股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

先天性股関節脱臼はその後が大事です。

2021-02-27 16:11:00 | 股関節の基礎

「先天性股関節脱臼」という言葉は最近使われなくなっているらしいです。

最近では『発育性股関節形成不全』とよばれるようです。

それは、股関節が緩い(脱臼しやすい)新生児のころに足を伸ばした状態でおむつを着用し、間違った肢位で股関節が固定されるなどの習慣によって脱臼が生じることが原因とされているからだそうです。

つまり、先天性ではなく後天性に生じると考えられているそうです。この見解については、すべての方には当てはまらないのではと私は考えています。

今回の記事は、先天性股関節脱臼のその後のお話です。

 

※※※YouTube版『股関節痛は怖くない!』チャンネル※※※

https://youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

※チャンネル登録よろしくお願い致します。

 

🍓「赤ちゃんの頃先天性股関節脱臼で治療したけど治ったと聞いていました。」と言う患者さんは比較的多いです。

つまり、子供の頃に治ったと言われていたので、気にしていなかったけど、大人になって股関節に症状が出る方がいるということです。

先天性股関節脱臼は大人になってからの変形性股関節症の原因になるという考え方は、医学的には常識的な考え方だと思います。

 

確かに、赤ちゃんの時、先天性股関節脱臼は一旦治るのです。

しかし、その後の幼稚園時代、小中高校時代のケアがしっかりできない方が多いので、大人になってから症状が出るのです。

ということは、子供の頃のケアをしっかりと行えていれば、大人になってから変形性股関節症になることは避けられることでしょう。

ですので、赤ちゃんの頃に担当した先生は、赤ちゃんの将来のことについてしっかり厳しく説明する必要があるように感じます。

 

 

福島県在住、久美子さんのお子さんほのかちゃんの話です。

ほのかちゃんは、1ヶ月、2ヶ月健診では股関節に問題はなかったのですが、その後の健診で先天性股関節脱臼の診断を受けました。

その後、リーメンビューゲルという装具を3ヶ月装着していたそうです。

       リーメンビューゲル装具

 

ほのかちゃんが幼稚園に入ると新体操を始めたのですが、お母さんの久美子さんはほのかちゃんが一方向の横座りしかしないし、赤ちゃんの頃脱臼していた右股関節の可動域が狭いのが気になっていました。

 

その頃、私が赤ちゃんの深圧についてブログやSNSに書いていたのを久美子さんは見ていたので、気になって2016年6月、ほのかちゃんが5歳の頃に初めて銀座に来られました。

 

この時、右足は1cm短く、右股関節の可動域は開脚が少し硬い状態でした。

 

脚長差があることは、大腿骨頭が修復された結果なので、股関節の二本のラインは比較的キレイで、股関節はしっかり治っている証拠でした。

あぐら座が困難で、内また歩行になっていました。

 

実は、久美子さんも股関節症で、深圧を受けていたこともあり、私がほのかちゃんを深圧する様子をまねて自宅でも私の指導に沿った“なんちゃって深圧“(本人談)を行いました。

筋肉でいうとハムストリングスの硬さが一番目立っていました。

 

現在、小学4年生になり、良くなったところもありますが、まだ不安なポイントもあり、小学生のうちにすべて解決したいと考えています。

毎月深圧を受けに来ているわけでなく、2ヶ月に1回~3ヶ月に1回、今後は半年に1回~年に1回という間隔で十分ケアできると考えています。

 

久美子さんの話によれば、最近、脚の長さが揃ってきたようです。

骨盤や背骨の自然調整により、脚の長さが揃っている方も見受けられますので、その様な調整ができできてきたのだと思われます。

この調整は人体に悪影響は及ばないと考えています。

 

この様に、赤ちゃんの頃に骨は治っているのだから、骨の周りの軟部組織を子供の頃にほぼ正常な状態に戻しておけば、大人になってから変形性股関節症になることは防げると考えます。

 

富士温泉病院の矢野先生は、その著書の中で軟部組織の状態が悪いまま放置されることが変形性股関節症を招くと書かれています。

私も同じ考え方で『放置療法は問題だ』ということを赤本の中に書いたと思います。

 

皆さん自身、皆さんのお子様、皆さんの周りでこの話に当てはまりそうな方はいませんか?

 

すでに骨は治っていて毎月の通院は必要としないことが多いので、ぜひ、軟部組織のケアを検討して頂きたいと思います。

 

この想いは、私だけの想いではなく、ほのかちゃんのお母さん、久美子さんの強い想いでもあるのです。

 

🐸 変形性股関節症を怖がらないでね!🐸


安心してください、骨の穴はつぶれません。

2021-02-25 11:16:17 | 股関節の基礎

久しぶりにyoutubeを一般公開してみました。

オンラインサロン内で1月の初めに公開した動画を撮り直して公開しています。

今回の動画は骨にあく穴の意味についてです。

❖YouTube版 股関節痛は怖くないチャンネル

 

 

🍓骨にあく穴、骨嚢胞(こつのうほう)と言いますが、この穴がつぶれると説明する先生が多いのでお気を付けください。

 

5年前高松でお会いした方は、骨盤側に大きな穴があき「この穴がつぶれるので、足をかばいなさい。」と言われびくびくしていました。

私は、絶対につぶれないと説明しました。

それからは、足にどんどん体重をかけて頂きました。

骨は体重をかけると新しい骨が出ますからね。

 

先日、大阪でその方にお会いしたら、「骨の穴が無くなっていて、病院の先生が不思議がっていました。」と言っていました。

 

骨にあく穴は骨がつぶれない為にできる正義の味方なんです!

 

この穴の縁は硬くなっていてつぶれませんよ。

 

ビックリですよね。

 

だから、この方の様に穴が埋まって無くならなくてもつぶれませんから大丈夫なんですよ。

それは1983年の研究結果からわかっています。

この頃勉強していた先生方は「この穴はつぶれません。」と説明しています。

 

「骨の穴はつぶれます。」と説明する先生は勉強不足です。

 

 

🐸 変形性股関節症を怖がらないでね!🐸


筋肉の病気のお話 2

2021-02-12 14:30:40 | 股関節の基礎

コロナも3月には落ち着く頃な。

皆さんお元気ですか?

私は食事をする時間が遅くなるので、午後8時以降はコンビニ弁当しか選択肢が無くなっています。

早くコンビニ弁当から逃れたいです。

早く人間になりたい!

 

 

■オンラインサロンへのご入会待ってま~す■

   注)入会時のみスマホでお願いします。

https://shin-atsu.fants.jp/register_applies/new?qrcode_from=pc&register_token=8ZdPfb7_

 

🍓前回の記事に書いた滋賀医科大学の先生が書かれた『臨床医のための痛みのメカニズム』の68ページから69ページにかけて股関節痛の一種『筋筋膜症候群』によって筋肉内のしこりにできるトリガーポイント(発痛点)に対する治療法が3つ書かれています。

 

1、トリガーポイントに局所麻酔薬を注射する

2、筋肉の牽引

3、トリガーポイントの指圧

 

『2、筋肉の牽引』というのは、一般的に行われている筋肉のストレッチのことです。(間接ストレッチ法)

 

『1、トリガーポイントに局所麻酔薬を注射する』は医師にしかできない治療法です。

現在ではトリガーポイント注射と呼ばれる治療法ですね。

 

従って、「変形性股関節症による股関節痛への治療法は手術しかない。」という説明は嘘です。

他に股関節の関節包内に対する注射法もありますね。

ヒアルロン酸とかステロイドの注射ですね。

35年ほど前、私が勤務していた整形外科病院の院長先生(整形外科医)は、トリガーポイント注射も関節内ステロイド注射も行っていました。

その院長先生は、患者さんに注射をするために、左手に持ったレントゲン写真を見ながら問診と右手での触診を繰り返し注射を行うポイントを決めていました。

評判が良く無茶苦茶混んでいる病院でしたので、非常に素早い診察時間で多くの患者さんに対応していました。

この先生は、椅子に座っていることがほとんど無く、いつも動いていた印象があります。

既に、40年前にはそのような整形外科医がいたのです。

 

話は戻りますが、この本は私が埼玉医科大学病院に勤務していた1994年頃に、あるリハビリテーション科の医師から頂いた本でした。

その先生は、スペイン語とポルトガル語をが好きな先生だったので、スタッフからは『アミーゴ』と呼ばれていました。

そのアミーゴ先生がブラジルへ留学することになって、その時に頂いた本でした。

ここではアミーゴの話は詳しく説明しませんが、既に30年ほど前にこのような本があって、実際にリハビリテーション科の医師が読んでいたのですよ。

そして、その頃には筋肉の病気について書かれていた本が既に存在していたのですね。

 

 

私達が行っている深圧は3、に含まれます。(直接ストレッチ法)

私は医師ではないので、2、と3、を行っているのです。

現在では『筋膜リリース』と呼ばれる方法も3、に含まれるでしょう。

 

医師は法律上どのような治療法を行ってもいいんですよ。

オールマイティーなんですね。

従って、医師は法律上では1、だけでなく2、3、も行う事はできるし、鍼灸だってできるのです。

 

 

 

 

この図のように、筋肉の一部にしこり(筋硬結:きんこうけつ)ができると筋肉は硬くなって筋肉の両端の距離が縮みます。
股関節周囲の22本の筋肉の両端は股関節をまたいでくっついていますので、その筋肉が縮むということは22本の筋肉が大腿骨を強烈に骨盤に向かって引き上げることになり、結果的として股関節の隙間を狭くしようとする作用が働きます。

 

この股関節の隙間を狭くしようとする作用は、股関節の軟骨に強い圧迫を加えるので、軟骨細胞が減ってしまう軟骨軟化症の原因となることが考えられます。
このように、股関節痛改善の為だけでなく股関節の軟骨の保護のためにも縮んでしまった筋肉はストレッチにて伸ばさなければならないのです。

筋肉が病気になって縮むことで股関節痛が出るのですから、股関節痛を改善するには筋肉をストレッチして伸ばして緩めればいいのです。

一方、筋トレとは筋肉を縮める動作の繰り返しによって筋力をつけようとする運動になります。
筋肉が筋筋膜症候群によって縮むことで股関節痛が出ている筋肉に対して、さらに筋肉を縮ませようとする筋トレを行う事は股関節痛を悪化させ、軟骨の細胞を減少させてしまう可能性が高まるのです。

 

筋トレを一生懸命行った結果、股関節痛は徐々に強くなり、筋肉が縮んで関節の動きが悪くなり軟骨の隙間は徐々に狭くなり、痛みの為に筋力も出にくくなり、変形性股関節症はまるで進行性の病気の様な経過をたどってしまうのです。

その結果が『変形性股関節症は進行性の病気です。』という誤った説明につながっているのです。

 

 

確かに20年ほど前までは筋トレが盛んに指導されていましたよ。

この『20年ほど前まで』というのは私が持っているイメージですが、現在でも『筋トレが一番重要』と考えている医療従事者は多いし、そう信じている患者さんも多いですね。

でも、筋トレやらないとどうしても不安だという方もいるでしょう。

そういう方は、筋トレが自分の身体を調子よくしてくれるかどうかを考えてみて下さい。

何となく良い感じがあれば、筋トレの前に準備運動としてしっかり筋肉をほぐしてから筋トレしてみて下さい。

 

ひとり一人、身体も経過も違いますので、筋トレが全ての方に悪いわけでは無いのです。

是非、自分の身体と相談しながら判断してほしいと思います。

 

 

 

 

変形性股関節症を怖がらないでね