The Honey Wind Blows - The Brothers Four - YouTube
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けれども人間は、運命のなかに、おのれ自身の生を認める。
そしてそれへの切望は、主人への哀願ではなく、
おのれ自身へと立ち帰り近づいていくことなのである。
人間は運命のなかにみずから失ったものを感得するので、
運命は失われた生への憧憬を呼び起こす。
この憧憬は、もしどうしても改善とか向上とか言いたいならば、
すでに向上と呼ぶことができる。
この憧憬は生の喪失の感情であって、失われたものを生として、
かつて生に親しみ深かったものとして認知するからである。
この認知はそれだけですでに生の享受である。
──ヘーゲル『キリスト教の精神とその運命』細谷・岡崎訳
*
when the honey wind blows
なぜかわからない
あらゆる記述の外から訪れる
あふれ、こぼれ出し、決壊する
しかめ面した心のまま
泣き出しそうな心のまま
まるごとさらわれて行く
イヤということではない
幸いということではない
遠い面影を先取りするように
すでに、幼い心には喪失が溶けていた
二度と出会うことのない
いまここの出来事すべてに
あふれ、こぼれていく
汲みつくすことができない
追いつけない、手に負えない
はかり知れない闇に消えていくものたちを
かなしく満たすように
いちばん柔らかい心の場所に
そよ風は甘く、情動の嵐が現象する
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