股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

変形性股関節症は治る病気です!

2020-05-14 01:01:25 | 股関節の基礎

🍓皆さんにお願いがあります。

 

 

変形性股関節症を『不治の病』とか『進行性の病気』だと信じている方々がいます。
その考え方を大きく変えるのだ!

 

 

そのような考えで『変形性股関節症は治る病気です!』という本を夜も寝ないで、昼寝しながら書き上げました。


 

 
目次はこんな感じです。
目次
はじめに
第1章 股関節痛の原因  
1、関節包に起こる炎症による痛み
2、筋肉に起こる筋・筋膜痛症候群による痛み
第2章 股関節痛は治ります
1、原因を明確にする
2、経過を知る
第3章 変形は治ります
1、自然治癒力の活躍
2、自然治癒力を信じて下さい
第4章 変形性股関節症の治り方の特殊性
1、治り方の特殊性
2、治り方の分類
第5章 手術に対する考え方
1、手術を決断するタイミング
2、手術後の経過が悪い方へ
   A、自骨手術後の股関節痛について
   B、人工股関節手術後の股関節痛について
第6章 変形性股関節症の正しい治し方
1、炎症の治し方
2、筋筋膜症候群の治し方
   A、筋肉のストレッチ
   B、深圧
3、機能障害の治し方
   A、筋力低下の治し方
   B,屈曲拘縮の治し方
   C、脚長差への対策
   D、歩行時の横揺れの治し方
4、変形性股関節症の治し方の手順
おわりに
 
 今回は主に整形外科医が行った研究への考察を多く取り入れました。


 
現在、当院のスタッフにお願いして読んでもらっているところです。
言っておきますが、出版社にはまだなんも連絡していません!


皆さんにお願いがあります。
 
皆さんがこの本の中に書いて欲しいことがありましたら、是非教えて下さい。
 
できる限り書き入れたいと思います。
 
そして、今月末には完成させて、6月に入ったら出版社に企画書と共に出版の検討をお願いする予定です。
 
是非是非、書いて欲しいことがありましたら教えて下さい。
 

 
よろしくお願い致します。
 
                         令和2年5月14日  松本正彦


筋筋膜症候群の治し方 2

2020-05-09 03:50:28 | 股関節の基礎

B、深圧 


肩がこったら肩周囲の筋肉をほぐす、腰痛の時は腰周囲の筋肉をほぐす。
肩こりや腰痛を経験した方の多くは、筋肉をほぐすということを試みていると思います。
では、股関節周りの筋肉はこることが無いのでしょうか?

 


肩こり、腰痛という言葉と同様な症状が股関節周りに起こると不思議なことに急に『股関節痛』、膝周りに起こると『膝関節痛』と呼ばれるようになります。
そして、『尻こり』とか『ももこり』という言葉は一般的には存在しません。
その大きな理由は、筋肉に病気があるという認識がほとんど無いからです。
なぜ、筋肉に病気があると考えられないかというと、それは筋肉のこり自体がレントゲン写真に写らないし、血液検査上も異常が出ないからです。
筋肉にも病気があるという考えが理解でき、筋肉のこりを見つけるための問診と触診ができて、初めて皆さんの股関節痛の一部を解決できるようになるのです。

 


皆さんには、『尻こり』や『ももこり』という認識を一度持ってみて頂きたいと思います。
筋肉は股関節の関節包内に起こった炎症の影響を受けやすく、怪我の後遺症や重度の疲労によっても病気になるということがもっと世間に広まってほしいと思います。
この考え方を理解できないと、治療法は手術しかなく、保存療法は筋トレが中心になってしまうのです。

 


最近では『筋膜リリース』という言葉がテレビや雑誌で取り上げられるようになり、痛みが筋肉を包む筋膜から出ることも少しずつ認識されてきた様に感じています。
『筋膜リリース』のリリースの意味は、『離す』と理解するとわかりやすいと思います。
筋膜と筋膜がくっついた状態で、立ち上がったり歩いたりして筋肉が収縮を起こすと、筋膜が引っ張られて痛みを出すので、くっついてしまった筋膜を離しましょうというのが『筋膜リリース』になります。

 


痛みを感じる神経が豊富に存在する筋膜は筋肉の表面にありますが、筋肉の内部にも多く存在します。
従って、筋肉と筋肉の表面にある筋膜をリリースするだけでは痛みは取れません。
筋肉の表面を覆っている筋膜だけでなく、筋肉の内部にある筋膜もリリースする必要があり、その筋肉は人体の表層だけでなく深層にも存在するのです。

 


 当院が行っている深圧は、人体の奥深くに存在する股関節により近い深層筋の筋膜まで離そうとする治療法になります。
ここで、お尻の横にある大殿筋、中殿筋、小殿筋と股関節の位置関係について説明します。

 

お尻の横にある筋肉群(表層から深層まで:右側が表層)
  
この図は、皆さんのお尻(股関節)を左側方から見た図になります。
皆さんのお尻の皮膚の下には大きな大殿筋があります(一番右)
その大殿筋の奥には中殿筋があり、さらにその奥には小殿筋があります。
そして、小殿筋の奥に股関節があるわけです。

 


一番深部にある股関節に炎症が起きている、もしくは、かつて炎症があった場合、真っ先に炎症の影響を受けるのはどの筋肉だと思いますか?
もちろん、股関節に一番近くに存在する小殿筋です。
したがって、私達は深圧という方法を用いてより深部の筋肉をほぐすことを目標としているのです。
小殿筋の痛みは股関節自体が痛むように感じます。

 


また、小殿筋の痛みはももの外側からすねの外側にかけての関連痛を起こすこともあります。
患者さんの痛みの部位を詳細に聞き取ること、その部位の痛みと関連痛との関係を考えること、その上で筋肉の硬さを触診することで患者さんの股関節痛の原因となっている原因筋を探し求めほぐすことが私の仕事になります。

 


深圧の根本的な考え方は欧米から始まった西洋医学になりますので、東洋医学的な要素は全くありません。

深圧の特徴と目的は、主に肘を使って筋肉を深く押し深層筋まで直接ストレッチすることによって筋肉をほぐし、筋肉内の血流を改善されることです。血流は自然治癒力の源です。

 


深圧の強さは患者さんによって異なりますが、だいたい30kg~50kgの力で筋肉を圧します。
とにかく、股関節の近くの深部筋までをほぐそうとします。
「筋肉を強く押すと筋肉が傷む」という根拠のない説明をする先生がいますが、もしも、そのような先生がいましたら「先生は強く押したことがあるのですか?」と問い返してみて下さい。

 


私が深圧を始めたのは、まだ埼玉医科大学病院に勤務していた1996年4月からですので、現時点で24年になりますが、この24年間の経験が筋肉を強く押しても傷まない根拠になります。
もちろん、暴力的な方法では筋肉が傷むこともあるでしょうが、筋肉が傷まない方法で行っていますので筋肉を傷めることは無いのです。
皆さんは信じられないかもしれませが、私の深圧のモットーは『優しく強く押す』です。
一見矛盾する言葉のようですが、それは可能です。

 


私は帝京大学病院で膝関節の勉強をして、埼玉医科大学病院で股関節の勉強をしていたので、当初は「膝関節が専門です。」と患者さんには話していましたが、ある患者さんの股関節痛が急激に改善した噂が広がり急激に股関節患者さんが増えました。

 

当時は整骨院で雇われ院長をしていました。

その整骨院に通って下さっていた患者さん達の中に変形性股関節症患者さん達が各地で作っている患者会の中心となって活動している方々がいらっしゃいました。

その方々から股関節専門になってほしいという要望が何度もあったものですから、多くの患者さん達に担がれるような形で股関節専門になり20年以上の年月が経過しました。
今思うと、当時私を担いでくださった患者さん達には感謝の言葉しかありません。

 


皆さんは、深圧で筋肉をほぐしてもすぐに元に戻ってしまうのではないかとお考えかも知れません。
確かに、すぐ戻る時期はあります。
それは、関節包に炎症が強い時期です。その炎症もピークを過ぎてくると、筋肉をほぐした効果は持続して、炎症の終息と共に筋肉が硬くなることは無くなります。
これは、筋肉が柔らかくなると筋肉内の血液循環が良くなり、一日の疲労がお風呂に入って寝ている間に取りきれる筋肉、つまり病的な筋肉がほぐれて正常な筋肉に戻るからなんです。
 

 

深圧を初めて受けられた方のその後の経過ですが、その日から2日間くらいはもみ返しが出る方が多いです。患者さんの体質によってもみ返しが全く出ない方や5日くらい押されたところのだるさや、触ると痛い感じが残る方もいます。
その、もみ返しが取れた後が楽になってくる方が多いです。
当院の通院回数は通常1ヶ月に1~2回ですので、2回目に来られた時に効果について問診しますが、この時点で少しでも改善の兆しがある方は、その後どんどん改善する可能性が高くなりますので、私は前回とほぼ同じプログラムで深圧を行います。


2回目に来られた時に、効果の実感がない場合は次の2つのことを考えます。
1、股関節痛の原因となる原因筋が、前回のプログラム以外に存在するのではないか?
2、股関節痛の原因が筋肉ではなく関節包内の炎症ではないか?
1、の場合と仮定すると深圧のプログラムを変えて前回あまり深圧しなかった筋肉の深圧にて原因筋を探し求めます。
また、2、の場合と仮定すると、今後股関節の関節可動域が悪化する可能性があるので、深圧で筋肉をストレッチ(直接ストレッチ)した後、関節可動域を広めるためのストレッチ(間接ストレッチ)を行います。
2回目に来られた時の効果の実感の程度に合わせて深圧のプログラムを考え、3回目の来院時には再び効果の実感を確認し、プログラムを再検討していくわけです。

 


そして、筋肉が病的な状態から正常に近づいた患者さんは、当院への通院期間を徐々に広げ、患者さん自身に自信がついて『もう通院しなくても良いかな』と感じたら終了としています。
この判断も患者さんの希望を優先しています。

 


現在、当院には股関節痛は無くなっているのに通院してくださっている方もいます。
皆さんの究極の目標は現在の股関節を長持ちさせることです。

 


そいう言う目的を強く感じている患者さんは、股関節痛が無くなってもメンテナンスの為に通院されています。
人は無意識な反射として、脚を地面に着いた瞬間脚全体の筋肉を収縮させて体重を支えようとします。
その瞬間的な筋肉の収縮力は、人体における最大の衝撃吸収力を持ったクッションになります。
筋肉を病的な状態から正常な状態に戻すと、筋力は強力に発揮できるようになりますので、股関節に加わる衝撃を強く吸収できるようなります。

 


従って、筋肉を正常に戻すことは股関節の長持ちにつながるのです。
深圧は当院のオリジナル法ですので、皆さんが近所で探すときは、『筋膜リリース』『マイオセラピー』『指圧』等の項目が掲げられている施術所を訪ねてみてはいかがでしょうか?
しかし、その前に、ぜひ自分で自分の痛みの場所を詳しく観察して、その部位や周辺をほぐすことをお勧めします


筋筋膜症候群の治し方

2020-05-08 04:10:42 | 股関節の基礎

筋筋膜症候群の治し方

A、筋肉のストレッチ
『臨床医のための痛みのメカニズム』という本に書かれている筋筋膜症候群の治療法は次のとおりです。

 

A、トリガーポイントに局所麻酔薬を注射する(トリガーポイント注射)
B、筋肉の牽引(筋肉の間接ストレッチ)
C、トリガーポイントの指圧(筋肉の直接ストレッチ)

 

Aは病院の先生にしかできない治療法です。

 

当院が行っているのはBとCになりますが、主にはCになります。
おおまかにいうと、硬く縮んだ筋肉のストレッチです。
筋肉のストレッチには、一般的に行われている間接ストレッチ法と深圧や指圧の様な直接ストレッチ法があります。

 

筋筋膜症候群では、筋肉の一部に筋肉のしこり(筋硬結:きんこうけつ)ができて筋肉の長さが縮むことが知られていますが、しこりが筋肉の一部に限局するため一般的なストレッチ(間接ストレッチ法)では筋肉の正常な部分だけが伸ばされ肝心の一部に限局したしこりがストレッチされない可能性があります。

 


一方、当院が行っている深圧のような直接ストレッチ法では、しこりを触診してしこりを直接ほぐせるので、筋肉を緩めるには効果的なストレッチ法(直接ストレッチ法)になります。

 


この図のように、筋肉の一部にしこりができると筋肉は硬くなって筋肉の両端の距離が縮みます。
股関節周囲の22本の筋肉の両端は股関節をまたいでくっついていますので、その筋肉が縮むということは22本のいずれかの筋肉が大腿骨を強烈に骨盤に向かって引き上げることになり、結果的として股関節の隙間を狭くしようとする作用が働きます。

 


この股関節の隙間を狭くしようとする作用は、股関節の軟骨に強い圧迫を加えるので、軟骨細胞が減ってしまう軟骨軟化症の原因となることが考えられます。
このように、股関節痛改善の為だけでなく股関節の軟骨の保護のためにも縮んでしまった筋肉はストレッチにて伸ばさなければならないのです。
筋肉が病気になって縮むことで股関節痛が出るのですから、股関節痛を改善するには筋肉をストレッチして伸ばして緩めればいいのです。

 


一方、筋トレとは筋肉を縮める動作の繰り返しによって筋力をつけようとする運動になります。
筋肉が筋筋膜症候群によって縮むことで股関節痛が出ている筋肉に対して、さらに筋肉を縮ませようとする筋トレを行う事は股関節痛を悪化させ、軟骨の細胞を減少させてしまう可能性が高まるのです。