股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

筋肉の役割 

2019-09-17 18:04:40 | 股関節の基礎
日曜日に整形外科医の坂井学先生と勉強会を行いました。
坂井先生の常識として骨には神経は無いと言い切っていました。

実際手術をするとき、骨の表面の骨膜を切る時などは麻酔をしますが、骨の手術には麻酔を行わないのが常識だったようです。



🍓まず皆さんにお伝えしたい筋肉の役割。
 
『筋肉は股関節を守る特大のクッションである。』


 
筋肉と言っても、内臓や心臓も筋肉ですが、ここでは関節を動かす骨格筋のお話です。
 
一般的に、筋肉の役割としては関節を動かすことが挙げられるでしょう。
他には体温の維持、姿勢の維持などが筋肉の役割として説明されるでしょう。
 

人は脚で体重を支えながら移動することが多いです。

この時、両脚には大きな負担がかかりますので膝関節や股関節にも大きな負担がかかっています。

もしも、人が骨と軟骨だけでできているのなら、体重を支えながら移動すると力学的計算上では骨や軟骨はすぐに傷んでしまいます。

しかし、実際にはに全く違和感なく動けることが多く、人体には特大のクッション(衝撃吸収)が備わっていることが理解できるでしょう。

特に、マラソン選手を例に考えると理解しやすいと思います。

筋肉の役割は股関節を守る特大のクッションであるということを理解することは非常に重要です。 



股関節を守る靭帯は主に3本ありました。

靭帯にも多少のクッションの役割はあるかもしれませんが、主な役割は脱臼を防ぐことでした。

一方、股関節を守る筋肉は22本あり、その体積の比率は非常に大きな数字になります。


下の図は、股関節に近いももの断面図です。

 ももの前外側に大腿骨がありますが、その周りがぎっしりと筋肉で占められているのがわかります。

皆さんが、脚に体重をかけると全ての筋群が反射的に一斉に収縮します。

その時に股関節に加わる衝撃が、筋肉によって吸収されるのです。


レントゲン写真には写りませんが、この筋肉がぎっしりな構造は股関節も同様です。

そうやって、筋肉は股関節だけではなく全身を守ってくれているのです。



 

 

 


 

 


 

 

 


股関節の動き 

2019-09-13 12:19:42 | 股関節の基礎
🍓股関節は様々な方向に動く非常に複雑な関節です。
従って、股関節の動きに関する筋肉の数が多いのです。
股関節は基本的に6方向の動きがあり、日常生活では6方向の動きが複雑に重なり合った動きとなっています。
 
股関節の基本的な6方向の動きとは下記のとおりです。
 
1、屈曲    2、伸展   3、外転  4、内転  5、外旋  6、内旋
            
 
それぞれの動きには、その動きを行う筋肉が存在します。
1、屈曲→ 腸腰筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、恥骨筋
2、伸展→ 大殿筋、大腿二頭筋(長頭)、半膜様筋、半腱様筋
3、外転→ 大腿筋膜張筋、中殿筋
4、内転→ 大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋
5、外旋→ 大殿筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋、梨状筋
6、内旋→ 小殿筋
   
 
股関節の動きが悪くなる原因はいくつかありますが、骨と骨が当たって股関節の動きが悪くなることはほとんどありません。
 
一般的に、股関節の動きが悪くなる原因は、筋肉の硬化、靭帯の硬化、関節包の硬化と考えます。
 
 
 
 



Coffee break!  コマーシャルです

2019-09-09 21:25:09 | 股関節の基礎
只今このブログを本にするために書いていますが、面白くない項目もあるので読み返しながら修正・削除していこうと思います。
しかし、どのような本を書きたいのかが明確になってきました。
今回は、ちょっと休憩で、『らっこイス』の紹介です。
 
 
 
 
🍓~変形性股関節症の方が座りやすく立ちやすい高さのある椅子『らっこイス』が完成しました~
 
 
以前より、私は『股関節が楽な楽股椅子』を安く作れませんか?と工務店経営の先輩に何回も相談していました。
 
しかし、「2~3万円出しても作れないよ。」と笑われながら断られてきました。
そこには、日本の大工さんの日当や材料費が高くつくという問題がありました。
 
 
そこで、海外の材料や専門家をかかえる木工所を探し出し相談したところ、快く販売のために協力してくれることになりました。
試作品を見たところ、滑り止めが不十分だったので、滑り止めを追加して完成となりました。
 
価格は、送料が思ったより高くなる関係で13000円(消費税込み、送料込み価格)となりましたが、国内で作成することを考えるとずいぶん安く作製することができました。
これが、股関節に楽な『らっこイス』(楽股椅子)です。
 
 
 
 
    
■椅子の高さ 60cm
■座面の大きさ 縦30cm×横40cm×厚さ4.5cm(板の厚さ2cm+スポンジの厚さ2.5cm)
■座面の材料 滑りにくい布製
 
股関節の曲がる角度が硬めの方でもお尻を半分乗せるように座れる“ちょこん座り”ができる椅子です。
(この座り方を目的としています)
 
高さが60cmあるので、股関節周りの筋肉が固まりにくく、座りやすくて立ちやすい椅子になっています。
 
只今、銀座店10階と13階に見本を置きました。
また、今月中には仙台店と大阪店にも見本を置きます。
ご購入ご希望の方はこちらまで連絡下さい。→ 松本深圧院ホームページお問い合わせフォーム
また、直接当店スタッフまでお問い合わせください。
 
ご検討よろしくお願い致します。
松本深圧院 スタッフ一同

股関節内側面の筋肉群(内転筋群)  

2019-09-06 12:31:42 | 股関節の基礎
🍓股関節内側面の筋肉群は主に内転筋群と呼ばれることが多いです。
これは足が地面に着いていない状態で、股関節を内転(股関節を内側に閉じる)する筋肉を意味します。
 
1.恥骨筋 ちこつきん
2、短内転筋 たんないてんきん
3、長内転筋 ちょうないてんきん
4、大内転筋 だいないてんきん
5、薄筋 はっきん
   
 
 
内転筋群の中で薄筋だけは膝下まで延びているので膝の痛みに関連します。
 
内転筋群の位置は意外と深部まであり、さらにその深部に股関節が存在します。
 
 
 


 
 

股関節外側面の筋肉群(外転筋群)  

2019-09-05 09:48:38 | 股関節の基礎
🍓股関節外側面の筋肉群は主に外転筋群と呼ばれることが多いです。
これは足が地面に着いていない状態で股関節を外転(股関節を外側に開く)する筋肉を意味します。

1、大腿筋膜張筋 だいたいきんまくちょうきん
2、中殿筋  ちゅうでんきん
3、小殿筋  しょうでんきん

表層の前側に大腿筋膜張筋があります。
大腿筋膜張筋は腸脛靭帯となり膝関節の外側下にくっ付きますので、膝の痛みと関連します。

大殿筋と大腿筋膜張筋の深部に中殿筋があります。


さらに、中殿筋の深部に小殿筋が重なって存在します。


小殿筋はかなりの深層筋になりますが、さらにその深部に股関節が存在します。







股関節後面の筋肉群(伸筋群)  

2019-09-04 09:18:18 | 股関節の基礎
🍓股関節後面の筋肉群は主に伸筋群と呼ばれることが多いです。
これは足が地面に着いていない状態で、股関節を伸展(股関節を後ろにそらす)する筋肉を意味します。

1.大殿筋  だいでんきん
2、大腿二頭筋 (ハムストリングス) だいたいにとうきん
3、半腱様筋  (ハムストリングス) はんけんようきん
4、半膜様筋  (ハムストリングス) はんまくようきん
5、梨状筋    (深層外旋六筋) りじょうきん
6、上双子筋   (深層外旋六筋) じょうそうしきん
7、下双子筋   (深層外旋六筋) かそうしきん
8、内閉鎖筋   (深層外旋六筋) ないへいさきん
9、外閉鎖筋   (深層外旋六筋) がいへいさきん
10、大腿方形筋     (深層外旋六筋) だいたいほうけいきん

股関節を伸展する筋肉はお尻のふくらみを形成する大殿筋と、ももの裏にある大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋です。
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の三筋は、一般的にハムストリングスと呼ばれています。

ハムストリングスは膝関節の下まで延びていますので、膝の痛みに関連します。


皆さんの中には、お尻のふくらみは脂肪がほとんどではないかと考えている方が多いようですが、実はほとんどが筋肉です。
お尻のふくらみを形成する大殿筋は非常に大きな筋肉です。
その大殿筋の深部には小さな6つの筋肉があります。

この小さな筋群は深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)と呼ばれ、股関節を外旋(脚を外に回す)する働きがあります。(下図の右のお尻は大殿筋を取り除いて深部が見えるようにしています。)



深層外旋六筋のさらに深層に股関節が存在します。







股関節前面の筋肉群(屈筋群)

2019-09-03 13:14:57 | 股関節の基礎
🍓股関節前面の筋肉群は主に屈筋群と呼ばれることが多いです。
これは足が地面に着いていない状態で、股関節を屈曲(ももを上げる動き)する筋肉を意味します。

1、大腰筋  だいようきん
2、腸骨筋  ちょうこつきん
3、大腿直筋 だいたいちょっきん
4、縫工筋  ほうこうきん


大腰筋、腸骨筋を合わせて腸腰筋と呼ぶ場合が多いです。


大腰筋は腰から始まる筋肉ですので、腰痛と関連します。


ももの前面には膝関節の下まで延びる大腿直筋と縫工筋があります。
大腿直筋は膝の前面の痛み、縫工筋は膝の内側の痛みとも関連します。




鼠径部で、腸腰筋のさらに深部に股関節が存在します。