血と骨と肉、一つの意志が構成するもの
生の波形を見ることはできない
決して目撃することができないもの
全貌を視覚に収めることができないもの
そのうちがわに生きている
照らすまなざしだけが教えてくれる
外から訪れる光、照射されるシグナル
同じ光源として出会い、照らし、照らされる
光がまじわる地点に映し出される写像、意志のかたち
それがすべてではないことはわかっている
ただひとつの手がかりであることもわかっている
配慮する光、削る光、素通りする光
光の数と同じだけの意志が溶け合っている
光と光が出会い、溶け合う場所、そこが
「私」と呼ばれる場所にほかならない
つねに率直であることはむずかしい
しかしためらいなく告げられることはある
つねに赤裸々に生きることはできない
しかし赤裸々の心をもてなすことはできる
配慮する光に出会ってほどけていくものがある
やさしい光に触れて消えていくものがある
配慮しもてなす光を集めた世界に身を置くとき
一つの光源のうちがわに新たな配慮が動いていく
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