤いラインが問題の炎症の山でしたよね。
この炎症の山の登り坂の時は、変形性股関節症が一見“進行性”にみえます。
この時期〔(1)〕に深圧を受けられた方の中には「深圧って効果ないよね~!」と言われる人もいます。
この方が、その後いろいろな治療を経験し、ちょうど炎症の山を越えられた頃に受けられた別の治療法でどんどん痛みが改善するということは十分あり得ることです。


その方にとっては、その別の治療法のみが股関節に有効な治療法だと確信して友達にも勧めることでしょう。
紹介を受けた友達が、たまたま炎症の山をこえていた場合、また効果を実感することもあることでしょう。
しかし、その友達がまだ炎症の山を登りつつある段階だと、別の治療法でも効果を実感できない可能性が高くなると思います。

いつも書きますが、炎症を伴う疾患では個人差が大きく、治療時期のタイミングが効果に大きく影響します。
しかし、今自分が炎症の山のどこにいるのかは治療を受けてみて、その後の経過をみてみないことには判断がつきにくいものなのです。


私は次のように考えています。


まず、深圧で全患者さんの70%しか改善できなかった時、残りの30%を補おうと他の治療法を取り入れようとはしません。
70%を75%や80%に上げる深圧での押し方や、押すポイントを探し続けるのです。
深圧を深く深く掘り下げて研究し、深圧の技術の向上を図るのです。
そして、深圧を始めて16年経っても今だにある“新しい発見”をグループの仲間に伝えているのです。

先日、2人の方で腸腰筋の深圧後に股関節の伸展の可動域ストレッチを時間をかけて行った結果、今までに効果を感じることがなかった方に明らかな自覚的変化が現れました。

2人とも1ヶ月後に効果が持続していましたので、上記の方法が効果をもたらしたと判断しました。
そのうちのひとりの方は8回目の治療で、もうひとりの方は6回目の治療でやっと自覚的効果がありました。

深圧ですぐに自覚的効果が出ない場合、すぐさま炎症が原因だと考えるのでは無く、まずは上記のように深圧の押し方や押すポイントを変えながら自覚的変化が出るようにどんどん深圧プログラムを変えます。
そのおおもとには、「まだ原因筋を見つけられていないか、まだ原因筋に十分な深圧を行えていない。」という考えがあります。


しかし、それでもなかなか効果が得られない場合、股関節の炎症の上り坂状態であると判断して患者さんにも説明をします。
この時期に、股関節関節可動域の悪化を防ぎ炎症の軽症化と短期化を目指すのです。

この痛みがなかなか改善しにくい時期には手術を決断される方もいます。
そのような方々に行って来た深圧は、手術後の経過を良好にしてくれます。

何故なら、皆さんが手術を行う前に必要な事は筋トレではなく筋肉のストレッチであり、深圧は筋線維を直接ストレッチする直接ストレッチ法だからです。




「もっと前に松本先生を知っていたらな‥‥」という言葉をよく聞きますが、皆さんには個人差があり治療にはタイミングがあるので、もっと前に知り合えていたら効果が感じられなかったということも十分あることなのです。








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炎症と筋肉の暴走と深圧の関係

2013-01-08 01:16:52 | 股関節の基礎
2006年1月8日午後3時56分55秒、ちょうど7年前にこのブログは始まりました。
その時は、まさかこんなに長く続けられるとは思いませんでした。
その時は、まさか銀座で独立開業するとは思いませんでした。
この7年間にのべ84万人以上の方がこのブログを読んでくださり、私の背中を押してくれました。
皆さんに感謝しています。
8年目の今年もよろしくお願い致します。
2013..1.8
松本正彦



変形性股関節症 の英訳はOsteoarthritis of the Hip Jointです。
このOsteoarthritis of the Hip Jointをわかりやすく直訳すると「股関節炎」です。
ところが、和訳では「変形性股関節症」になるのです。

この和訳のせいで、本来なら「炎症」(股関節関節包)が主体で考えられるべき病気が、どうしても「変形」(骨や軟骨)が主体で考えられる病気になってしまったのです。




下の図の赤いラインは、変形性股関節症の正体である股関節の炎症(炎症性の痛み)の経過を示しています。
一方、青い線は筋肉の病気による痛みの経過を表し、炎症がピークを過ぎても暴走を続けるイメージを示しています。



この2つが股関節痛の原因となります。


次に、この股関節痛に対する深圧の効果について説明します。
深圧の効果を考える上で重要なのが皆さんの炎症の状態(時期orタイミング)です。
この時期によって効果はかなり異なりますし、深圧の目的も異なります。

基本的に、炎症に対する深圧の効果は、炎症のピークを低くして、期間を短くできることだと考えています。
(下の図の赤い点線で示す。)




そして、炎症性の痛みと筋肉性の痛みと深圧の関係を示したのが下の図です。
皆さんには個人差があります。
しかし、皆さんこの図のどこかに当てはまります。〔(1)~(5)〕
手術を受けて、術後深圧を受けられ現在好調な方は、炎症性の痛みも筋肉性の痛みもほとんどない状態となるわけです。




炎症が徐々に、もしくは急激に強くなっている時期(1)は、皆さんが“急な坂を転げ落ちるように”悪化を感じる時期です。
この時期には、深圧の効果を感じにくいと思います。
この時期は、炎症の影響を受けて筋肉が強く短縮して固まりやすく、結果的に股関節の可動域が狭く(股関節の動きが固くなる)なりやすい時期です。
この時期の深圧の目的は、筋肉をできるだけほぐし柔らかくして、筋肉性の痛みを和らげながら股関節の関節の動きを維持・改善させることです。
そして、先にも書いたように、炎症性の痛みのピークを低くして、期間を短くする事です。


炎症がピークを迎えた(2)後は、炎症性の痛みは徐々に改善に向かいます。
この時に、深圧を受けていると、青い点線の様に、炎症性の痛みの減少と平行して筋肉性の痛みも改善していくでしょう。
3や4の時期を迎えている人が坂道を転げ落ちていた人(2012年9月15日の記事)Sさん(2012年4月1日の記事)律子さん(2012年12月4日の記事)だったりするのです。



ところが、炎症性の痛みのピークまでに深圧を行わなかった場合、筋肉性の痛みの累積と共に関節可動域が狭くなるでしょう。
そして、その後炎症性の痛みが減少しても筋肉性の痛みの暴走を引き起こしてしまいます。(5)


(5)の状態の時は、炎症はもうほとんどありません。
しかし、暴走した筋肉性の強い痛みだけが残っています。(もしくは暴走した筋肉性の痛みが潜んでいます。)

(5)の状態の方が深圧を受けると、劇的に症状が改善します。
手術後の方で順調な経過であっても、手術という炎症があった後なので、筋肉性の痛みだけが潜んでいる事がありますし、手術後の経過が悪い方は、まさに�の状態に近いです。


この例が、伝説の人(2006年2月23日の記事)だったり、AかBの人(2012年7月19日の記事)だったりIさん(大転子高位の方 2012年4月28日の記事)だったりするのです。


伝説の人のレントゲン写真です。

下のレントゲンは13年前のレントゲンです。
この頃は足を床につくことができずに、人工股関節手術を勧められ、今後どんどん悪化すると説明されていました。


赤い矢印(左脚)の股関節の隙間が狭くなっています。
長い間脚を着けなかったようで、大腿部の骨の骨そしょうが酷く、骨が黒く写っています。



下の写真は3年前のレントゲン写真です。



レントゲンでは13年前と変化はありません。
この方は、当時車椅子で来られましたが、現在杖は必要ではなくまったく普通に生活できています。
深圧は、半年に1回位受けますが、痛みはありません。
現在お父さんの介護が忙しく、銀サロにはあまり来れない状態です。

レントゲンは変わらないのに、能力ははるかに改善しています。
もう安定期ですが、軟骨は残っています。
この方は一生手術は必要ではありません。



下の写真は、AかBの人のレントゲンです。




赤い矢印が示すように右脚の股関節の隙間が狭くなっていました。
しかし、この方ももうレントゲンは悪化しません。
もう炎症が無いからです。
この方は松葉つえで来られましたが、今では杖なしで普通に通勤・生活しています。
連続ジャンプを試してみましたが、まったく痛みは出ない状態です。
この方も手術の必要はありません。




そう言えば、12年前から私も5年間かけて炎症の山をのり越えました。
あの骨と骨が当たるような激痛は、今ではうその様で仕事もゴルフも無理がきくようになりました。
私の腰ちゃんも頑張ってくれました。
腰ちゃんに感謝です。





●2013年3月31日の新大阪講演会では今日の記事も含め、股関節を長持ちさせる秘訣についてお話します。
しかし、それ以上に、皆さんひとり1人の質問に答えられるような時間を取ります。
その後には食事会も考えています。
銀座のスタッフは全員参加します。
初めての方大歓迎です。
初めての方で希望者には深圧体験も行います。

まだまだ参加者は少ないです!
ご検討よろしくお願いいたします。


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